エピソード10『モンスター』“MONSTER”
あらすじ
配車サービスの車に乗ったエル・モンテは運転手に見覚えがあった。携帯で調べると、その残虐さから「のこぎり男」の異名を持つ、元ソマリア軍閥指導者タイファであると分かり、急いで降りようとするがタイファが銃を持ちだしたことで車内でもみ合いになる。その後、近くのデリに逃げ込んだタイファをエル・モンテが銃を持って追いかけるが……。
ネタバレ感想
せっかく疎遠になっていた兄弟分との親交が復活したジムですが、ネイトの働いているバーのボス〈ノーラン〉がヘロインの裏商売を始めたらしく、店にヤクを隠している事を知った強盗2人組に押し入られる事件が起こり、店主にグルだと疑われて5万ドルの弁償を迫られているという事で、報復を恐れて正規ルートを使いたがらないネイトから「密売を黙認するからネイトに手を出さないようノーランと取引してくれ」と頼まれています。
特別な絆がある兄のような存在だからこそ、真剣に頼まれれば人の良いジムは無視しきれませんよねぇ。
ディーコンの娘は、以前あった自宅への襲撃がトラウマになっているようで、家族全員でのカウンセリングが必要になっていたり、ややマザコン気味のホンドーは父親と母親の確執の間に挟まれ家の中が嫌なムードだったり、それぞれのプライベートが思わしくありません。
さて、男が1人を人質に取って立て篭もっていると通報を受けて出向いたチーム。
しかし、蓋を開けてみればウーバーの運転手が、ソマリアの内戦で少年兵を従え何千人も殺し、容赦なく体を切り刻む事を理由に『のこぎり男』の異名を持つ〈エイデン・サイード〉だと気付いてしまい、降りようとした青年が銃を突き付けられて揉み合いになった末に横転事故を引き起こし、サイードの銃を奪って足止めしていたのでした。
サイードは、国際刑事裁判所“ICC”が長年国際指名手配していた男で、しばらくご無沙汰だった警部補がICCの〈ヴァシェル〉、捜査官の〈ラフキン〉と〈サンパース〉に身柄を引き渡すと案内しております。
既に事件は報道済みで、気をつけるよう忠告したホンドーのセリフは最速でフラグ回収され、防弾SUVで本部を出た途端に狙撃されてそのままバックで引き返してきたICCの皆さん。
てっきりサイードを助けようとする過激派かと思いましたが、その真逆で数々の恨みを買っているサイードを殺したいと願っている人間が多いのだそう。
身柄保護のノウハウを持つSWATが警護を任されて、隠れ家への移送が決まります。
それと同時に、本部内で取り乱した様子で夫を探す〈ヴァーナ・タイファ〉の姿が。
息子の“マックス”こと〈モハメド〉を連れてきており、夫としても父親としても『良い人』な自分の夫が、人殺しの国際手配犯だなんてにわかには信じられないヴァーナ。
今はどうであれ、過去にしてきた残虐な一面は事実で、指紋も一致していては擁護のしようがありませんが、ヴァーナはそっちがその気なら弁護士を雇う!と何故か啖呵を切って去って行ってしまいます。うーむ。
警察の無線係をしている〈ザラ〉という女性が、〈アブディ〉という同胞の男からサイードの居場所を聞かれて情報を買うと言われた、とSWATに報告。
これを利用してアブディを捕らえるべく、ルカの屋台で直接会う約束を取り付けさせるホンドー。
さすがに登場を期待しましたが、名前が上がるだけでルカの姿は今回も無し。
ディーコンに気付いて逃げ出したアブディは呆気なく捕まったものの、ネット上に別の覆面男が「罪の告白を撮影し、4時間以内にニュースサイトに流さなければ、家族が犠牲になる。お前と同じく子供に母親を殺させる」と、縛られたタイファ母子を前に話す動画がアップロードされてしまいます。
独自の調査に加えて、アブディが働くソマリア料理店で聞き込みをした結果、アブディと同じ火傷痕を持つ元少年兵と思われる男が合わせて14人も見つかりました。
そこから同じ地元の人間に絞ってもまだ8人が疑わしく、拉致犯を特定するために、隠れ家に滞在中のサイード本人にも聞き取りが行われます。
海兵隊時代にのこぎり男の残虐な仕打ちを現実として肌で感じた過去のあるホンドーは、いつもに増してヒステリックな怒りを露わにしていますが、サイードもサイードで悟ったような物言いや、何様かと思うような間の取り方がいちいちウザくて、絶妙に煽り上手な開き直り方をして主導権を取ろうとしているのもいけすかない感じです。いや、過去を考えれば「いけすかない」で済むような存在ではないのですが。
最初こそ敵側が流した嘘の情報だの何だのと言ってましたが、結局認めていますし、妻子が拉致されても動じていない姿は暖簾に腕押しで、告白文を読ませる事で、救出までの時間稼ぎをしたいホンドーの苛立ちは募る一方。
サリードが8人の中から元少年兵だと差した〈ユセフ〉の自宅へ踏み込んで、その場にいた妻と友人の女性〈アスター〉に話を聞きます。
ユセフはアスターの夫〈ハミド〉と、〈ムサ〉という男と共に彼女の自宅に居て「家から離れてろ」と指示されたそう。
住所を聞くと20分もかかる距離で、タイムリミットが迫る中急いで移動するディーコン達。
その頃ホンドーは、告白文を読ませようとスマホで撮影していましたが、こののこぎり男の野郎が度を超えた仰天クソ野郎でして、さすがに首を絞めにかかるホンドーの気持ちに共感出来ました(笑)むしろ笑いました。こりゃ、しょうがねぇや。
ギリギリのところでディーコン率いるチームは早急な突入に入り、なんとか妻子を無事に保護して3人の男達を確保。
事件収束後、あんな派手なキレ方をしたホンドーが「確かにモンスターは誰の中にもいるがどうするかは自分次第だ、強い者はそれを抑えられる」とサイードにドヤ顔したのにはこれまた少し笑いました。
さて、ジムが何かやらかしそうだと敏感に察知し、何かと気にかけるクリスですが、何故ジムは肝心な時にいつもクリスの助けをお節介扱いして一人で何とかしようと暴走するのか。
さすがにSWATクビ騒動で懲りたかと思いきや、またこれです。
ノーラン相手に馬鹿な取引を持ち掛けたところへ、またしてもヤク目当ての強盗2人組が現れて咄嗟に2人を射殺したジム。
もはや取り返しのつかない事態です。武装した相手を非番の警官が射殺したというのは良いとして、現場に大量のヤクやら裏社会の人間やらが居たのでは色々と面倒な事になるのは間違いなく…。
この場は俺に任せろとネイトやノーランをヘロインごと立ち去らせますが、一体どんな苦しい言い訳をするつもりなのでしょう。
ちなみに、ライラのカウンセリングは上手くいったし、シャリースはダニエルが病気をきっかけに優しくなったと認めて穏やかな雰囲気が出たりと、ストリート以外は良い方向へ落ち着く結果となりました。
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