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ドリームハウス スペシャル・プライス [DVD]

ドリームハウス

あらすじ

家族との時間を大切にするため仕事を辞め、郊外の家に引越したウィル。しかし、その家ではかつて、父親を除く家族全員が惨殺された忌まわしい事件が起こっていた。最初は気にしていなかったウィルだが、子どもたちが幽霊のようなものを目撃したり、不審な男が家の周囲に現れたりと、不気味な出来事が相次ぐ。やがて、過去の事件の犯人がまだ捕まっていないことを知ったウィルは、独自に調査を始めるのだが……。

「マイ・レフトフット」「父の祈りを」など人間ドラマの秀作で知られるジム・シェリダン監督が初めて挑んだサイコスリラー。主演はダニエル・クレイグレイチェル・ワイズナオミ・ワッツが共演。

ネタバレ感想

作家として有望な編集マンが出版社を辞職して夢のマイホームで家族との時間を大切に過ごしていこう、という幸せムード満開で始まるこの作品。

ところが、越してきたこの家ではホラー染みた不気味な出来事が次々と起こります。

しばらく空き家だったというこの家の地下室に十代の若者集団が入り浸りオカルト的儀式のような事をしており問い詰めたところ、この家が一家惨殺事件のあった呪われた家だったという事実が明らかに。

彼らが残していった残骸からこの殺人事件の全容を知ってしまった主人公ウィル。

一家殺人事件だと思われたこの事件では、実は容疑者とされる父親ピーター・ウォードが、死の間際の妻に撃たれるも生き延びており、近所の更生施設に入れられている事を突き止めたウィルは、家の周りをウロつく怪しげな人影を見た事も手伝いこの施設に直接コンタクトを取りに行きます。

ピーター・ウォードの収容される308号室でウィルが発見したのはなんと自室に置いていたはずの妻リビーと二人の子供達が写った写真。

背後から近づく影の主に問い詰めるも彼はピーターではなく、既に施設を出たピーターの部屋をこれから使う赤の他人だというのです。

更になんやかんやとあり、より一層ピーターに対する危機感を募らせたウィルは、施設の責任者に掛け合い詳しい話を聞く事に。

この時点で開始から半分ほどなのですが、意外にもこの時点で話は急展開に入ります。

見せられた監視カメラの映像に写るのは向かいの奥さんと暴れるピーター。そこからヨリで映し出された殺人犯ピーターの顔は紛れもなくウィルそのもの。

諭すように語りだした施設長の話では、これは5年前の自分に間違いないのだとか。

シャッターアイランドの大ファンとしては、この手の展開は好みな反面、ところどころ雑さを感じる劣化版という印象も。

家族を失い心神喪失したピーターは不起訴となり施設に収監される事になりますが、自身が家族を殺した事を受け入れられずいつしか殺人犯ピーター・ウォードという名前を否定するようになったのだと話します。

ウィル・エイテンテンという名が収容患者として振り分けられたコードのW1-1L8-10-10からモジっているという事実ですが、なんだか日本語にした時の間抜けな響きに少し笑ってしまいました。

冒頭に、家族と過ごす時間を増やそうと出版社を辞めるウィルを同僚達が祝う場面がありましたが、そのメンツがそのまま収容患者の中にいてなるほど、と思わせられます。

不審者の襲撃時に警察がおざなりな対応だった事も、証拠として盗まれた写真を取り出そうとしたウィルに拳銃でも取り出すのではというようなギョッとした対応だった事も、チラチラ監視するように遠巻きに眺める警官達の姿もしっかり伏線が張られていました。

ウィルは幸せだった頃の幻影を見ており、実際の家も荒れ放題の空き家でなんだかんだとすんなり自分がピーター・ウォードだった事を受け入れ始めたウィルですが、その後も現れ続けるリビーや子供達にどちらが亡霊なのかとドンデンのそのまたドンデンか?と疑いを持たせてくれます。

それでも娘達の名前もトリッシュはベアトリスから由来するあだ名で、下の子のディディという呼び名は本名であるキャサリンをティティと呼んでいたのをお姉ちゃんがディディと呼び始めたそうで完全に殺されてしまった子供達と一致します。

 

それにしてもこの主人公が心底愛しているようにしか見えない妻子を殺す動機が見当たらなさ過ぎるし、いくらお隣さんとして付き合いがあったとはいえ向かいの奥さんが親切過ぎるのは何なんだと思いきや、最後に真実が明らかに。あまりに早いネタバレ展開の理由もここにありました。

実際にリビーや子供達を殺したのはお向かいの旦那が差し向けたチンピラで、冷め切った夫婦仲や娘の親権を取れない恨みなどが募り保険金目当てで妻を殺させようとしたところどうやら実行犯が家を間違えていた?というような不運な出来事だったようです。

さらにウィル、もといピーターと電話中だったリビーが突然押し入ってきて銃を向ける男に動揺しながらも電話越しのピーターにこの事実を伝え、既に家の近くに帰り着いていたピーターは慌てて駆け込みます。

犯人と揉み合いになったピーターと、夫を援護しようと最期の力を振り絞りリビーが発砲した弾が運悪くピーターに当たった末に犯人はトンズラして決定的な証拠がないままに精神に異常をきたしたピーターが容疑者扱いされていた、という事実が。

さらにピーターが帰ってきた事でこれはチャンスだと懲りずに踏み込んできた当時のチンピラと向かいの旦那は今度こそ計画を実行しようとドタバタ騒ぎに。

ここでリビーのピーターを想う愛の力によって助けられたところがファンタジーでありながらもちょっとした感動を誘います。そもそもが精神に異常をきたした男の見ていた幻覚ではなく、幽霊としてでも紛れもなくピーターの側に愛し愛された家族が共に居たのだと分かって救われました。

 

最後にはピーター・ウォード著書『ドリームハウス』という本が書店のベストセラーとして並んでおりますが、この作品が自伝なのかはたまたただの完全創作作品だったのかも深読みポイントかもしれません。

評価(平均点高めの設定です。)

  4.3 /5 点!

突っ込みどころはあるものの、なかなか面白い二転三転がありキャストも豪華で個人的には好きなミステリーサスペンスでした。

概要

監督:ジム・シェリダン

時間:1時間32分

配給:ショウゲート

公開年:2012年

ドリームハウス (字幕版)

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  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
ドリームハウス スペシャル・プライス [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • 発売日: 2014/10/02
  • メディア: Blu-ray

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