エピソード6『母の痛み』“Birth Mother”
あらすじ
ニューオーリンズを訪れたランダルとベスは、ハイからローレルの生い立ちを聞く。名家に生まれたローレルはある日、湖でハイと出会い、2人は次第に引かれあう。しかし想いは叶わず、ローレルは1人で町を出て...。
ネタバレ感想
全体を通してランダルの母、ローレルの過去が明かされるエピソードとなりました。
緊張の面持ちでニューオーリンズのハイさんの元を訪れたランダル。
ハイさんの口からローレルの話が語られ始めたのですが、なんと彼女は街一番の名家〈デュボア家〉の娘だった、と。なるほど、そういうパターンですか。
厳格な父親と、穏やかではあるものの夫には逆らえない雰囲気のある母〈エリザベス〉、そして、心優しい兄の〈ジャクソン〉の4人家族で、お嬢様にありがちなやや抑圧された幼少期を過ごした少女ローレルは、父親から理由も分からないままに大好きなおば〈メイ〉の所へ通うのを禁じられます。
唯一の心の拠り所だったジャクソンもベトナムに出征してしまってからは孤独を感じるようになったそう。そしてついには兄が戦死したという報せが届いたのです。
一方で、戦争後に難民となった若きハイとその家族は教会の支援でニューオーリンズに。漁師となって両親を支えている中で、ある日湖で溺れていると勘違いしたローレルを助けたのが二人の関係の始まりでした。
まさかウィリアムと付き合うよりもずっと若い頃からの関係だったとは…予想外です。
すぐに恋に堕ち、愛し合っていた二人でしたが、ローレルには家族公認の恋人〈マーシャル〉の存在が。
彼からのプロポーズにイエスと答えるよう父親から言い含められ、ついに駆け落ちを決意したローレルはハイに一緒に街を出ようと誘いに行きますが、自分が居ないと両親は生活できない、と街に残るしか選択肢がなかった当時のハイ。
そもそも仮死状態に陥り、蘇生の間にウィリアムが産まれたてのランダルを抱いて姿を消したからと言って、命が助かった後にも自分とウィリアムを探さなかった理由は何なのか、とランダルが声を荒げるシーンも。確かに、当事者にとっては真っ当な反応かもしれません。
ただ、捜したくても捜せなかったのにもちゃんと理由があって、息を吹き返したローレルは、病院で目覚め身体が回復すると同時に薬物所持で逮捕され、その後5年間カリフォルニアの刑務所で服役していたというのです。
釈放後も自分を責め、母親の資格が無いと感じ、唯一の知っている場所に戻ったローレルを優しく受け入れてくれたメイおばさんは、彼女自身が実の兄からも非難の目を向けられている理由を話してくれました。
メイおばさんには、既婚者〈レイモンド・ブランチャード〉の子供を妊娠し、全てが手に入ると期待したにも関わらず逆に全てを失った上に家からも追い出された過去があったのです。
その後、ハイとローレルは街で再会する事になるも、何年もの時が経っており身重の妻が居るハイにはどうすることも出来ず、お互いに気持ちだけは通じ合っているという長い日々が続きました。
妻に先立たれ子供も独立した頃、ローレルが末期の乳がんで治療もできないと聞かされてそこから二人は数十年の時を経て再び深い関係に。
彼女が亡くなるまでの2年間を側で支えてきたハイは、彼女が余生を過ごし愛した場所はランダルに受け継がれるべきものだ、と守り続けたローレルの家の鍵を差し出します。
母親の過去、自分の産まれた日のこと、沢山の知り得なかった自身のバックボーンを知り、湖のそばの素朴な農家を譲り受けたランダル。目まぐるしいにも程があり、どんな気持ちか言葉にしようが無いのも仕方ないでしょうね。
ちょっとオカルトチックな演出で亡き生みの親と交流し、母親に言われるがままに思いっきり感情を爆発させることで悲しみを解き放って身軽になった様子。
しっかりと母親からの愛情を受け取り、吹っ切れたその表情はまさに一皮剥けた、という雰囲気です。
これまでランダルにのしかかっていた苦しみ、いつもどこかで抱えていた孤独や心の葛藤、卑屈さはもうありません。
「もう悪い感情に縛られたくない、手放すよ」と早速ケヴィンに電話するのですが…。
マディソンの陣痛が予定より早く始まったらしく、そんな時に遠く離れた地に居る自分を悔いながら車をすっ飛ばしているケヴィンは、逆にこのタイミングでランダルの話を聞いている余裕も無さそう。
予定日はまだまだ先だったはずのマディソンはかなりの早産という事になりますが大丈夫なのでしょうか。
▼Amazonプライム・ビデオでも視聴できます。
月額500円でプライム会員になれば、会員特典対象の映画やドラマ、アニメ、Prime Original 作品が見放題。30日間のトライアル期間でお試しも可能。
▼次回、エピソード7