エピソード1『より良い未来はあなたの手の中に』“A Better Future is in Your Hands”
あらすじ
10代の少女たちが鎖骨にうずきを感じ、手に痛みを覚え指先から突然電気を放出する現象が世界中で相次いでいる。この少女たちの新しいパワーこそ、解放と崩壊の始まりだった。
ネタバレ感想
最近のAmazon originalは女性優位を前面に打ち出した作品が多いですね。これも時代か。
その中でもこちらはかなり女性が強い感が冒頭からアピールされていますが、面白いのはただただ社会派だとか時代の風潮への迎合ではなくて、その女性達が特殊なパワーを持つというSFと絡めているところです。
原作のイギリス出身作家ナオミ・オルダーマン著の文学賞受賞小説『パワー』は、ニューヨークタイムズ紙のベストセラーリストにも選出されていて、世界各国を舞台に繰り広げられるスリラー作品だそうです。
主演は『ヘレディタリー/継承』で怪演を見せたトニ・コレットという事で期待も高まります。
時は遡ること6ヶ月前。
3歳で母親と離れ、里親の元を転々としてきた〈アリー〉は半年間ほど全く口をきかず、トラウマによる場面緘黙症と診断されています。
里親に連れて行かれた教会での軽快な説教の場面で、頭の中から聞こえてきた声がきっかけで自身の手の中に眠る“パワー”があることを悟ったアリー。
里親からの虐待を退けるため、頭の中の声に導かれるように従って〈クライド〉を手の平からの放電で死に至らせた後この家を抜け出しました。
実父の正妻の息子、つまり腹違いの兄の結婚式に呼ばれている〈ロクシー〉は母親と共依存気味?
何をしでかすか分からないようなトリッキーな不安定さのあるロクシーは、傍若無人なギャング〈バーニー・モンク〉の娘で、その血を確実に受け継いでいるかのよう。
表面上は娘として扱われるも、父の会社に入りたいと相談しても体良く断られ、スピーチでは「ようやく私にも娘が出来た」と嫁が来ることを喜んでいるモンク。
やさぐれたまま帰った家で母親と話しているとそこへ2人の男が侵入してきます。
身を守るため必死に抵抗する中で、自分の手の平から出た電気によって大の男が痙攣しながら動かなくなった事に気が付くロクシー。
もう片方の男に殴られ、次に彼女が目覚めた時には首を掻き切られ死んでいる母親が横たわっていました。
息も絶え絶えに二次会の会場に辿り着きモンク家に保護されるロクシーですが、あの男達はモンクの差し金ではなかったのでしょうか?やらせたのはモンクでも母親だけが狙いでロクシーがあの場に居たのが誤算だっただけなのか、それとも対抗勢力による襲撃だったのか。
SNSを徘徊するいかにも今時の10代女子な〈ジョス〉も、〈マーゴット市長〉へのアンチコメントを書き込んだ直後に指先からの放電を感じたり、学校のロッカーでも自分から発せられる電気の存在と鎖骨の違和感に気が付いています。
そんなジョスの様子に気がついて話しかけてきた旧友もまた少し前に“パワー”を自覚したらしく、彼女のアドバイスで力の解放させ方を少しずつ習得する感じ。人1人簡単に殺せてしまうというのもそうですが、辺り一帯を停電させられるほどの力はなかなかです。
裕福な家の息子で、ジャーナリストを目指している〈トゥンデ・オジョ〉はちゃらんぽらんな若造といったところ。
ジャーナリスト仲間の〈ンドゥディ・オカファー〉から、黒魔術“ジュジュ”でパワーを呼び覚ますことを目的とした、女子だけのジュジュ集会に誘われた友人の話を聞いて、詐欺かどうか確かめるべく潜入して隠し撮りするつもりだと聞いています。
どういう関係なのか、〈アドゥノーラ〉に誘われるがまま手を出そうとしたところ、彼女の手からの電気ショックで尻に痛みを感じたトゥンデはその後放電現象について調べるうちに、ジュジュ集会の事を思い出し、自分も潜入してみようと考えます。
わりと堂々と潜入して隠し撮りしていたトゥンデは女性達に見つかってしまい、スパイ容疑をかけられ容赦なく電気ショックを放たれてしまいました。しかし、トゥンデを庇ったンドゥディに電気があたり、ガクガクと痙攣しながら倒れます。
どうしていいか分からず狼狽えて助けを求めるトゥンデに対し、集会に参加していた女性達は蜘蛛の子を散らすように逃げ出していて、ンドゥディはどうなってしまったのか。
基本的には怒りを抱えた少女達が、その感情の昂ぶりによってパワーを発動させている感じでしょうか?
電気ウナギと同じ仕組みなのか……(笑)
群れになると“パワー”を最大限に発揮させるらしく、力を持つ少女達が一堂に介して何をしでかすのか。世の中が大きく変わっていきそうです。
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▼次回、エピソード2