エピソード16『メンフィス』”Memphis”
あらすじ
ウィリアムは息子のランダルに故郷のメンフィスを見せたいと言う。ベスは退院したてのランダルが心配で仕方ないが、2人を送り出す。こうして父と子の2人旅が始まる。
ネタバレ感想
ランダルはあれから入院もしてなんとか取り返しのつかない事になる前に回復したようですが、病み上がりにも関わらず余命僅かな父親から故郷を見せたいと言われ、父を乗せてメンフィスまで車で旅をするつもりらしくベスは気が気ではありません。
医師の許可も下りたところでさっそく長旅の始まりです。
道中の景色は枯れ木だらけの曇り空で色味が無く、ウィリアムの残り少ない時間と相まって寂しさが募ります。
ジャックの遺灰を少しだけ撒いた木に挨拶しに寄ったウィリアムが言った「息子の父親に会いたかった」はなかなかない台詞ながらジャックを人として父親として認め尊敬の念が込められているのが伝わってきました。
やりたい事や行きたい場所をこなしていくに従って二人とも黒人文化を楽しみ小粋で活き活きとしてきたところで、昔働いていたジャズバーに出向きますが当時バンドも組んでいた従兄弟の〈リッキー〉からは「出て行け」と冷たくあしらわれるウィリアム。
かつて病に伏した母親の看病をするために戻ると約束をして店を離れたウィリアム。ローレルとの出会いもこの頃なのですね。
しかし辛さから目を背け堕落した生活を送るしかなくなったウィリアムは約束を守れずその事を謝りに来たと話します。
リッキーにまだ演奏は出来るのかと問われ数十年ぶりのセッションを楽しむウィリアムと、一気に親戚が増え良い気分で酔っ払うランダル。
しかしそれが最後のお楽しみになってしまいました。
翌日声をかけるも横たわったままで辛そうなウィリアムを病院に連れて行くことに。
旅を続けるどころか自宅に帰ることすら叶わず「もってあと1日です」と残酷な宣告をされるも、ウィリアムの最期は穏やかで静かな温かさに包まれていたように思います。
幸せな人生ではなかったにせよ、最後の最後で新しい家族を見つけ限りある時間を満喫できたのではないでしょうか。
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