第3話「最後の誓い」/ His Last Vow
あらすじ
スモールウッド議員は、「恐喝の帝王」として恐れられているチャールズ・アウグストゥス・マグヌセンから脅迫されていた。議員の夫は、議員と出会う前、未成年の女性に露骨な恋文を送ったことがあった。未成年の女性と性交渉を持つなど、政治家生命を失いかねないスキャンダル。議員はシャーロックに、夫の恋文 をマグヌセンから取り返してくれと依頼する。一方、ジョンとメアリーは幸せな結婚生活を送っていたが…。
ネタバレ感想
ジョンが結婚して出て行ってからひと月ほど経過しているようです。
ご近所さんの息子をヤク中の溜まり場まで迎えに行ったジョンがそこで再会したのはまさかのシャーロック。捜査の大義名分で悪い癖が出ているようです(笑)
ジョンもジョンでシャーロックと離れていたからかスリルを求めてこんな場所に乗り込んで来たようなものですし。
さて、今回のシャーロックの捜査対象は今日の手法で厭らしく政界を牛耳っているマグヌセンというサメのような男。
シャーロックはジャニーンと半同棲のようなお付き合いをしているという衝撃的なオモシロ展開も。唐突にイチャつきを見せ付けられて唖然とするジョンに対し淡々と捜査の説明を続けるシャーロックが笑えます。
しかしこの不自然なカップルもまたシャーロックの捜査の一環に過ぎず、マグヌセンの秘書だったジャニーンを利用し悪気のカケラもなく婚約指輪で釣ってセキュリティを突破するという潔いまでのド畜生ぶり。
…とそんな事は序の口でシャーロック達より先にマグヌセンに迫る殺し屋の後ろ姿はまさかのメアリーのもので、更に撃たないと踏んだシャーロックに対し躊躇なく発砲したメアリー。
メアリーとの初対面で「嘘つき」と読み取っていたのが少し気にはなっていましたがここまでの結果とは。しかも結婚して次のエピソードで早くも素性を明かしてくるなんて思いもよりませんでした。
ただしジョンへの愛情はホンモノらしく、かなりの射撃の腕前があるにも関わらずシャーロックの頭を射抜かずギリギリのところで足止めをした上で救急車を呼び目的を果たさず帰った、と。
今度はマグヌセンに握られた過去の情報を巡る戦いの依頼人として相談するメアリー。
ジョンももちろん激怒していましたが結局はメアリーを赦す道を選んだようでシャーロックと協力してマグヌセンのアップルドアと呼ばれる情報の倉庫を突き止めようと対峙します。
しかしそんなものは存在せず、全ての膨大なデータが彼自身の頭の中に入っているだけというどうにもならない事実が発覚、さらにマグヌセンに陥れられる形となりマイクロフト率いる国家警察に包囲されてしまいました。
メアリーに不利な情報を守るため、間接的にジョンを守るため、書類は存在せず全てがマグヌセンの頭の中にあるという点を逆手に取ったシャーロックはなんと包囲されている中マグヌセンを撃ち殺します。
結果的に殺人犯となってしまったシャーロックは兄マイクロフトの画策で刑務所行きは免れ危険な極秘潜入任務で亡命する事に…。
「もう一人の兄弟」というワードが気にかかりますね。
ジョンに別れを告げ、シャーロックを乗せたジェット機が離陸して間もなく、イギリス中のテレビ放送がジャックされ自殺したはずのモリアーティの姿が映し出されました。
たった4分の亡命は幕を下ろしそのまま呼び戻されたシャーロック。モリアーティ、またお前か。
今エピソードはメアリーの件や精神の宮殿、シャーロックが出し抜かれ続けたり、肝心な場面で少年時代とリンクするような演出など全てが嘘のように感じ、展開も足早で個人的にはスピンオフを見ているような感覚でした。
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