エピソード10『ナンバー3』”Number Three”
あらすじ
釈放されたショウナが娘のデジャを取り戻しにランダルの家へ押しかけてくる。その様子を見たランダルは、ショウナに子育ては無理だと考えて訴えようとするが、ふと昨年ウィリアムと交わした会話を思い出す。一方、黒人中心の名門大学を見学しに行ったジャック親子。複雑な気持ちを吐露した息子に、ジャックは自分の思いを語る。
ネタバレ感想
デジャの実母〈ショウナ〉が司法取引による不起訴となり宣言通り娘を取り返しにピアソン家へと押し掛けてきます。
それを宥めてソーシャルワーカーの指示を待つように家へ帰したのはデジャ本人でした。これを見るといかに今の家で大切にされていてデジャにとって安心できる住まいなのかが伺えますが、だからと言って母親の元にはもちろん帰りたい気持ちが大きいのが複雑です。
担当の視察によると現状ではショウナがデジャを引き取るのに問題はないと判断されたようで、これから正式にデジャを家に帰す手続きが行われると聞いたランダルとベスはもちろん納得がいきません。
不起訴とは言え犯罪沙汰に近い環境に居るショウナの元へデジャを渡すまいといきり立ちますが、悶々としながらショウナのアパートを見に行き、遠目にデジャのための服を買い込んでいる楽しげなショウナの姿を目にしたランダルは、かつて自分が感じた『実の親に会いたい』という気持ちと、ウィリアムが明かした過去を思い返すのでした。
ウィリアムはレベッカの後を追ってピアソン家を特定していたのですね。せめて記念日だけでも共に過ごしたいという一心でしたが、庭にとめてあった三台の自転車についてあるナンバープレートを模した飾りに呼称で書かれた『ナンバーワン』『ナンバーツー』『ナンバースリー』のうち、自分の息子がどれに当たるのかも分からない事に気付き思い止まります。
自分の知らない世界で育ち、これまで経験してきたであろう数々の記憶を何一つ知らない自分が、母親の意向を無視して人生に踏み込んでいいはずがないと思ったそう。
この時感じた疎外感を思うとかなりキツいものだったろうな、と思います。
そしてランダルとベスもウィリアムのように、自分達がまだまだ知らない事だらけのデジャを目の当たりにし、母親からは引き離せないと判断するのでした。ようやく打ち解けはじめたのに寂しくなりますね。
共に過ごした時間は短くても別れのシーンからは築き上げた信頼関係そのものが表現されておりグッとくるものがありました。
例の進路選択の頃のランダルですが、ジャックに自分が養子で黒人であるが故に、家族と居る時以外はずっと不安定な気持ちを抱えていると打ち明けます。
それを聞いたジャックが息子を連れて行きったのは、ベトナム戦争の慰霊碑が祀られている場所。レベッカにすら話していなかった振り返りたくない過去について語り、それでも答えは見つかるんだと、そして「お前なら立派な答えを見出せる」と力強く言い切りました。
そして、三人も子供がいると目を話した隙に事故が起こる事、「誰かが立つと誰かが転ぶ」と話したジャック。
流産のショックから前向きに再チャレンジを目指し始めたケイトと、手放す辛さを味わいながらも必ず自分達の家庭が必要な子が居るはずだと里親を続行する決意を表明したランダルに対し、ケヴィンは昼間からランダルの家でウォッカを煽り、コッソリ後部座席に乗っていたテスに気付かないままスピード違反で止められた末に飲酒運転で捕まるという最悪の転び方をしてしまいました。
最悪の状況ではあるものの、ケヴィンの今の問題が浮き彫りになり家族に知れ渡る事となったのは逆に良かったかも知れません。
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