エピソード8『えん罪の可能性』“Identity Crisis”
あらすじ
指名手配中の男ライリーが殺害されるが、その手口は1年半前にドンが解決した事件とまったく同じだった。自分が捕まえたのは無実の者ではないかという疑惑にさいなまれるドン。ライリー殺しの容疑者は逮捕されるものの、1年半前の事件を再捜査すると証拠の信憑性が崩れていき…。
ナンバーズ 天才数学者の事件ファイル シーズン1 <トク選BOX> [ ロブ・モロー ]
ネタバレ感想
意外とドンは同僚を実家に連れて来てゲームなんかしちゃうタイプなんですね(笑)
エプス家の居心地良さそう感が半端じゃないのでFBIだろうが集まりたくなる気持ちも分かります。
今回の事件
1年前にドンが解決した『ベイル事件』と、全く同じ殺され方をした、証券詐欺で指名手配中の〈トレバー・ライリー〉の遺体が見つかります。
ベイル事件では指紋も一致し、目撃者もあり自白も取れた〈クリフ・ハワード〉と言う男が逮捕されていますが、ただの模倣犯にしては公表していない細部までそっくり一致している今回の事件か起きたことにより冤罪だった疑いが。
事件解決の方程式
二つの事件の犯人が違う可能性を数学的に割り出し、面通しの方法に論理的欠点がある事に気がつくと、目撃者の犯人確認方法を統計分析します。
無実の人間を刑務所に入れてしまったのでは…と不安になったドンは、珍しく「忙しい」と突っぱねるチャーリーを説き伏せるように二つの事件の書類を押しつけて冤罪の可能性があったかを調べてもらうことに。
事件現場の自宅の捜査が続けられ、家の中のあらゆる場所から出るわ出るわで最終的に52万ドルを超える大金が発掘されました。
どう見ても不正に儲けた金なのは間違いなく、そこかしこで恨みも買っていそうですね。
ライリーの恋人〈ミケーリ〉が投資家の顧客情報リストを渡していた裏も取れます。
被害者の隣人で音楽教師をしている〈マーク・アンドリック〉の目撃証言で、電気工の〈ホゼ・サラザール〉に嫌疑が。
刑務所内のハワードに改めて話を聞きに行っても、幼い子供のためにも模範囚となり少しでも早い仮釈放に望みを託している本人も家族も、蒸し返すような捜査で迂闊に下手な事を言えない、といった雰囲気。
当時ベイル事件で面通しをした女性にもう一度話を聞き、何も言わずに今度はサラザールの写真を見せると、当時見たのはこの男だと断言した事で彼女の証言は正確性が疑わしくなりました。
よくある白人から見た黒人は似通っていて見分けがつきづらい系の偽記憶に関する誤認がテーマかと思いましたが、それともまた違うのか。
指紋捜査官にやいやい言うチャーリーはもはやいちゃもんをつけているようにしか見えないし、毎度毎度確信をついたアドバイスを残してくれるラリーの方がよほど数学的かつ解決の糸口に繋がるアドバイザーに向いているような気も。
大事な兄貴が思い悩んでいるのを見てどうにかしてやれないかと気を揉むチャーリーに対し、思考実験の『シュレディンガーの猫』理論にあてはめ、ドンの出した答えが正しいと同時に間違っていたかもしれないという新たなパターンについても示唆したラリー。
こうして、サラザールとベイルに繋がりがあったとしても、サラザールが犯人だという仮定が間違っていたとしたら?何か見落としている別の繋がりがあるのでは?と新たな視点から見つめ直すようドンにアドバイスしたチャーリー。ドンの物分かりも相変わらず抜群で、これを聞いてすぐに「被害者絡みか?ハワードでもサラザールでもない別の犯人がいるのかもな…」と視点を変えれる凄さよ(笑)
改めてバッティングセンターに出向いてサラザールが事件当日ここに来ていたという目撃証言を得ると、今度はサラザールを現場で見たと証言した隣人アンドリックの職場の高校を訪ねることに。
高校の制服についている校章を見て、写真で見たリサ・ベイルの娘がバイオリンを習っている学校だと気が付いたドン。つまり音楽教師のアンドリックが教えていだという事で、被害者絡みの別の繋がりが見えて来ました。
学校で聞き込みをするもアンドリックは1週間前から病欠しているらしく、すぐに自宅へ踏み込むも逃げられた後。
自宅から採取した指紋で、アンドリックの正体が10年前ボスニアから来たセルビア軍中尉〈ゼリャーダ〉だと発覚。
ライリーは彼の正体を知って口止め料を要求した結果無惨に殺され、アンドリックは時間稼ぎのためにサラザールの目撃証言をでっち上げていたのです。
新たな容疑者浮上に伴い、指紋の一致もあり既に逮捕している二人の容疑者が無罪だった事が発覚しますが、とにかくアンドリックを捕まえねばなりません。
既に逃亡された後でしたが、チャーリーの回りくど過ぎるアドバイスからオペラ好きのアンドリックの性質を逆手に取って張り込み、からの逮捕。
事件解決よりも冤罪で投獄されていたハワードとその家族のやるせなさとか、一度出してしまった答えは簡単に覆るものではないからこそ大きな責任が伴うドンのプレッシャーとか、そのあたりをもうちょっと掘り下げて欲しかったです。
思い込みの怖さだったり、被害者ベイルの夫が妻とアンドリックの不倫関係を知っていながら当時の捜査で彼の名前を出さなかったのは、第一容疑者だった自分が妻と間男の疑惑を話せば動機まで出来上がってしまいますます自分が疑われる…と恐れての沈黙だったというのも冤罪事件の皮肉ですな。
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▼次回、エピソード9