エピソード15『ファミリーカー』”The Car”
あらすじ
車の買い替えのために子供連れでカーディーラーへやってきたピアソン家。手ごろな中古車を買うつもりが、予算オーバーのステーションワゴンを購入する。その理由とは…。
ネタバレ感想
家族の車一つとってもじんわり来るエピソードが溢れるピアソン家。
なかでも平日の午前中に学校をサボってバスを待っているケイトをたまたま見かけ声を掛けると、「テストがないから」と言い訳しながら自分の一番好きなアーティストがサイン会のためにこの街に来ているらしく、どうしてもそこに行きたいんだと熱弁したケイトを車に乗せ会場まで送ってやるシーンがよかったです。
息子二人よりも相思相愛な一人娘のケイトとのやり取りの方が親友のような距離感で見ていて微笑ましい。この時の会話の内容がラストに繋がってくるところも素敵ではないですか。
かつてレベッカが連日の眩暈に癌を心配して検査結果の連絡待ちの際にどうしようもない不安に襲われていた時、ジャックは『お気に入りの木』にレベッカを連れて行き「絶対に大丈夫だ、君はずっと生きる」と先が見えているかのように断言します。
「公衆電話に近いから」という理由で選ばれた初めて行ったはずの『お気に入りの木』は、ジャックの言う通り二人に「大丈夫」な結果をもたらしてくれました。
レベッカに朗報が届いた後、ジャックはこれまた全てを見通しているかのように自分が先に逝く事になると話し、「土の下に埋めないでくれ」と愛する妻に頼みます。
レベッカはその遺言通りにアメリカでは主流の土葬ではなく火葬を選択し、死の間際に傍に居られなかった償いの気持ちから葬儀の間中骨壺を追いかけ回す事に。
挨拶もそこそこに子供達を連れて会場を後にした末にやって来たのは例の『お気に入りの木』。
ここで遺灰の一部を撒き、家族だけで弔いを済ませると、ジャックが生前家族全員に向けて準備していたサプライズのライブを観るため愛車に乗って会場へ向かいました。
いつも千里眼のように全てを見通していたジャックが「家族が大丈夫なように」予算オーバーしてでも購入を決意したあのステーションワゴンで。
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▼次回、エピソード16