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トゥモロー・ウォー

トゥモロー・ウォー

あらすじ

ある日、2051年からのタイムトラベラーが現代に突然現れ、人類は30年後に未知の生物と戦争になり、やがて敗北するという衝撃の事実を告げる。人類が生き残るための唯一の希望は、現代から民間人と兵士を未来に送り込み、戦いに参加することだという。その1人として選ばれた、元軍人で高校教師のダン・フォレスターは、まだ幼い娘のために世界を救うことを決意。優秀な科学者や疎遠になっていた父親とともに、地球の運命を変えるべく立ち上がる。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」「ジュラシック・ワールド」シリーズのクリス・プラットが主演を務め、地球を脅かすエイリアンと人類の戦いを描いたSFアクション。

ネタバレ感想

Amazon originalが何やらアメリカっぽい感じの面白そうな大作を出してきていて、めちゃくちゃ頻繁に見かける広告の入り方からして力の入れようが伝わってきます。

主役がブルー使いのクリス・プラット?それだけで間違いないような気さえしてくるのですからジュラシックシリーズは偉大だなぁ。

2022年、ある日のサッカー中継の場に突如時空が歪んで30年後の人類だと言う武装した兵士たちが姿を現した事で人類の日常は崩壊します。

未来ではエイリアンとの戦争が始まり、人類は今にも滅びそうな状況らしく、全世界を対象に未来の戦場への徴兵が始まるも、生還率は減少する一方。

反戦デモが起こり、マスコミも答えの出ない議論を続けている中、子供達ですら徴兵されては死んでいく肉親や知人を目の当たりにして「どうせ近い将来には人類は滅亡するのだから何をしても無意味」と投げやりになっている状態です。

科学者であり、高校で教鞭を取る〈ダン〉こと〈ジェームズ・ダニエル・フォレスターにもついに軍の地方支部から招集が。

面白いのが、未来と情報を共有しているので、招集した人間がいつどこで死ぬかというデータまで分かってしまうというところ。

こんな胸板の厚い科学者がおるんか…となりますが、元軍人でイラクに派遣され分隊長を務めた経験もあるという設定のおかげで不自然さが和らぎました。

とにかく有無を言わさず任務完了まで取れない転送装置を腕に付けられてしまい、24時間後には訓練に参加する事が義務付けられてしまったダン。

追跡機能付きで、逃げたり装置に手を加えれば懲役刑ってある意味バトロワの首輪そのものですな。

自分が逃げれば配偶者か成人の子供が任務代行の義務を負うらしく、家族を人質に取られているみたいなもんで感じ悪い。

妻は娘〈ミューリ〉を連れて3人で逃げる事を提案し、捨てられた恨みで疎遠になっていたダンの父親に助けを求めるよう説得しました。

えらくハードボイルドな爺さんですが、工学の修士号を持ち政府と敵対している存在らしく、父と息子の溝は簡単に埋まるようなものでは無さそうですがかなりのキーパーソンになってくれそうです。

結局父親に頼ることはやめて徴兵を受ける覚悟を決めたダンは滅亡を防ぐための研究がメインのR部隊に配属が決定しました。7日間の出兵でどうにか生き延びなければなりません。

それにしても、『リンク』と呼ばれる転送元はあり合わせの材料で急造したごく初歩のワームホールらしく、そんなので何度も何千万にも時空を行き来出来ている事が驚きです。しかも「平時ならまだ動物実験の段階」と言われるようなシロモノに自分の命を預けなきゃならんだなんてゾッとするので隠し通してくれよ、と思います。2051年への往復だけは確約できるとのことですが。

訓練もちゃんと始まっていないままに鳴り響いたアラームのせいで、集められた素人集団は急遽その場で未来に転送される事になってしまいます。「最後の研究施設が襲撃されているから死守しないと」とのことですが、あまりにも脳筋な数撃ちゃ当たる戦法過ぎる(笑)

しかも出力座標エラーで送られた大多数が上空からの転落死は惨い…!

ダンは運良くプールに落ちて無事でしたが、ここが冒頭に繋がるのか。

 

24でお馴染みのクロエも割と目立つポジションで出ておりますが、そんなことよりも、なななんと!指揮官サイドの大佐役にチャックのサラが…!長年チャックのヒロインとして活躍し、24の続編にも出演するもその後泣かず飛ばずだったイボンヌ・ストラホフスキーの出演は個人的にビッグサプライズでした。

axxi.hatenablog.com

 

従軍は15年前とは言え体が覚えているのか、近くのラボに孤立している研究班の救出ミッションを命じられると即座に順応して本能的に周りを統率し動き始めます。

それにしても、長年率いてきた部隊に指示を出す隊長かのごとき統率力…!そのあまりの勢いに少し笑ってしまう(笑)

この男が製作現場ではここまでお茶目だと言うのも笑えるポイントなので是非この動画を見て欲しい。

満を辞して姿を現した敵『ホワイトスパイク』はちょっと可愛い。お目目がつぶらです。

フォルムも動きもホラーゲーム感が強め。

最初から気の良い奴な〈チャーリー〉はさておき、赤Tのベテラン兵士〈ドリアン〉とバッチバチになったり、一般人過ぎる素人兵が騒いだり逃げ出したりで窮地を招いたり、何かしらの仲間内でのトラブルや蹴落としが待ち受けているかと思いきや、全くそんな事はなくチーム一丸となって時には危険を省みず助けに戻ってくれたり身を呈して仲間を逃したり、良い奴ばっか。

戦闘シーンの畳み掛けてくる疾走感、たまりません。無駄に溜めたり絶望シーンに余韻を持たせる事など一切しない潔いまでのスピード感が味わえます。

 

そして、司令を出していた大佐の姓がフォレスター…まさかと思いましたが、成長したミューリだったとは…!!これも引っ張ることなくすぐ明かしてくれて、「そうなのか?そうなんだろ?」と思いながら見続けるインターバルがあかない分、鳥肌が。

しっかり科学者として立派に成長した上にR部隊の発案も彼女だったそうです。そんなデキる女が感傷のためではなく、人類滅亡を食い止めるために不可欠な人材として過去の父親を呼び出すというのも胸熱ですね。なんだか訳ありげな感じですが。

 

ホワイトスパイクにもオスとメスがいるらしく、数は少ないものの毒が効かないメスが鍵になると確信しているフォレスター大佐は捕獲作戦からの解析に全てを賭けています。

CGに予算を注ぎ込み過ぎたのか?と心配になるほど敵の巣の中のチープさが凄い(笑)映画というより遊園地のアトラクションみたいです。余計なお世話ですね、はい。

設定自体はSFですが、内容はいかにもアメリカのアクション映画!という感じで盛り上がります。ストーリーも非常にわかりやすい。

SF、アクション、家族愛のヒューマンドラマと盛り沢山。

ミューリがわざわざ父親を呼び寄せた理由は、「作り上げた致死薬を過去に持ち帰って大量生産し、この戦争を無かったことにして欲しい」と。つまりはこの未来で戦う滅亡寸前の世界に毒は使わず自分達を見殺しにしてでも過去から見た別の未来に繋げてくれと言うのです。

そうこうしているうちに捕獲されたメスを守るためおびただしい量のオスが大挙して基地へ押し寄せてきました。

メスの知能と生存本能が凄まじく、ミューリとダンが見つけ出し過去に持ち帰ろうとしている薬で自分達の種族が駆逐されようとしている事まで理解している様子。この薬を過去に持ち帰る事が唯一の希望なわけですが、オスの手で解放されたメスが転送を阻止しにきます。半端ねぇな。

目の前で娘が敵の手に落ちるところを見ながら強制的に過去へ飛ばされたダンのショックはあまりにも大きいのに、未来のリンクも破壊されたのか転送も交信も出来ない状況になってしまったよう。

それでもめげずに妻からのアドバイスを受けて、襲撃されるより前に飛来していたとしたら?と仮定を立てると、ドリアンを訪ね彼が持っていた戦利品の敵のかぎ爪を借りて同じく科学者であるチャーリーの職場へ持ち込み解析してみます。

ここで分かった新たな情報を紐解くのが、教え子で火山オタクの〈マーティン〉というのが笑えてなおかつ予想だにしなかった伏線で感動すら覚えます。オタクは世界を救う…!!

生息地を特定したはいいものの、未来との交信も途絶えた現状で高校教師の眉唾物な話に軍が動いてくれるはずもなく、国境が閉鎖されたロシアに入るには密入国しかない、しかしここでもツテがあるではありませんか。

ハードボイルド親父です。「宇宙船を探すため秘密裏にロシアの氷河に行きたいんだ」と飛行機と操縦士を要求する息子を今度こそ助けてくれる親父。

総勢8名で広大な雪山を捜索するという途方の無さに関わらずわりとあっさり異常を発見(笑)

温暖化で氷河が溶けて解凍されたエイリアンが人類を滅亡に追い込むのか…現実にも可能性はゼロと言えないものがあります。今も既にエイリアンが潜伏している可能性だってありますからね。100%ないとは誰にも言い切れないところにロマンがあるようなないような。

宇宙船内部を見るに、どうやら思っていた感じの経緯ではなかったようですが、ここらへんにスポットを当てて続編が作られたりするかもしれません。

未来では怖気付いて隠れていたチャーリーがラストにはしっかり決めてくるのも、死期が迫っているドリアンが英雄として自身の思うように逝くのもアメリカだなぁ。

最後の最後でメスを一匹逃し、未来で娘を奪われた仇を取るかのような展開になるのも思った以上にシナリオがまとまっていました。お陰で父子の信頼関係も取り戻し、最後にはバケモノ相手に肉弾戦をかますダン(笑)

 

いやぁ、めちゃくちゃ面白かったです。目新しさこそさほどないのですが、迫力も凄いしこれ映画館で見たらもっと凄いんだろうなぁ…と思うと少し勿体ない気もします。やはりAmazon製作はどんどん進んでいっております。

評価(平均点高めの設定です。)

  4.5 /5 点!

『金ロー感』のある王道スタイルで、あまり好みが分かれずに見れる良作ではないでしょうか。

概要

監督:クリス・マッケイ

時間:2時間18分

公開年:2021年7月2日

Amazonプライム・ビデオでも視聴できます。

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