第8話
あらすじ
ナース・クレインが坐骨神経痛の治療で入院したので、ノンナートゥス・ハウスに修道院長のマザー・ミルドレッドが応援にやってくる。地域の様子を知ろうと意欲に燃え、フレッドに車の運転の協力を頼んで巡回する。
ネタバレ感想
持病の坐骨神経症が悪化し、救急車で運ばれていったナース・クレインが入院で治療を受ける6週間の代打としてノンナートゥス・ハウスにやって来たのは、なんと修道院長のマザー・ミルドレッド御本人。
修道院長ともあろう人が修道院本部を離れて現場で勤務にあたるというのは有りなのでしょうか？どの地位になっても有り得る事なのか、はたまたミルドレッドの破天荒さの為せる技なのか。
「イーストエンドのミッションを発展させる時です」と張り切るマザー・ミルドレッドの回診に付き添いたいと志願する者など誰もおらず、ベテランの案内を求められた事でトリクシーが同行する事になるも、フレッドに車で送迎してもらうミルドレッドを自転車で追いかけなければならないという、初日にして散々な振り回されっぷりです(笑)
三世代に渡り湾岸労働者として働く家庭で、末期のじん肺を患い自宅療養となった〈ブリトル・ジョセフ〉の訪問に行ったマザー・ミルドレッドとトリクシー。
家長の〈バーニー〉にも首元に痣が出来ていると相談され、ターナー先生に診てもらうと、動物由来品の積み下ろしによる炭疽の疑いがあり、すぐに病院で検査を受けるように言われます。
マザー・ミルドレッドのあけすけな物言いで激怒した妻〈ギルダ〉は、これからミルドレッドは外して欲しいと主張しますが、これを本人に伝えたトリクシーは「敬虔なシスターを攻撃している！」と逆ギレされてしまいました。
あれ、こんな感じの人でしたっけ？マザーに選ばれるだけあって破天荒さはあっても粋で頼れるイメージでしたけど、自身の非を認めず逆ギレに走るとは…似たタイプのシスター・エヴァンジェリーナでももう少しデリカシーは持ち合わせていたように思います。
まぁ、素直じゃないだけで悪いとは思ったのかその後ブリトル家を訪ねてギルダに謝罪したマザー・ミルドレッド。
波止場の作業員は防護服もなく積み荷の中身も知らないままに働かされていて、親子揃って職業病を患った義父と旦那の事があるのでこのままでは息子も同じように病に倒れてしまうのではと気が気でないギルダが心配です。
便利屋とは言えど、こき使われ続けるフレッドはお気の毒ですが、早朝から波止場の雇い主のところへ行って直談判しようとしたマザー・ミルドレッドは、港湾労組の職場委員〈ピーター〉にも内情を聞きます。
いよいよジョセフの容態が悪くなってきて、炭疽菌に対して大分回復したバーニーも一時退院許可を貰いなんとか父の最期に間に合いました。
祖父を見送った三代目も21歳という若さながら作業員の権利を守るためピーターの役職を引き継ごうと職場委員に立候補します。
「反対ならやめるよ」と相談されたギルダが「息子の安全を望んでるだけ」と言ったのに対し、「みんなの息子を安全にするよ、いつか僕の子も」と言える息子に反対出来るはずもありません。
「生活があるのにいいように使わないで」とガソリン代負担の上時間外労働に駆り出されるフレッドの権利を真っ向から主張してくれるヴァイオレットが居てくれて良かった。
ガソリン代と時間給の請求をして良いという事で合意し、「私が来たってフレッドに言わないで、気にするから」と帰って行くヴァイオレットの勇ましく頼もしいこと(笑)
17歳で未婚の〈エレーヌ・ピルキントン〉は、陣痛が来て産院に足を運ぶまで同居の両親にも妊娠を隠し通してきたらしく、誰の立ち合いも望みません。
会陰縫合の跡で彼女が初産ではないと分かり話を聞くと、15歳で産んだ一人目の子はさよならも言えずに親が手配した仲介業者の手で里子に出され、強制的に引き離されたのだとか。
相変わらず厳格で世間体を気にする両親は第二子も里子に出すと頑なで、エレーヌがどうしても育てて行くのだと譲らない事が分かると彼女を突き放してしまいます。
まだ若いエレーヌがきちんと政府の支援を受けられるようにと手配したルシルの手助けもあって、エレーヌは茨の道だと分かっている一方で、希望を持って赤ん坊を育てて行けそうです。
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