エピソード8『箱』“The Box”
あらすじ
果たしてドーンは真実を探り当て犯人を止めることができるのか?それとも最後の犠牲者となってしまうのか?
ネタバレ感想
ドーンに追い払われた怒りとショック、そしてドノヴァン殺しの罪悪感や恐怖で極限状態になったエドマンドの元に赤毛の悪魔が現れ、自分に全てを委ねればいいと唆し、エドマンドはそれに応えるかのように自分の首を掻っ捌いて自害しておりました。
韓国人姉妹が被害に遭ったのは、スヨンとソヨンがただの姉妹ではなく双子の姉妹だったからで、ベニーが狙われたのは自分の境遇と同じく兄弟の片方だけが国に帰されて手元に残された側の選ばれた子だったから。
ドーンはこれを踏まえて、エドマンドがなんとか自分たちの物語を伝えようとしていたのだと考えます。
始まりはモット家で、まずは自分たちのルーツでもある里親の元へドーンを導いたことを思い出し、状況を再現するように再びモット家に足を運ぶドーン。
そんな彼女の様子を見張るマッキニーとディアス。ディアスがいるということは悪意の尾行ではなく見守っているということでしょうか?
モット家のダイニングの壁にあったはずの星形の壊れた時計やクローゼットにあった四角い跡はなくなっています。
ドーンが現場検証で見ていた光景は3歳までの頃にこの家に居た記憶の中の映像だったのか?
ここまで見ていると、犯人は本当にドーン自身で無意識のうちにエドマンドの人格と入れ替わって連続殺人を犯したと言われても不思議ではありません。
更にディアスの協力で、エドマンドが死ぬ前に殺人を犯していたことを聞き、証拠品として押収されていたビデオテープを再生するドーン。
そこに写っていたエドマンドを見てようやく2年前に家に来た男が双子のきょうだいだったと思い至りました。
再生したビデオの中には悲痛な叫びを上げるエドマンドが映っており、これまでドーンに対する恨みつらみだと思われた呪詛はモットに対するものでもあった?これはまんまとミスリードされました。
クローゼットの隅の四角い跡は、里子時代にモットから受けた仕打ちの痕跡のようで、モットの殺され方を見るに、大方狭い空間に何時間も閉じ込められていたのでしょう。
マッキニーに銃を向けられるドーンは投降するなり殴り倒され、理不尽な暴力に今度はディアスがマッキニーに銃を向けて制止します。
しかし、躊躇のないサイコパスにかなうはずもなく肩を撃ち抜かれ、必死のドーンは予備の銃を出し揉み合いになった末にマッキニーを撃ち殺しました。
幸いにも致命傷ではなさそうなディアスに助けだけ呼び、急いで家族の元へ帰るとツアーを取りやめて飛んできてくれていた元夫がバキバキに壊れた階段の手摺りの上で倒れているではないですか。
テレビからはケルヴィンの叫び声が聞こえてきます。次に映った赤毛の男から誘われるようにして再びモット家に踏み込むドーン。
そこで幼い無垢なエドマンドと過ごす過去の記憶を見ることに。
更にその前の双子が実母からモットに託されたシーンで衝撃の事実が明らかに。なんと2人の生みの親は、シーズン1で悲惨な体験をした家族の、黒人コンプレックスからおかしくなってしまった長女エモリーだったのです。なんとここに来て話が繋がるとは。そして何というか負の連鎖。アンディ人形も、この時にエモリーから2人へそれぞれ渡されていたものでした。
やはりクローゼットの四角い跡は、小さな箱に南京錠をかけてモットがドーンを閉じ込めるのに使っていたもので、この拷問のような仕打ちからエドマンドはドーンを助けていました。
再び家族になって一つになろう、と文字通り悪魔の囁きをするエドマンドに対し、忘れていたのはそうさせられたからで、あなたは私の親友だった、愛してる、とドーンがエドマンド自身を認める言葉を告げる度に赤毛の肉体はバキバキに。
最後にエドマンドの姿に戻り、無事に彼の魂は救われたのでしょう。
ケルヴィンも無事でクローゼットから見つかり、最愛の息子だけは守れた、と。ただここまでの負の連鎖からするときっとケルヴィンもまた将来的に同じ轍を踏みかねないという恐ろしさも。
ドーンは持っていたボイスレコーダーでマッキニーの暴挙を全て録音しており、内部調査でも正当防衛が認められました。ついでにベニーの件までうやむやに終わった感はありますが。
そして連続殺人の容疑者と特徴が一致する赤毛のマッキニーが死んだのをいいことに、全ての罪を背負わせそうな腐敗し切った警察に見切りをつけるドーン。
半年後には元夫との関係も良好になり、家族三人で食卓を囲んでいる様子が。
しかし、母親が残した箱の中に入っていたエドマンドと自分が映る幼い頃の写真の下に張りたててあったエモリーが家族と映る写真を見つけたと同時に忍び寄るブラックフェイスの影。お前まだおったんかーーーい!
考察しがいがあるというか、監督や脚本家のインタビューでもあれば是非見てみたい……!
最後の最後でシーズン1と繋げてくる演出も良かったです。冒頭の予想通り、シーズン1を超える面白さでした。
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▼次回、S3エピソード1