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海外ドラマ≫≫The Man in the High Castle 高い城の男 シーズン1 9話ネタバレ感想

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エピソード9『真心』“Kindness”

あらすじ

時間切れが迫る中、追い詰められたフランクは命懸けでジョーを救うハメになる。すべての事がうまく運び、スミスは自分の暗殺を目論んだ黒幕を見つけ出した。田上は自身の思惑がもたらす結果を目の当たりにし絶望する。そして木戸の捜査は襲撃に関する重要な発見から大きな転換を迎える。

真心

真心

  • メディア: Prime Video

ネタバレ感想

バス停で落ち合うはずのジュリアナを待ち、一人ででも先に行けと見送りに来ていたエドに言われるも「彼女が危険な目に遭っていたら!?」と自分も後がないというのにバスに乗らなかったフランク

その頃ジュリアナはジョーと拉致され監禁されているので確かに危険な目に遭ってはいるのですが、なんというか自業自得というか身から出た錆というか…そもそもジュリアナは危険を覚悟でジョーを助ける道を選んだんでわけで、バスに間に合わない可能性も考えなかったはずがないのです。まぁ、命の恩人に借りを返すとか、友達を見捨てるわけにはいかないという仁義は理解出来るので、それは良いとしてもその選択によって確実に振り回されるであろうフランクのお人好しさも考えて欲しかったですよね(笑)

夜が明けて、ジュリアナだけが監禁部屋から連れ出されヤクザのボスである岡本の前に連れて来られます。

そこには何故かカレンとレミュエルの姿も。

『約束の1万円』をカレン達が支払っているのを見るに、ジュリアナ解放のために金を積んでくれたようですね。仲間の絆…とかいう美しい動機ではなく、日本政府ビルで働く貴重な内通者というポジションを逃すまいとしてですが。

結局フィルムは貰えず、昨夜支払ったはずの10万円は憲兵隊が現れた迷惑料として丸ごととられる形に。フィルムが欲しけりゃ更に10万円用意しろと無茶を言い、ジョーについては金が払えないのなら警察に突き出すと言われてしまいます。

ジュリアナがジョーを見捨てないと分かると、更に身代金の要求額を5万円に引き上げふっかけてくる岡本。まさしくこれはヤクザな足元の味方。

 

ニューヨーク州 ロズリン”にある帝国リハビリテーション病院を訪れたスミス大将は、意識を取り戻したレーダーと襲撃事件について短く話します。

動機は不明なものの、自分達の移動経路をレジスタンスに漏らしたのはハイドリヒ上級大将の手先の者であると話し、自分に万一の事があった時のため総統に手渡して貰いたい手紙を託しました。

 

田上大臣に、大阪からの貨物船の入港記録を提出するよう求めた木戸。

ヤクザがヘロイン密輸に貨物船を利用しているのはこれまで黙殺されてきたそうで、田上大臣が「今に始まった事にないのでは?」と疑問をぶつけると「これからは違いますよ」との事。

先日の「情報欲しけりゃ15万出せ」の一件で、癒着状態にあった憲兵隊とヤクザが完全に決裂したという事なのか、あるいはフィルムがヤクザの手にあるという情報を握ったからなのか。

 

バスに乗らなかったフランクはエドの家に匿われ一夜を明かしたらしく、自宅に帰ってくるジュリアナを待ち伏せしていたエドに連れられてようやく二人は再会。

ここぞという時に大遅刻をかました上に逃亡資金のために工面した大金を、見知らぬいけすかない男の身代金に使いたいと言われてようやく「僕は発つべきだった」と気付くフランク(笑)

それに対して畳み掛けるように「でも行かなかった、私のために」とどの口が言うとるか、なジュリアナ(笑)

あくまでも命の恩人ジョーを見殺しにはしない路線で突っ走るジュリアナを止める手立てはありません。

ありったけの持ち金4万6000円を持っていかれるだけに留まらず、ヤクザを説得するというジュリアナの身を案じて「いや、僕がやる」ってもうお人好し過ぎて笑い泣きしそうです。

しかもジョーを助けたらジュリアナがついて来なかろうが今度こそ中立地帯へ逃げるそうですよ。もはや何のためにヤクザの所まで行くのか…!無一文待った無し…!

隠していた銃を回収してヤクザの事務所に向かったフランクは4万6000円でなんとかジョーを解放してもらう事に成功。

「大金を払ったのだからフィルムを返せ!」と食ってかかるジョーを宥めて帰ろうとするも、目敏くフランクの腰に銃が携えてあるのを見たジョーは流れるような手つきで護衛の組員を二人撃ち抜き、岡村にフィルムを出させました。

なんとか逃げ出したは良いものの、ジュリアナを超えてくるジョーの暴走と、フランクの振り回され属性の高さにどうしたって笑ってしまいます。不憫だ…。

岡村が憲兵隊にフィルムを盗まれたと通報した事でフランクもレジスタンスの共犯者として扱われる事に。不憫だ…!

「逃げるんだから良いだろ」理論でなんとか保ってきたフランクですが、フランク捜索のためにバスに乗るにも身分証の提示が必要となり逃げ道を塞がれた後なのです。ますます昨日のうちにバスに乗ってオサラバしておくべきでした。

同居しているエドの爺ちゃんに「厄介ごとを持ち込むな」と言われ出て行くしかなくなったジュリアナとフランクですが、フランクを追いかけてきて「数百円しかないけれど役に立つはずだ、黙って受けとれ」と札束を手渡すエド。その目にジュリアナは映りません。

開口一番にジュリアナが「ダメよ…」なんて言っとりましたが、いや、お前に言ってねーよ。エドはフランクの力になりたいんだよ、エドはよぉ!と脳内補完してしまいます。

曰く付き銃の後処理まで買って出てくれたエドにフランクへの下心がないのならただの聖人で間近いないでしょう。

 

ハイドリヒ上級大将から取り調べとは思えないようなおもてなしを受けているウェゲナー大佐。

ここでようやく(見落としていなければ)ウェゲナー大佐が何の情報を漏洩させたかったのか、彼のした反逆行為の全貌が語られます。

原子爆弾の設計図を研究所から盗み、日本の科学大臣に渡した」と。つまり、あの一旦ウェゲナー大佐の身体の中を通過したマイクロフィルムの中身は核の情報だったわけで、日本はドイツの科学技術に全く追い付けていなかったようなので、そりゃあ大層な国家機密です。

戦争を回避したかったウェゲナー大佐は、ドイツ一強になる事を恐れて、均衡の取れる武力を日本に持たせようとしたわけですか?

ポケットにねじ込んだ時にミュラーに顔を見られた事で、ハイドリヒにこれが知られてしまったよう。

ヒトラーの信頼が厚いウェゲナー大佐を利用する気であると明かしたハイドリヒは、家族を使って脅しをかけウェゲナーを操るつもりです。どいつもこいつも家族を人質に取りますね。

「老いて患った総統は帝国のお荷物だ」と身も蓋もない発言のハイドリヒがウェゲナーに命じたのはベルリンに居るヒトラー暗殺でした。

 

将軍が中立地帯のウラン鉱床を調べようとしていた理由について、これまで原子爆弾の開発に失敗しナチス帝国に遅れを取ってきていたものの、科学大臣のポケットに原子爆弾の製造法に関する情報の詰まったマイクロフィルムが入っていたからだと聞く田上大臣。

同等の力で永続的な平和を築こうと望んでいたはずの皇太子は、暗殺未遂によってナチスの脅威を認識したらしく、原爆を抑制力としてのみでなく使用する前提で話が進んでしまいます。

ウェゲナー大佐と田上大臣が命がけで何とか平和を保とうとして暗躍した結果、自分達の首を絞める状況に陥ってしまいました。

 

コノリー大尉を「二人で話そう」と呼び出したスミス大将は、どう考えても楽しいお散歩には適さない危険過ぎるビルの屋上に連れて行きます。

ハイドリヒ上級大将の命令なら裏切るのも理解できるし、コーヒーの好みを知っていたことや、移動のルートを知り得て洩らす事が出来る人物であること、レジスタンスから名指しで密告者に指名されていたことも全て説明がついてしまうコノリー大尉。

しっかりクロなコノリー大尉に命乞いの暇さえ与えず高層ビルから突き落としたスミス大将は、何食わぬ顔で「自殺者が出た、警察を呼べ」と〈クレム少佐〉に指示。

氷の男スミス大将は、フィルムを奪取するもヤクザを殺してマークされているとヘルプの連絡を寄越してきたジョーから、命の恩人であるジュリアナとその恋人も一緒に助けてほしいと懇願されますが、逆に「今度あった時には撃ち殺せ」と命じるのでした。

 

木戸警部もなかなか苦しい立場に立たされており、「明日までに皇太子暗殺未遂犯を検挙できなければ切腹」らしいですよ。

ヤクザ岡本との密会で、政府に隠された思惑が明らかに。

弾道解析で皇太子は時計塔の上からの銃弾で倒れた事が分かっているも、木戸警部はこれを「筋が通らない」と握り潰していたのです。というのも、真犯人はナチスの人物で、これが公になれば日本とドイツは戦争に発展し、日本は確実に負ける事が分かっていたから。だから戦争を回避するために、犯人でないと分かっていながらフランクを暗殺犯に仕立て上げるつもりで動いていたという訳です。

岡村は真犯人の名前まで知っているらしく、これにはすぐ「いくらだ?」と食い付いた木戸警部。

 

自分を潰そうと動いている脅威的存在が我が家で自分の家族と談笑している絵面は恐ろし過ぎる。

招いた覚えもないハイドリヒ上級大将が自分の帰りを待っていて、逃げ場のないスミス大将は家族を守るためにも翌日の狩りの誘いを受ける他ありません。

 

憲兵隊を撒くために別れたジョーとの待ち合わせ場所の小学校で、フランクとジュリアナは預かっていたフィルムを見る事に。逃亡者でありながらこの余裕…!

フィルムの中身はこれまでと内容が違っており、原爆により壊滅した都市で兵士に引き立てられながら連行されてきた人々が跪かされています。

そしてなんとなんとそこに映るのはどこからどう見てもフランク御本人な人物。端から撃ち殺されていき、最後にはフランク(仮)も後頭部を撃ち抜かれるという謎な上に嫌な気分にしかならないショッキングな映像が。

そして、さらにさらに。フランク(仮)を撃ち殺したドイツ兵士の顔が映ると、それは紛れも無くジョーなのです。何がどうなっとるんやーーー。いよいよ、SFらしくなって参りました。めちゃくちゃ面白いな、おい。

高い城の男 [ フィリップ・キンドレッド・ディック ]

高い城の男

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▼次回、エピソード10

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