エピソード13 “The Paradise of Thieves”
あらすじ
ブラウン神父とマッカーシー夫人は、教会への寄付をお願いするため、銀行を訪れる。突如、その銀行に銃を持った強盗が押し入る。金庫を開けろという強盗の命令で、ハロゲート支店長とブラウン神父は金庫へ行くことに。ハロゲート支店長が金庫を開けると、そこにはハロゲート支店長の娘婿であるビリーの死体があった。
ネタバレ感想
ブラウン神父とマッカーシー夫人が銀行の奥の部屋で支店長に寄付金のお願いを、付き添いのシドをロビーに待たせるフェリシアさんが窓口で預金を頼もうとしている時、突然覆面集団の銀行強盗が押し入ってきます。
いつもの田園風景の中での殺人事件と打って変わって、やや近代的な雰囲気があり、直近までS.W.A.T.を視聴していたせいか特殊部隊でも出てくるんじゃないかと思わせられる新鮮な事件です。
金庫の鍵を開けるために必要な支店長が呼ばれ、どこまでも強気なマッカーシー夫人の性格が災いして芋づる式に神父を含む3人でゾロゾロ強盗犯の前に出てくる羽目に。
銃口を向けられながらも説教の口が止まらないマッカーシー夫人、さすがだよなぁ(笑)
ブラウン神父同伴で、支店長が犯人を前にしてやむを得ず開けた金庫にはなんと頭から血を流した死体が。おかげで強盗犯は逃げていくも、銀行的には強盗と殺人とどちらがましなのでしょうか?
殺されていたのは〈ハロゲート支店長〉の娘婿〈ビリー・フランダース〉で、金庫の鍵は肌身離さず支店長が持っているものだけ。
地域貢献のために貴重品を一時的に保管するボランティアも担っているらしく、最後に金庫を開けたのは昨日の閉店後にこれらの荷物の到着を待って金庫にしまった時だそう。
そのまま鍵を閉まって帰っている支店長ですが、行員の〈ブラウニング〉もそばでダブルチェックしていたとか。
支店長代理の〈マーチン〉は、この騒ぎで現支店長が解任になれば後釜につけるらしく、同僚〈スティーブン〉から嫌味を浴びせられております。
支店長の娘〈ジュリア〉も強盗騒ぎを聞いて銀行にやってきて、そこで初めて夫が殺されているのを知ることに。ジュリア、やけに冷静です。
ビリーのスーツのポケットからは、支店長の字?で書かれた『銀行で9時に待つ』という手紙が。ハロゲートの字に似てはいるものの、本人は書いた覚えがないと主張しながら逮捕されていきました。
ジュリアいわく、行員2人のうちスティーブンは嫌いだけれどマーチンは良い人で、数ヶ月前に借金を断られて一時落胆していた以外は支店長とも仲が良かった、と。
水を入れてもらっている間にジュリアが暖炉で燃やそうとしていた書類をすかさず盗み見るブラウン神父。それは、ジュリアが競走馬を購入した事を示す売買契約書でした。
臨時で責任者となったマーチンは、本当に支店長に恩を感じていて無罪も信じているらしく、借金を断られた経緯についても神父に話してくれました。
銀行はビリーの事業に融資していたところ、想像以上に業績が悪い赤字経営で、娘婿のために貸し込んでいくも返済はゼロだったそう。支店長のデスクにあった帳簿を調べると帳尻があっておらず、恐らく銀行の金を帳簿外でビリーに渡していたから、重ねて自分に貸す事で損失を膨らませるのを避けたかったはずだ、と話すマーチン。
その頃警察は、ゴミ箱の中から出てきた凶器が支店長のもので指紋の確認も取れた事から本格的にハロゲートを刑事告発しております。
マーチンに話を聞いた後、ビリーが営んでいた会員制クラブに足を運んだブラウン神父。
そこの店員は訛りからして銀行強盗犯の一員でした。
あくまでも支店長の命を救いたいだけで強盗事件の解決には興味がないけれど、2つの事件には関連があるはずだと踏んでいるブラウン神父は、強盗の件について見逃す代わりに全てを話すよう説得。
店員はビリーから銀行強盗を頼まれており、その計画の中にはブラウン神父と支店長を金庫に連れて行けという指示まであったのです。
ビリーは何故ブラウン神父を立ち会わせたのか。そもそもブラウン神父があの日、あの時間に銀行のオフィスに居る事を知っていたというのも不思議な話です。そして、銀行はかなりの経営難になっていたはずなのに慈善ファンドで教会への寄付の話が出ていたのもおかしいのです。
これらを考えて、慈善ファンドをでっち上げて自分を呼び出したという結論に至ったブラウン神父は、刑務所のハロゲートのところに会いに行きました。
神父で信頼が厚いブラウン神父が『金庫から金を盗まれた』と証言すれば誰も疑われず、義父が帳簿を不正操作しているとバレるのを見越したビリーは不可解な損失を強盗のせいにしてしまおうと計画。その計画を知っていたハロゲートが、事前にブラウン神父を呼んでいたのです。
ただ、支店長や実行犯の店員の反応からして、ビリーの遺体が金庫内にあったのは想定外だったというのは事実でしょう。
怪しいのはやはり、高級自家用車を乗り回すスティーブンなのか?
金庫に忍び込む方法の謎を解かねばならないと感じた神父は、なんと自ら金庫破りをすることに。とんでもない聖職者が居たものです。
これまたノリノリなシドとフェリシアさんが事前に顧客として銀行を訪ねて種蒔きをしておいて、夜更けを待って今度はシドとブラウン神父で複製した鍵を使って銀行、そして金庫内へ侵入。
ここまでは良かったものの、行内にはまだ人が潜んでおり、2人が入った金庫室の扉は外から閉められてしまいました。行員のマーチンによって。
マーチンに指示を出していたのはジュリアだったわけですが、彼らが犯人というわけではなく、内側から緩んでいるネジを見つけてなんとか金庫から這い出した神父達と鉢合わせになり、父親の容疑を晴らす証拠が金庫の中にあると聞いて、呼んでいた警察に嘘をついて2人を匿ってくれます。
しかし何故こんな真夜中に2人で銀行に居たのか、と問うと、ビリーが殺された際に書類を調べ、自分を騙して競走馬を買っていた事が発覚したものだから共犯と思われないように契約書を燃やしたジュリア。そして、他にも何かないかとマーチンと2人で銀行内を調べていたらしく、ビリーが支店長から融資された金を隠れて馬に注ぎ込んでいた事が分かったとか。他には、ハロゲートの個人口座からは毎月使途不明の大金を引き出していた形跡が見つかっています。
この個人口座から消えた金の行方こそが、一介の行員には似つかわしくない高級車と家に住むスティーブンです。
ある夜パブで、支店長の連隊にいた男と会って『第一次大戦中の彼の過ち』について聞いたネタを使って長らく強請っており、金払いが悪くなってきた罰に殺人犯の罪を着せていました。
マーチンは実は、軍隊の休暇中に交際した女性とハロゲート支店長との間の子で、死の床の母親からこの事実を聞かされていたマーチン。娘に不貞を知られたくないだろうと支店長には自分達が親子関係だとは明かさなかったそうです。
それでも上司と部下として良好な関係を築いてきて満足していたはずが、そこへビリーが現れて不正融資まで重ねるように。
自分が諦めた息子の座にこんなろくでもない男が座ってしまったらそりゃあ殺意も湧くかもしれません。
狂言強盗計画を知ってしまったマーチンは、それを利用して巧妙な計画を立てたのです。
美術品の入った木箱を運び込むため偽の配達を手配して支店長とスティーブン同席の元金庫内へ。その木箱には実はマーチン自身が入っており、金庫の中から簡単に脱出できるネジの緩みがある事を知っていたマーチンは箱を処分して1時間後に来る本物の美術品配達に支店長のフリをして立ち会います。
長年間近で見てきた筆跡を真似るのはお手のものだったマーチンは、ビリーを呼び出す手紙を書いて誘き出すと、金庫内で殴り倒し、金庫室の鍵を持っていないマーチンは氷を使った細工で金庫の鍵が時間差でかかるようにしていた、と。
母親の具合が悪くなって借金を申し入れた自分には金を貸してくれず、馬のための金をビリーにやった支店長への逆恨みもあったようです。
ただ、支店長も騙されていた事は今になってようやく知るのですが。
ブラウン神父から、息子が銀行勤めするようになっても最期まで真実を隠していた母親は、金を取ろうと思えば取れたはずなのにそうしない道を選んだのだと聞かされ、ようやく出頭する気になったマーチン。
代わりに支店長は釈放になり、マーチンはその後も狂言強盗については警察に話さず。改めてマーチンに面会に行き感謝と謝罪を告げたハロゲートでした。
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