第18話『殺人の歌』“Killer Song”
あらすじ
ブレイクに秘密を握られたカリンダは、ブレイクを最後に事情聴取した検事補が誰か調べるようケイリーに依頼する。そんな折、30年前にレイプ殺人容疑で拘束されたが、心神喪失のために精神医療センターに収容されていたジャービス・バウスが退院する運びに。そして彼が入院中に作った詩を歌にしたバンドのアルバムが大ヒット。バウスが莫大な印税を受けることを阻止しようと、被害者の娘ロンダが民事訴訟を起こす……。
ネタバレ感想
ブレイクに脅されたカリンダは、ピーターとの情事がアリシアへ伝わったのではと気が気でない様子。
なんだかんだで困った時に頼れるケイリーへ電話をかけ最後にブレイクを事情聴取した検事補が誰なのか調べて欲しいとお願いするカリンダに、寝惚けながらも事の深刻さをなんとなく察したケイリー。
問題の検事補ですが、これがまた微妙に厄介な雰囲気漂う〈マタン・ブロディ〉でした。
詳しい事情など何も知らないケイリーは、大陪審でカリンダの代理人を務めたアリシアに「ブレイクの事情聴取は問題ないとカリンダに伝えて」と頼む間の悪さも。
ただ、ケイリーとの関係性は良いとは言い難いマタンが担当だったというのはカリンダにとっては最悪の展開ではないとも言えます。
というのも、ケイリーが検事局に入った経緯を思い返せばチャイルズ直々に雇い入れられているんですよね。そんなチャイルズ派といっても過言ではないケイリーを敵視する、という事は敵の敵は味方理論でチャイルズにわざわざピーターの弱味を掴ませないのでは…という事です。単純に現在の上司であるチャイルズに媚を売って少しでも出世を目指すというパターンもあるのでしょうが。
実際、マタンは元々ピーターが採用した人材で彼と懇意にしていた事が唯一の救いでした。
カリンダは薄暗い選挙事務所でピーターと密会し、ブレイクからマタンへ一夜の出来事がバレたと伝えに行きます。
まだドンデン的に身体の関係なんてなかった展開も捨てきれなかったのですが、ここでピーターは早々に「蒸し返さないと約束しただろ」「一夜限りだったのにバレるはずがない」なんて言ってしまっており完全にアウトであります。
また少し忘れがちになってしまいましたが、いくら「妻にまた恋をしているんだ アリシアを愛している これがバレたら終わりだ」なんてアリシアへの気持ちを語ったところでお盛んが過ぎた事は事実だろ、とどうしようもない溢れ出る性欲を感じてしまいます。性欲おじさんです。
ピーターはマタンに直接掛け合い「よくしてくれれば悪いようにはしないから」と隠蔽工作に必死でこれをアリシアが見たら幻滅どころか嫌悪でしょうね。
マタンはというとやはり「分かった それなら選挙に勝つ事ですね」と州検事という自分の上司であり色々と取り計らう事も可能な役職に就けば考えてやってもいい、という私欲にまみれたスタンスです。いや、どいつもこいつも私欲塗れなのは今に始まった事ではないのですが。
イーライの株が地道に右肩上がりしております。
ウェンディの子守だったナタリーが不法滞在者だと不本意ながらも暴露してしまった事でマスコミに追われる彼女へのせめてもの罪滅ぼしなのか、ダイアンを訪れ自分の依頼だとは伏せて彼女の市民権獲得を手伝ってやって欲しいと頼みます。
イーライたっての希望でさっそく怪しむナタリーを呼び出しプロボノで無料弁護をするから協力させて欲しいと申し出るダイアン。
ピーターの妻であるアリシアもこれを担当するとあって傍目から見てもさすがにおかしな話ですし、頭の良いナタリーは利用されているのではと疑いの眼差しが止まりませんがアリシアから「逆に利用したらいいのよ」と爽やかに言われ半信半疑のまま一旦事務所を後にしました。
と、ここでこのツテを頼らざるを得ない急展開に。ナタリーの父親が冤罪で逮捕されてしまいこの記録が移民局に報告されれば強制送還、という最悪の展開まであと1時間かそこらしかないというのです。
アリシアへの電話は電波不良で繋がらずダイアンは席を外しており、不本意ながらイーライを頼るしかないナタリー。
事情を受けたイーライは即刻ダイアンに取り次ぎ、手が離せないというダイアンをデリックとの分裂で顧客を確保するためイーライにも話をつけていた事を持ち出しほぼ脅しの勢いで動かします。
それにしてもダイアンがやると決めた時の勢いというか頼もしさは半端じゃないです。痺れる格好良さです。
時間がない中裁判所で割り込み女性裁判長の反感を買いかけるも「ロックハート」と名乗れば「あの女性の政界進出に尽力してらっしゃる??」と明らかに好感を持たれているところもさすがです。
無実の罪が認められ釈放命令の書類を貰い急いで連行されかけている父親の元へ向かうも融通の利かない保安官が「ICEへ移送と書類に登録されているのでどうしようもない」の一点張り。
もうダメかと諦めかけたその時、颯爽と現れたイーライが保安官に親しげな様子で話しかけ「協力してもらえないかな?彼は私の庭師なんだ 今後とある事件の重要参考人になるかもしれないし気を利かせてくれないか?良い腕の庭師は貴重だ」と笑顔で圧力をかけるとすんなり保安官が動き無事に保釈される事となりました。
ひと騒動後、ナタリーが選挙事務所に顔を出したと聞き急いで追いかけていくイーライが微笑ましい。
ただ、お礼を言われると同時に「彼氏がラスベガスから戻ったの」と優しい牽制を受け、「話が出来てよかった それ以上望むには年齢が…何を言ってるんだ私は」と本音が出てしまったイーライ。
ナタリーは「話が出来てよかった」と優しい笑顔とさよならを言い、今度こそイーライの元から去って行きました。
なんだかいい別れ方なだけに物凄く切なさが増したように感じます。
年の差があれどお互い印象は良く、何よりあのイーライをここまで私情で動かしたというのがよほどの事に見えたので淡く散った恋心になんとなく余韻を引きずられました。
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