エピソード1 “The Man in the Shadows”
あらすじ
シドは偶然、不審人物が池に死体を遺棄しようとしている現場を目撃する。翌日、美術品修復師のアーチーが同じ池で事故死したと新聞で報じられるが、シドは事故死ではないと主張。ブラウン神父たちは真相を探るべく、アーチーが働いていたマスターズ卿の屋敷を訪れる。しかし、屋敷内を探っていたシドがスパイ容疑で保安部員に拘束されてしまう。アーチーは"秘密は墓に持っていく"と書いた手紙を残していた。
ネタバレ感想
主要キャラに思えた人物が突然何の説明もなく居なかったことにされてしまう『ブラウン神父』なので、シーズン3の初っ端からシドの姿が見えたのはとりあえずひと安心です。今やかなり重要で愛着の湧いてきたキャラの1人ですからね。
そんなシドは、森の中で死体を遺棄しようとしている現場に出くわし、命からがら逃げ延びて警察を呼んでいます。
前回の終わりで補佐官の座に就いたとか何とかありましたが、あれはただの表彰なだけであって、やはりサリバン警部補からは疎まれて捜査に首を突っ込むな、とキツく言い渡されるいつものブラウン神父です。
新聞が出てようやく被害者の男性が、シェパード家の結婚式で付添人をしていた〈アーチボルト・ウォーターソン〉である事や、明らかに死体は乾いていたのに事故による溺死という警察の見解が分かります。
第一発見者のシドに証言を聞かないどころか、警察の隠蔽を疑っているという噂を聞きつけたサリバン警部補は、余計な事を話すなとわざわざ忠告しにきたり。
しかもシドは、自宅のトレーラーに押し入ってきた刃物を持つ覆面の人物から襲われる羽目に。その場は何とか返り討ちにするもかなり危ない状況でした。
〈シェパード夫妻〉が何かを隠していて、警察は通常の捜査を行っていないこと、シドが襲われた件も重なり、ただならぬ気配を感じたブラウン神父は一歩踏み込んだ調査へ。
とにかく怪しいシェパード夫妻とアーチーが知り合った場所である、貴族院の議員〈マスターズ卿〉の屋敷を訪ねるブラウン神父、フェリシア、シドの3人。
アーチーは1年半ほど前から屋敷内の修復スタッフとして来ており、その修復に関しても慈善団体からの申し出があって自分が踏み入らない場所で作業をしているということ以外、マスターズ卿は何もかもハッキリ把握していないのです。
アーチーの名前を出したブラウン神父に、親しくもなかった彼が自分を探しにきた人に渡してくれ、と言い遺した手紙が渡され、中には『秘密は墓に持って行く』とだけ綴られておりました。
2人が当主の気を引いている隙に裏口から忍び込んでいたシドは、鍵のかかった資料室から出てきた男に近付き、直前で使っていた鍵をすって扉を開きます。
しかしそこでは明らかに政府の諜報活動をしているような光景が広がっており、誤魔化そうとするも問答無用で捕まってしまったシド。
政府関係者で保安部“MI5”所属の〈ダニエル・ウィテカー〉は、顔見知りだったフェリシアの要求も無視してシドを連行させてしまいました。
修復は口実で、保安部があの家で何らかの活動をしていたのは確実で、シェパード夫妻がウソをついたのも納得です。
何かに閃いたブラウン神父は、墓地でアーチー・ウォーターソンの石碑を見直しますが没年月日が1933年6月20日になっており、過去に亡くなっていた人物という事に。
修復の監督者を騙ってマスターズ卿に探りを入れたダニエルは、アーチーが残した手紙の存在に辿り着いております。
アーチーの墓を荒らしてみたり、教会で手紙片手に考え込んでいるブラウン神父の元にさっそくダニエルがやってきて手紙は没収。
ただ、アーチーが本当にこの手紙を渡したかった相手はダニエルの方で、部外者の調査を求めていた事にも気が付いている神父。
保安部は亡くなった人物の名を偽名にしていて、ブラウン神父は20年前に本物のアーチボルトを埋葬した張本人だったからこそ名前に聞き覚えがあって真実に近づけたのです。
捕まったままのシドがスパイ行為と認定されれば重罪となり、ブラウン神父から情報を引き出すための人質状態になっております。
フェリシアもまた、過去に何かを揉み消してもらったらしく、ダニエルに弱みを握られている状態で、噂にされたくなければブラウン神父が見つけた何かを突き止めてくれと脅され、交換条件に死んだ青年の捜査資料を要求しました。
シェパード夫妻に揺さぶりをかけ、アーチーが自身に危険が迫っている事を察して手紙を遺していた事も話すと、夫の〈ウィリアム〉がブラウン神父を追いかけてきて告解室で「親友を殺した」と打ち明けます。
ソ連宛てのメッセージという機密情報を入手したアーチーは、夫人が不在のシェパード家にやってきて送り主だったウィリアムを問い詰めました。
かつてソ連のスパイをしていたのは妻にもひた隠しにしていた過去で、この半年間はソ連にウソの情報を送っていたそう。アーチボルトの墓で、花瓶の中から見つけていた絵葉書はソ連宛の暗号メッセージだったのか。
話を聞いたアーチーは裏切りだと激怒し、殴りかかってきたのでそれを止めようと自衛のつもりで取ったナイフがうっかりアーチーを殺してしまったのです。
懺悔して赦しを得ようとする彼に、ブラウン神父は「できない」とまさかの一言。
その後シドを襲ったのは罪を悔いる人間の行動ではなかった、というのがその理由です。何でもかんでも赦しを与えるわけではないんですね。そりゃそうか。
フェリシアは、捜査報告書をブラウン神父に託す代わりに例の絵葉書を盗んできてダニエルに渡し、2人の取引は終了。
絵葉書の切手の裏に隠されていた機密文書を見つけたダニエルは、ブラウン神父に妻とこれから生まれてくる赤ん坊を任せて1人逃亡するウィリアムを追うため駅へ。
同じ頃ブラウン神父も駅へ行って、列車に飛び乗り、作り話ではなく真実を話すよう迫ります。
ブラウン神父の存在に気が付いたダニエルも同じ列車に乗ってきて、ついに追い詰められたウィリアムは服毒自殺によって命を絶ってしまいました。
あの話が作り話というのなら、ウィリアムが誰を守るために罪を被ったのかは一目瞭然です。
アーチーに二重スパイである事を問い詰められて認めたウィリアムが揉み合いになっているところで、妻が背後からアーチーを刺しておりました。そして、捕まるよりも死を選べと訓練されていたウィリアムと同様の思想を持つ妻は、ブラウン神父が訪ねてきた事で全てを察して、自分のティーカップに毒を入れます。
砂糖を取りに席を立たせた隙にカップを入れ替え、目の前で妊婦が命を捨ててしまう事を防いだブラウン神父。
ブラウン神父を尾けてきたダニエルがその場を引き継ぎ、神父とフェリシアはやっとシドを取り返すに至りましたとさ。
強大な力に翻弄されるばかりで、後味の悪さもありましたし、レディ・フェリシアが過去にしでかした何かも気になります。
今回一番の被害者だったのは、シドだったのかマスターズ卿だったのか……(笑)
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▼次回、エピソード2