第4話『休戦の使者』”STEALING FROM SATURN”
あらすじ
ローマに入ったカエサルは精力的に有力者の買収を始めた。アティアは、カエサルの帰国を祝う大宴会のホスト役を任されて大張り切り。一方、ポンペイウスは奪われた国庫金を取り返すため、息子クイントゥスをローマへ派遣する。金の行方を追ってヴォレヌスのもとへ押しかけたクイントゥスは、プッロに捕らえられ、カエサルに引き渡される。カエサルはクイントゥスを通してポンペイウスに休戦を持ちかけるのだが……。
ネタバレ感想
戦わずしてローマを獲ったカエサルは、新たに「3人を越える人数で公共の場に集まってはならない 夜間は外出禁止」との戒厳令を敷きました。
プッロが持ち逃げした国家の黄金の行方を捜すポンペイウス陣は、カエサルの元に黄金が渡っていないのであれば武力行使に出るしかなく、血が流れれば民衆は離れていくと好都合に考えています。
カエサル凱旋を祝う宴の準備に忙しいアティアは、嫌がるオクタヴィウスに精がつくからとヤギの睾丸を食べる事を強いる相変わらずの毒親っぷりです。そんな様子を観察していたオクタヴィアは聡明な弟に近づき、本当に夫を殺したのが母アティアではないのかと問い、もし母親が夫殺しに関わっていたら喉を喰いちぎってやるとすこーし母親の血が見え隠れしております。
ガリアの品物を売る商人になるため、門出を祝う宴を催そうとしていたヴォレヌスはアントニウスに呼び出されます。今後始まるであろう困難な戦いに向けて、兵士の信頼が厚いヴォレヌスが必要だと軍に戻る事を要請されますが、共和制を信奉する正義感溢れるヴォレヌスは、自分の信念を曲げてまで今や反ローマ体制となったカエサル軍に所属する事など考えられない様子。
古参兵として優遇するし相応の報酬も取らせると破格の提示を受けるも頑固なヴォレヌスはこれに応えません。
ヴォレヌスの宴には夫婦の昔馴染み〈リュデ〉とその夫〈エウアンドロス〉もやって来ました。この男、ニオベの浮気相手じゃないですか。ダブル不倫とな。ニオベは昼ドラのような気まずい空気を噛み締めていますね。
さらにさらに、リュデとはニオベの実の妹だったようで若い男と踊り狂った上に旦那と姉の情事をしっかり掴んでいるではありませんか。
エウアンドロスは荒れ狂う妻を連れて帰ろうと力付くで動かそうとするも、揉み合いになった結果宴の食事に突っ込み大惨事へ発展します。
カエサルの宴もようやく始まりました。
妻も同席する公の場で愛人セルウィリアと言葉を交わす様子にこちらも微妙な気まずさが。さらに気まずさは不倫云々だけでなくセルウィリアの息子ブルートゥスがこの場におらずポンペイウス側についたという事実です。息子は今でも友だとセルウィリアが伝えれば、カエサルはブルートゥスだけでなく過去誰に忠誠しようと私は恨まん、と寛容さをアピールしました。
その後、宴で有力者に取り入りあからさまな買収で支持を募るカエサルとアントニウス。
街を収める資金が不足している現状でこんな金遣いは破滅を招く結果に繋がらないのか心配になります。
妹夫婦に宴をぶち壊されたと不吉な予兆を感じ落ち込むヴォレヌスの元に、クイントゥス将軍率いる仰々しい兵士達が現れます。
国庫の中身を捜すポンペイウス陣は最後に荷車を見たであろうカエサルの斥候に目星をつけて、ヴォレヌスが自らの蓄えにしたと嫌疑をかけていたのです。確かに最後に荷車と接触し、その後すぐに軍を退役した斥候隊長なんてハタから見て怪しさしかありません。
何を言っても取り合ってもらえず殺されかけたその時、タイミングが良いのか悪いのか、完全にお前やないか!という成金の出で立ちで派手にヴォレヌスを訪ねプッロがやって来ました。
不穏な空気を悟り、クィントゥス将軍らが黄金を捜して来たのだと知ったプッロは金貨をばら撒き兵士の気をそらせて一気に畳み掛けます。
捕らえたクィントゥスを川に沈めて埋めている財宝を掘り起こし一緒に逃げようぜと提案するプッロに、頑固一徹ヴォレヌスはすぐに返せと命令しました。プッロはヴォレヌスに懐き過ぎだろ(笑)
縛り上げたクィントゥスを手土産にカエサルの元へやって来たプッロは、国家の黄金が消えた事などまだ何も知らないカエサルに全てを話し、埋めた場所を教えます。これにて資金問題は解決ですね。
しかしカエサルは、クィントゥスの縄をほどき、休戦の使者としてポンペイウス陣に無事に帰すと約束し解放するのです。
その直後、一部始終を見ていたオクタヴィウスと立ち話をしていたカエサルは突然発作を起こしてしまいます。側近に指示され、すぐに人目のない部屋へと運ばれ応急処置で発作を止めますが、『アポロに呪われた男を民衆が支持すると思うか』と医者を呼ぶ事すら出来ない様子。側近の手慣れた様子からしてこの発作は初めてではなく頻繁に起こっているみたいですが指導者というのも大変ですね。どこまでの幹部がこの事態を把握しているのでしょう。うめき声に怪み聞き耳を立てていた女中は気付いてしまったのでしょうか。
カエサルが持ち帰らせた休戦の条件は、免責と互いの武装解除のみという極めて平和的な内容でした。
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