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海外ドラマ≫≫Father Brown ブラウン神父 シーズン6 8話ネタバレ感想

Father Brown - Staffel 6

エピソード8 “The Cat of Mastigatus”

あらすじ

ケンブルフォードにある名門男子校“ケンブルマーターズ”のイベントで、隣の女子校に通う女生徒が何者かに襲われ重傷を負った。男子校の校長の孫が容疑者として逮捕されるが、彼の勾留中にまた同じ女生徒が襲われる。その直後には女子校で庭師として働く謎の男が自殺。ブラウン神父は男子校で常習化していた「体罰」の問題に着目する。

ネタバレ感想

ケンブル・マーダーズ高校”の伝統的な学年末イベントに参加するブラウン神父達。

イベントの途中、敷地内に頻繁に出入りする野良猫を追い払おうとしていた副校長の〈フィリップ・ハート〉は、恋人関係でもある隣の女子高“セント・セービア”の副校長〈シーラ・バーネット〉とイチャつきながら入ったボイラー室で女子生徒が頭に怪我を負って倒れているのを発見しました。今回は珍しく遺体ではなくまだ息があるようですぐに救急車と警察が呼ばれています。

倒れていたのはシーラの学校に通う〈メイ・ルイス〉で、警察は誤ってガス管に頭を打ち付けた事故だろうと断定しましたが、被害者の髪から特徴ある臭いがすると口を挟むブラウン神父です。

シーラに被害者の部屋を確認したいと頼んで許可を貰いますが、男子禁制のためマッカーシー夫人とバンティがブラウン神父の目となって部屋へ入れてもらうことに。

殺風景な部屋から見つけた日記を持ち出した2人はブラウン神父と合流して他の手掛かりを探します。日記の中の印の規則性からメイは妊娠していたと気が付く女性陣。

一方ブラウン神父は、クリケットに使われるバットから塗りたての亜麻仁油の臭いがする一本を見つけます。“DG”のイニシャルがある凶器は後ろからやって来たマロリー警部補に横取りされました。

“DG”は〈ダニエル・ゲイツのイニシャルで、ケンブル・マーダーズ高校校長〈スコット〉の孫息子はマロリー警部補に殺人未遂容疑で逮捕されていまいます。

必死に否定するダニエルを信じているブラウン神父は、彼が乗せられたパトカーに先回りして、警部補にバレるまでの僅かな時間にダニエルのバットがイベントの間カバンから消えていたこと、メイとは恋人で祖父に知られれば怒られるのでメモを使ったやり取りで逢引きしていたこと、今日に限ってそのやり取りが無かったことを聞き出しました。

 

セント・セービアの庭師として働く〈ジャック〉はスコット校長と確執でもあるのでしょうか。

ハート副校長のデスク上には『手遅れになる前に猫の真実を話せ』という置き手紙が残されていたのも気になります。

 

メイに付き添い病院で看病していたマッカーシー夫人とバンティ。ブラウン神父も様子を見に来たところ、病室から少女の悲鳴が。

慌てて駆けつけるとメイの意識はないままで、開いた窓の側にはマッカーシー夫人が女子高の敷地内で目にしたばかりのトケイソウが落ちていました。

ひとまずメイにはマッカーシー夫人が付き添うことにして、ブラウン神父とバンティは学校に戻り、庭師のジャックを紹介してもらう事に。シーラは二つ返事で案内してくれますが、ジャックは常駐している小屋に不在です。小屋の入り口にあるトケイソウの茎から花が千切られているのを見つけたブラウン神父は、目配せしたバンティにシーラの気を引かせて自分はピッキングで小屋の南京錠をこじ開けました。不法侵入も慣れたものです。

3人が中へ足を踏み入れると、なんと自殺しているジャックが見つかってしまいました。

残されていたのは腕にはめる器具とスケッチブック。数々の絵の中には、少女の肖像画も。

社会と隔絶されていた男が少女を襲い、自責の念に駆られて自殺したというシナリオが出来上がってしまったようです。

 

目を覚ましたメイに何があったのか、誰に襲われたのか、順を追って話を聞いていくブラウン神父。

クリケットの用具入れにダニエル宛のメモを残したことぐらいしか覚えていないそう。

今はジャックが第一容疑者で彼は自殺してしまったと聞いたメイは、ジャックは優しい人だったと否定します。そして、一度意識が戻って悲鳴を上げた際に見たのは、枕で彼女の息を止めようとした何者かと争った直後のジャックの険しい顔だった、と。

トケイソウがあったのはジャックがメイを再び襲いに来たからではなく、見舞いの花を届けに来た際に出くわした魔の手から彼女を守っていたからだったのです。

 

ジャックの私物の絵の中には、1人の男性が苦悶の表情を浮かべているものがあり、ジャックの死を受けて動揺していたハート副校長の若かりし日の姿だと気が付いたブラウン神父は本人に聞いています。

教師になりたての頃、〈セバスチャン〉という1人の生徒が鞭で何度も叩かれるという酷い体罰を受けている場面を見たのだそう。

責任感を植え付け心を強くするという躾は教育の一環だったはずが、吃音でも芸術家肌だった彼への体罰の理由は、『授業中に絵を描き話すのが苦手』というあまりに些細なものでした。

ハート副校長は、縋るような視線を向けたセバスチャンに何もしてやれなかった事を今でも悔いているようです。

『猫の鞭打ち』と呼ばれる悪名高い拷問器具で両手に鞭を打たれて神経が傷付き、金属の補助器無しには鉛筆も道具も握れなくなったセバスチャンこそがジャックでした。

発音しやすいよう名前を変えたジャックがセバスチャンだとこれまで気付いていなかったものの、デスクに置かれたメモ書きを見て、ここに来て自責の念が湧き上がったきていたはずが、突如開き直りを見せるハート副校長。情緒不安定過ぎます。

釈放されてすぐメイを見舞ったダニエルの愛は本物で、体罰を良しとする教育観の祖父から背中を鞭打たれても会うのは止めないと宣言。

しかしこの宣言で激昂したスコットは、今は使われなくなった『猫の鞭打ち』に持ち替えて自分の孫を痛め付けようとしています。

寸前で躊躇っているところへ入ってきたハート副校長は校長を煽り、規律を重んじるあまり何世代もの間生徒達を恐れさせていた校長が自分の孫だけ特別扱いするのか!と糾弾。

ブラウン神父が追ってきて止めなければ、取り上げた猫の鞭打ちでぶちのめされていたのはスコットの方でした。

異常なほどに暴力で解決しようとする人間はどこまでいっても本質はそのままで、自慢の孫に近付く少女をバットで殴り倒していたのもスコットです。

イベントに備えてクリケットのバットを手入れしていたスコットは、用具入れに入れられた逢引きのメモ書きを見てボイラー室へ。

そこで一切の怯えを見せなかったメイから妊娠を聞かされて思わず殴り付けるってとんでもないじいさんです。しかもメイが回復した事を知って今度は口封じのために病院へ忍び込んでいます。

ジャックに止められ、今度は彼の口を塞ごうと自殺に見せかけて始末。

ジャックの腕を潰した男が、今度は腕の補助器で命を奪うとは……ブラウン神父史上でも歴代稀に見るゲス野郎ではないでしょうか。救いようがありません。

スコットはハート副校長の通報で警察に逮捕されましたが、この男はさっさと絞首台に送ってしまった方が世のためになるような気がします。

このまま校長の座を引き継ぐ事に及び腰だったハート副校長も、若いうちに断ち切れなかった負の連鎖をここで正せると良いですね。

自分自身も体罰を受けてきた事も含めた過去を打ち明けてシーラとより良い関係の一歩が踏み出せたようなので、新生ケンブル・マーダーズ高校の未来は明るいものになりそうです。

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▼次回、エピソード9

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