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ボーイズ・ライフ

あらすじ

1957年のアメリカ。母親のキャロライン（エレン・バーキン）と息子のトビー（レオナルド・ディカプリオ）は、キャロラインの暴力的なボーイフレンドのロイから逃れ、一攫千金を夢見てユタ州ソルトレイクシティへと車を飛ばしていた。新しい土地で2人は再出発するが、父と母の3人で暮らす理想の家庭環境が心を圧迫するのか、トビーは学校で度々問題を起こしてしまう。ある日ロイが再び姿を現したため、母子はシアトル行きのバスに飛び乗る。シアトルに移り住んで半年、成長期にあるトビーはますます精神的に不安定になり、町の不良グループと行動を共にするようになっていた。一方、キャロラインは、明るくユーモアがあって社交的な紳士ドワイト（ロバート・デ・ニーロ）と出会い、彼に強くひかれる。トビーの生活態度を改めるため、ドワイトの元に預けられることになったが、温厚そうに見えた彼は「おまえを鍛えなおす」と脅かして厳しく当たる。それはしつけというより暴力的な威圧だった。ドワイトとキャロラインは再婚し、彼の家での新しい生活が始まる。やがて、ドワイトは次第に父親としての権威を押しつけ、暴君のように振る舞いはじめた。それは、彼が本当は小心者にすぎないことの現れだった。だが静かな暮らしを望む母親は、反抗するトビーをなだめながら従順に従う。保守的でつまらない町で2年間を過ごしたトビーは町を出ていくことを決意し、大学の奨学生試験を受ける。合格した彼にドワイトは悪態をつき、我慢の限界に達したトビーは、ついに父を殴り倒して母と手を取り合って家を飛び出す。それは、自分の将来の夢と可能性を信じた勇気ある決断だった。 

ネタバレ感想

ディカプリオはこの時点ですでにあの眉毛なんですね。

ひと昔前のアメリカっぽさが詰め込まれたような映画でした。

男の趣味が悪く、どうしようもない母親と息子が元恋人から逃げ回り住居を転々と変えていきます。「度胸はあるが常識はない」と言われる母親キャロラインは確かにその通りで、突拍子もなく先の事は考えないものの、行動力はあり逞しく、そんな母親のある意味身勝手な行動に振り回されても親子仲良く楽しそうではあるというのが救いです。

シアトルに移り住んだトビーは家庭環境のせいもありどんどん素行不良になっていき下品で悪い仲間たちとつるむようになっていきます。ただ、素行が悪く粋がっていても、そんな自分の事すら客観的に分析する賢さと、見た目や言動よりも少年らしい純粋さを持ち合わせているトビー。

母キャロラインには新しい恋人が出来、ドワイトという男は紳士的でやっとまともな男性と出会えた事を喜んでいます。問題を起こしてばかりのトビーを数ヶ月ドワイトの元に預け、二人の関係が上手く行くようであれば結婚すると母親は言います。

ドワイトの事は小馬鹿にしていても母親の期待には応えたいトビーは、あくまでも“更生のためのしつけ”と称した脅しにも近いドワイトの支配に耐え続け、キャロラインとドワイトは結婚することに。

しかしこの男、かなり劣等感にまみれた幼稚な屑野郎なのです。結婚後はいよいよ本性が露わになり始め、これまでも薄々勘付いていたであろう暴力的で征服欲の塊のような性質に確信を持ち始めます。

めちゃくちゃちっさい事をネチネチ言ったり、自分の思い通りにならない事があるとキーッとなるようで、トビーに対する口撃も小学生みたいな幼稚さが前面に押し出されていました。しかもヤバくなったら怪我した子供の指を噛むというあまりに大人気なく情けない卑怯っぷり。

確かに理不尽で腹の立つシーンが何度もありますが、トビーも基本的には委縮することなく接している事やつまらん武勇伝を聞いてさえいればご機嫌な様子を見る限り、慢性的に暴力を伴う虐待があったようには見えませんし、さあこれからエスカレートしていくのか？と思いながら見ていてもキャロラインに手をあげるようなシーンもなかったので、そんな感じで済むのかとも思いました。

どちらかというと暴力による虐待というよりはどんどんドワイトに似てくる自分に嫌気がさしたりといった精神的な閉塞感とかそういう内側でもがいているような苦しさが大きかったです。

最終的に身一つで母親と二人あっけなく家を出るのですがほんとにあっけない。しかも身一つって。せっかく決まってた進学先とか大丈夫なのかと心配しましたが、人生結構どうにでもなるようです。

評価(平均点高めの設定です。)

  3.9 /5 点！

多少盛り上がりには欠けますが、実話であることを考慮して見ればなかなか面白いです。幼いディカプリオの演技力を楽しむ作品かもしれません。

概要

監督：マイケル・ケイント＝ジョーンズ

時間：1時間54分

配給：ヒューマックス＝ギャガ

公開年：1993年

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