第4話
あらすじ
母親のメイとともに美容室を営む、妊娠中の娘マージョリー。彼女は仕事中に産気づく。担当助産婦として来たのはルシルだったが、メイは黒人であることからルシルを気に入らない。それでも、無事に男の子が生まれ、一家は幸せに包まれていた。
ネタバレ感想
ヴァレリーと学友の〈マージ〉こと〈マージョリー・チバース〉は3人目の出産を控えながら、母親の〈メイ〉と営む美容室で働いております。
ちょうどヴァレリーが客として美容室に来ている間に産気づいた事で、ルシルが呼ばれますが黒人の彼女を見たメイや他の客達はあからさまに不躾な視線を投げ掛けます。
ヴァレリーに言わせても、メイは少し難しいタイプの人間らしく、娘婿の〈デニス〉にすらキツい当たり方が気になる所。
子供は比較的すぐ産まれたものの、後の定期検診で産褥子癇を発症したマージに緊張が走ります。
急に猛烈な頭痛を起こし、あれよあれよという間に左半身が麻痺状態になってしまいました。
この時もヴァレリーが出産のプレゼントを持ち寄っており、救急車を呼びましたが、待っている間に症状から見て子癇ではなく脳卒中かもしれないと進言したルシル。
病院に運ばれても、駆け付けてきた夫のデニスを近親者扱いせず、母親メイの一存で早過ぎる自宅療養が決まります。マージには退院してきたその日からノンナートゥス・ハウスのナース達による手厚い支援が必要となりました。
帰って来たマージに対し、協力する気まんまんのデニスを部屋から追い出しただけでなく、マージの意思に反して「子供の世話は無理よ」と子供を遠ざけたりと、あくまで本人の中では善意でやっている押し付けが端々に見られ、毒親感満載のメイ。
若くして脳卒中という稀な症状で、ご近所には格好の噂の的となってしまい、原因は出産直前までフルタイムで働かせ続けたメイのせいだと言われているのはこれはこれで不憫だなぁ。
しかし、ルシルに対し酷い物言いで脳卒中の原因まで擦り付けるもんですから同情の余地はありません。
ルシルがすぐに脳卒中の兆候に気付いていなければ子癇の処置がなされ今頃もっと酷い状況になっていたかもしれないのに感謝こそすれ「近付かないで!」とは…。
ここで泣き寝入りする事なく、「これ以上不快な思いをしないように」とマージの担当を外す決断をしたシスター・ジュリエンヌに「そうしてしまえば彼女の言い分を正当化する事になります」と話して茨の道を進むルシルがこれ以上ないほど強く健気に映りました。
知人の無礼を正面から詫びて、自身も従軍していた頃に目をつけられシスターからとことんいじめられた過去を打ち明けたヴァレリーも。
自分にもメイにも非が無い事を美容室の客の前でバッサリ言い切ったルシルの言葉に、メイも少しは助けられた事でしょう。
日常生活に復帰できるようターナー先生が探して来てくれたリハビリ病院を「こんな絶望の場所!」と全面拒否したメイですが、ルシルに説得され本当の意味でマージのために、将来のために奮起したデニスは強かった。
1963年にはこれまで『育児は女の仕事』というのが当たり前だった時代から父親も積極的に育児に参加するべきだという風に移り変わりつつあった頃なのですね。
とは言えそれもごく一部からの意見であって、ナースやシスターの中でも「女性が家庭から離れ寛ぐ時間を持てなくなる」という理由から男性の参入を良しとしない声も。
過去のトラウマから立ち合いを拒否する夫も、いざとなれば立ち会いどころか赤ん坊を取り上げる覚悟すら見せてくれますし、デニスに続き男性の底力が印象的なエピソードでした。それにしてももっと深刻な事件が起こるかと思いきや、ただの良いキャラだったロメイン夫妻。
住み込みのオペアとしてターナー家にやって来た〈マグダレーナ〉は、えらく想像と違った人物像の女性でした。
ティモシーには些か刺激が強過ぎる感じの若き美女で、快活で人生経験も豊富な彼女の立ち振る舞いにはターナー医師からの印象もかなり良い物だったようです。こりゃシーラは気が気じゃありませんな(笑)
〈ウルフ巡査部長〉とナース・クレインのやり取りは今やシーズン7の密かな楽しみになってきています。
Call the Midwife [ Jennifer Wort]
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▼次回、エピソード5