第6話
あらすじ
キープフィットに通うジーニーは2児の母。子供たちのために家を買い、引っ越しを控えていたが、ある日、3人目を妊娠していることが分かる。これ以上、子供を欲しくないジーニーはターナー医院を訪れ、中絶したいと告げる。しかし、医療的根拠もなく、法律に反することから断られる。
ネタバレ感想
2人目の出産から僅か数ヶ月で元の体型に戻すほど優秀なキープフィットの生徒〈ジーニー・テナント〉はマイホームへの引っ越しを控えて忙しそうですが、異常に唾液があると話した彼女にトリクシーは妊娠の兆候だからターナー先生に診てもらうべきと教えます。
2人目を産んでから7ヶ月でまだ生理も再開していないし避妊具だって使っていたのに有り得ない、と否定するジーニーですが、ターナー先生によれば妊娠3ヶ月だそう。
夫婦間で子供は2人までと決めていたらしく、あからさまに望んでいない妊娠への動揺が大きいジーニーに対し、電気技師の夫〈フランク〉は「2人までと決めたけれど3人目も悪くない」とのほほんとしております。
中絶を仄めかすジーニーに「違法だし危険だからやめろ」とごもっともな意見を返しましたが、ジーニーはターナー先生に中絶手術をして欲しいと頼み、もちろん母体が危険に脅かされている医学的根拠が無いので無理だと断られてしまいました。
ジーニーがどうしても嫌だと拒むのには理由があって、自分の母親が11年で7人産み、リンチミアに入退院を繰り返していたのだとか。リンチミアはシンシアが入れられていた精神病院の事ですね。
母親が入院している間ジーニーや下の子たちは養護施設に預けられ、2人の我が子に同じ思いはさすまいとこれまで必死に働いて来たと言います。そして、2人までなら何とかなってもそれ以上になれば良い暮らしはさせられないと怯えているのです。
思い詰めたジーニーはついに闇医者に手を出し、感染症を起こし2日間の間高熱にうなされついに意識が無くなるまでの状態に陥ってしまいました。
ターナー先生が呼ばれすぐに救急車で病院に搬送されますが、救急車の中でそのまま息を引き取ってしまいました。
モデルをしていたキャスが闇医者に手を出した時と同じレンサ球菌感染症だったことで、同一の中絶医による処置の疑いが出てきますが、たとえこの人物が捕まったところで、合法的な選択がないままでは闇手術への需要が減ることはなく、また同じような闇医者が出てくるいたちごっこなのでしょう。
イギリスでは60年代後半に施行された妊娠中絶法への過渡期の中で、いかに中絶を違法とする社会の中で女性達が苦しみ犠牲になったか、その問題を経て女性の権利のために合法化が進んだ、という現実を振り返っているのでしょうが、3話に引き続き闇医者関連はどう頑張ってもブルーな気持ちに引き摺られてしまいます。
貧困に対する福祉政策であったり、女性の社会参入が進んだ時代のニーズがあったという背景を描くには切っては切り離せないテーマなだけに、今後も闇医者に頼ってしまう女性のエピソードは続くのかもしれません。
〈パーディープ・シン〉と、妻で妊婦の〈スィラ〉はインド人が多く住む寮のような場所で生活しています。
スィラの母〈エニド・ウィルソン〉もなんと妊娠中なのですが、結婚から1年経ってなおパーディープの事を認めず、娘夫婦に強く当たってきた事が原因となって、母娘揃って妊娠中で同じポプラー内で暮らしているにも関わらず疎遠になっているようです。
パーディープがインド人だから人種的な差別で毛嫌いしているのかと思いきや、そういう訳でもなく、金銭的余裕のないまま自分達の家すら持てずに共同生活を余儀なくさせられている事も気に入らないのだとか。
結局のところ、溺愛していた娘を取られてしまった悔しさが憎しみへと変わっている感じです。頑固な性格で中々素直になれそうもありません。
母娘の中を気にするシスター・ジュリエンヌやシーラですが、いざ2人を同時に産院で預かる事になるとベッド越しで繰り広げられる大人気ない冷戦に手を焼く事態に。
しかしスィラは子癇前症を発症し救急で転院が決まるも、病院に手の空いた産科医がおらずこのまま産院で麻酔をして生ませる事となり、心配するエニドとパーディープは2人でスィラの手術が無事に終わるのを待つ事になりました。
お通夜のような空気の中、スィラのために必死に祈り続けるパーディープと無事に生まれて来た赤ん坊を見て、固く閉ざされていたエニドの心もほぐれたみたいです。
母娘の関係も持ち直し、パーディープとの関係も改善されてこれからは2人の新生児が増えて賑やかな家族の付き合いになりそうで何より。
ウルフ巡査部長とナース・クレインの噛み合わなさが織りなす可笑しなデートは笑えました。
嫌な奴の色が強かったウルフ巡査部長もどんどん憎めないキャラへと変貌しておりますし、今のナース・クレインへの果敢なアタックを見ていると初期の頃のアレは好きな女子をついついイジメてしまう小学生男子のように思えてきます。
全く靡かずパーキングメーターの時間に負けてお茶の誘いをバッサリ断られる始末で、もっとストレートにいけ!と応援せずにはいられません。
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