エピソード3『ひとつの命』“Oliver”
あらすじ
肝不全のチャックのために、サンフランシスコの病院へ移植用の肝臓を取りに行ったショーンとクレア。摘出から移植までの許容時間は8時間だが、肝臓は2人が到着したとき、すでに摘出から3時間が経過していた。濃霧のためヘリコプターが飛べず、救急車も出払っており、ショーンとクレアはパトカーに乗って聖ボナベントゥラ病院を目指す。しかし、肝臓に血栓があると分かって、急きょ路上で手術することにする。
ネタバレ感想
人々の命を救う病院と言っても経営する側にとっては慈善的な道徳心ばかりではやっていられない訳で、あくまでも商売感覚で依怙贔屓があるのは当然といえば当然でしょうか。
理事長〈アオキ〉からあと一押しで財団に寄付しそうな患者〈チャック〉の肝臓移植手術を慎重かつ完璧にこなすようにとお達しがあり、執刀するのは外科部長、第一助手にはスター外科医のメレンデスという豪華な人員が配置される"大事な患者"に対するあからさまな忖度が。プライドの高いアンドリュース外科部長はそれを受け入れませんでしたが。
今日も今日とて新米仕事を任されたショーンとクレアは、医療用ヘリに乗り込みサンフランシスコまで移植用の臓器を取りに急ぎます。肝臓移植にあたって摘出から移植までに許された時間は適正な保管がなされて8時間ということで急ピッチな仕事ではあるものの、人体から取り出された臓器をまた体内に戻して機能させるということを考えれば意外ともつものなんだな、という絶妙なタイムリミットです。
しかし、摘出時間が聞いていたよりも早く、予定していたよりも猶予は少ない上に復路では霧が出てしまったために乗ってきたヘリは使えない状況に…。
大規模な玉突き事故が起こったせいで救急車は1台残らず出払っており、パトカーを手配してもらうクレア。
今まさにパトカーでボナベントゥラ病院へ戻っているというタイミングで、チャックの血液検査の結果が出たのですが、禁酒の約束を破っていたそうで、アルコールが検出。原則移植手術は不可ですが、これは移植ネットワークが定めた自制心を試すための規定であり、飲んだタイミングと量、代謝の状況などからサラッと計算式を立てて娘の卒業式のお祝いでシャンパンを1杯飲んだだけという申告が血中アルコール濃度のデータと合致することを確認し、擁護材料を見つけたメレンデス医師。本当に有能なのですね。
肝心の臓器の方はクーラーボックスの温度が上がってしまい、コンビニへ急ぐも氷が品切れで冷凍食品でなんとかしようとするクレアに対し、隙間があるとダメだと分かっていたショーンの考えからなんとフローズンドリンクを使って急冷に成功。保存袋の上からとはいえ一旦臓器の入ったボックスに入れられた冷食もアメリカならそのまま売られそうだなーとぼんやり考えてしまいました。いやぁ、しかしフローズンドリンクで冷やされたレバーですか(笑)
摘出前のスキャンでは未検出の血栓に気が付いたショーンはその場でパトカーを停めて、トランクの上で左葉を切開しクレアと協力して血栓を摘出。
寄付のためにも協会と掛け合って手術に至りそうなチャックでしたが、他にも大勢の待機リストがあることを知っていながら酒を飲んだ自分にその資格はないと感じており、さらに静脈瘤破裂を起こし、移植が成功したとしても余命は3か月程度の状態らしいのです。あくまでも寄付のために病院側は移植をゴリ推す展開かと思いましたが、意外にも規則に準ずる対応がとられ、チャックは待機リストの一番下に。残り1時間を切りながら病院に辿り着くも、院内に入ることなく下された決定通り別の病院へ搬送されたオリバーの肝臓。
ですがショーンの言う通り、チャックではなくても誰かの命が救われたことは変わりのない事実なのです。
〈ワナメイカー〉の遊離植皮手術では腫瘍が見つかり素直にメレンデス医師を呼ばせたアンドリュースは、一応アーロンの助言を受け入れてのことなのでしょうかね。
それにしても医師が金のネックレスを付けていたり、手術着からチラ見えするデカめのタトゥーを隠そうともしないのは日本じゃ考えられませんがこれはドラマならではなのか、実際にもそう珍しくないことなのか、気になるところです。
隣人の〈リア〉ともお近づきになり、病院だけの人間関係に留まらず、プライベートのショーンにも良き友人になってくれそうな相手の登場にワクワクが募ります。
グッド・ドクター 名医の条件 シーズン1 BOX [ フレディ・ハイモア ]
▼Amazonプライム・ビデオでも視聴できます。
月額500円でプライム会員になれば、会員特典対象の映画やドラマ、アニメ、Prime Original 作品が見放題。30日間のトライアル期間でお試しも可能。
▼次回、エピソード4