EPISODE 3 背任者 Oath Breaker
あらすじ
メリサンドルの魔術で蘇ったジョンは、状況を理解できず茫然とする。デナーリスは、かつてのドスラク人部族の王の妻たちが暮らす村に強制連行され“寡妃の会”の女たちに取り囲まれる。ウィンターフェルでは、ボルトン家の援助を求めに来たアンバー公がラムジーにある人物を差し出す。“黒の城(カースル・ブラック)”では、謀反の罪でアリザーらが絞首刑にかけられる。自らの手でオリーをも処刑したジョンは「俺の務めは終わった」と言い残し、総帥の毛皮を脱ぎ捨て出ていく。
ネタバレ感想
やたらと良い背中を起き上がらせるジョン。
ジョン自身もダヴォスも、魔術をかけたメリサンドル本人すらも動揺を隠しきれない状況が地味にシュールです。
オリーに心臓を刺されて生き絶えるまでの記憶がしっかり引き継がれているジョン。蘇りというのはどういう感覚なんでしょうね。
死後の世界について何があって何を見たのか縋るように尋ねたメリサンドルへの答えは“無”でした。
信念を貫きながらも謀反で殺される結果となったショックが大きい様子のジョンですが“些末な事だ”で片付けるダヴォス(笑)
イエス・キリストかの如くナイツ・ウォッチ達の前に降臨したジョンに静まり返る黒の城。トアマンドとはもう良き友みたいな関係ですね。
オールドタウンに向かうサムとジリは嵐の中を船で進みます。
船酔いで参るサムを尻目にオールドタウンが楽しみで仕方ない様子のジリですが、女人禁制のシタデルにジリと赤ん坊を連れて行けるはずもなく、サムは自分の故郷であるホーン・ヒル《角の丘城》にジリ達を預けに行くつもりです。
“いつも一緒に居ると約束したのに”とまぁ、そうなるわなーといった展開ですが、これまで培ってきた信頼関係がようやく強固なものに変わってきたのか今回ばかりはジリも“息子の父親であるあなたの言う通りにするわ”と。良かったですね、サム。
ただ実の息子の誕生日に黒の城へ島流しにしたサムの親父が難なく受け入れてくれるとは考え辛いのですこしばかり心配が残ります。
ブランはまた過去に戻って若かりし日の父エダードの動きを見ています。
馬に乗って数人の兵を引き連れて妹リアナを助けにやってきたエダードの横には、現在ブランと行動を共にしているミーラの父ハウランド公の姿も。
既に狂王もリアナを攫ったレイガーも殺されているにも関わらずレイガーの最善の命令で塔を守り続けるターガリエン家のキングズガードと暁の剣を持つ最高の剣士アーサー・デイン。
二人の兵士を相手に戦闘になります。数で優勢だったものの、最終的にエダードとキングズガードの一騎打ちに。
互角どころか圧倒的に強い相手に防戦一方のエダード。ついには剣を弾き落とされてしまいます。
幼い頃から繰り返しこの時の武勇伝を父親から聞かされていたブランはエダードが勝つ事を知っていますが、現状の劣勢さにハラハラは止まりません。
エダードがトドメを刺されかけたその時、後ろからハラウンド公が立ち上がりナイフで敵を刺します!
態勢が崩れたところにエダードが剣を手に取りトドメを刺しましたが…これは騎士道に反する行いなんでしょうね。
ブランも実は父親が卑怯な手を使って相手を倒していた事実を知ってしまいかなりショックな表情です。
塔の上から女性の悲鳴が聞こえ、そちらに急ぐエダード。
ここでブランは鴉のじぃさんの制止を振り切りエダードに声を掛けます。
立ち止まり振り返ったエダードにはブランの姿は見えておりませんが…過去に干渉できるとしたらそれはそれでめちゃくちゃタブーっぽいですよね。だからこそじぃさんは強制終了させたのかと。
もう一度戻らせてよと頼むブランに“過去を書き換えることはできん 属さぬ場所に留まれば戻れなくなる”と教えるじぃさんですが“どうせ戻っても歩けず木の中の老人と話すだけだ”と悪態をつきます。
このじぃさん千年も根っこに絡みつかれていたんですね。動かないんじゃなくて動かないのか…それにしても長生きし過ぎだろ。
それも全てはブランを待っていたが故の事だそうですが。
デナーリスはドスラクのカラザール《部族》にドシュ・カリーン《寡妃の会》がある建物に連行されてきました。
中では相変わらず威厳を振りかざしながらもあれよあれよという間に周りの女性達に身包み剥がされ他の女性達と同じ服を与えられます。
ここに居るのは全てかつてカール《王》の妻でカリーシ《女王》だった女性達です。
ドスラクの掟ではカールが死んだ後カリーシはすぐにこのドシュ・カリーンに入らねばなりませんが、デナーリスはドロゴの死後も各地を転々と回り続けたりしてすぐにここに来ないという禁忌を犯しているのです。そのデナーリスの処遇をこれから話し合って決めていくようです。
“運が良ければここにいられる”と言われるあたり、ドシュ・カリーンへの参加が認められなければ処刑されてしまうんですかね。
ミーリーンでは謁見の間に入ってきた女性を見て人払いさせたヴァリスにこの女性は誰だったかな、と思いましたが、ハーピーの息子達と共謀していた娼婦ですね。
“君が誰で何をしたかは知っている”と話し、アンサリードやセカンド・サンズ殺しに協力していた事やヴァーラという名前、そしてドムという息子の存在までしっかりと抑えているさすがは密告者の長。
共謀して女王の兵を殺したとバレれば処罰は免れないヴァーラに密かに取引を持ちかけようというのです。
ヴァーラとドムをペントス行きの船に乗せて無事に逃がす代わりにハーピーの息子たちの支援者について聞き出せたヴァリスはティリオン達に情報を報告しに行きます。
ヴァーラによると、アスタポアとユンカイの親方達、更にヴォランティスにも奴隷商人の協力者が居るようで、ティリオンは彼らに向けてヴァリスの“小鳥”を使って伝言を送らせました。
王都に遺されたヴァリスの“小鳥”たちはクァイバーンに傷の手当てをしてもらっています。
本当に無垢な子供たちだったようでお菓子で買収していたんですね(笑)
大勢いる“小鳥”たちは優しかったヴァリスが突如居なくなってしまった事を寂しがっていますが、クァイバーンはドーン産の砂糖漬けプラムを出し子供たちを餌付けし“助けやお菓子が欲しくなったらいつでもおいで その代わりに噂話を聞かせておくれ”と丸ごとスパイとして取り込みました。
そこへサーセイ、ジェイミー、サー・グレガーが揃って入ってきます。
ジェイミーはグレガーに興味津々です。
サーセイは、ドーン、ハイガーデン、北部に“小鳥”を送らせラニスター家の敵が誰か、贖罪のため裸で街を歩かされた自分を笑い者にしたのは誰かをくまなく探し出すよう命じました。
小評議会でクァイバーンの生み出した化け物グレガーをパイセルが非難している真っ最中にサーセイ、ジェイミー、グレガーが入ってきました。
マージェリーやロラスが投獄されているという非常事態にレディオレナも同席しています。
新“王の手”のケヴァンに“参議でない者は去れ”と厳しく言われますが、意に介さず席に着きミアセラの死について話し始めるサーセイ。
一族の者が殺された由々しき事態であり、その首謀者が今やドーンを掌握したとあれば協議が必要な状況ですが、ケヴァンは“追い出せないなら我々が出て行こう”と他の参議を連れ出して退席してしまい三人がポツンと残される結果に。
だいぶ落ちぶれてしまいましたね。
ガードを引き連れセプトのハイ・スパローを訪ねたトメン。
サーセイにミアセラの墓所を参らせるよう頼みますが“全ての贖罪が終わってからでないとそれは叶いません”
と断られてしまいます。
さらにはサーセイの母としての愛の大きさや、公正であるためには王であっても神々の教えが必要だのなんだのそれらしい事を神妙な面持ちで言われ丸め込まれておりました。トメンはイマイチ王冠が似合わないですねぇ。邪悪なジョフリーの方がある意味で王らしく似合っていました。
アリアは未だに手も足も出ないまましごかれているようで、誰でもない者になるための修行に明け暮れています。それでも少しずつ武器を受けられるほど感覚が洗練されているのが分かります。
さまざまな修行を積み、ついには攻撃を見切れる(みえてはないのですが)までになったアリアに再びジャクェンが“名を言えば視力を返してやる”と揺さぶりをかけます。
“何者でもない”と答えたアリアがジャクェンに差し出された井戸の水を一口飲むと、目の色が戻り視力を取り戻しました!
修行完了ということでしょうか?
カースタークと同じくスターク家の家臣だったアンバー家の領主がラムジーの元にやって来ました。
敵に毒を盛られて死んだと言い張るラムジーですが、どうやらラムジーが父ルースを殺した事は周知の事実のようですね。
ジョン・スノウが野人に門を開いた事で援助を求めにやってきたアンバー公。
手を組むなら旗手になり忠誠を誓えと偉そうにするラムジーを突っぱね、手土産にと持ってきたのはオシャとリコンです!!
あ…そういえばブランは“アンバー家なら安全だ〜”みたいな感じでリコンをそっちに送り込んだんでしたっけ…。父親が死にクズの息子に世代交代した結果、ラムジーに売られてしまうという最悪な結末を迎えています。
さらに少年が本物のリコン・スタークだという証明のためにアンバー公が持ってきたのはダイアウルフの首です。なんてことを。
その頃黒の城ではアリザー達謀反人の処刑が行われようとしています。
その中にはジョンが目にかけていたオリーの姿も。
大勢が見守る中ジョンの手で絞首刑は執行されました。異様な虚しさが残ります…。
ジョンはエッドに自分のマントを差し出し“黒の城は任せた”と出て行ってしまいました。
誓いがあるんじゃ…と思いましたが“我が命尽きるまで”の命は1回目換算という事で、自由の身になるという選択もこの場合無くはないんですかね?
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▼次回、エピソード4