エピソード1『水面下』“Under the Surface”
あらすじ
母の日、エリザベスのために集まったバクスター家の子どもたち。エリザベスはカーリたち夫婦の異変を感じ取り、不安を募らせる。
ネタバレ感想
家族ものということで、『THIS IS US』や『ウィズラブ』のような感じを期待してしまいます。人気作家カレン・キングズベリーのベストセラー作品が原作だそうで、最近のアマプラオリジナルはこの手の映像化が多いのでお決まりな感じ。
母の日を祝うために集まったバクスター家の面々はいかにも絆が強そうな家族です。
〈エリザベス〉と〈ジョン〉夫婦には5人の子ども達がおり、女医の長女〈ブルック〉、愛情深い次女の〈カーリ〉、信仰心薄めな三女〈アシュリー〉四女〈エリン〉、そして4人の姉を持つ末の弟〈ルーク〉の5人姉弟。
“信仰が試される時忍耐が生じる”
序盤から聖書の引用が入っているあたり、宗教観濃いめのドラマなのかもしれません。
祝いの席にはエリンの夫〈サム〉と、ブルックの夫〈ピーター〉は来ておりましたが、カーリの夫である〈ティム〉は学会で来られなかった、とのこと。
ティムというのが、大学で講義をしていた〈ジェイコブス教授〉のことで、彼は教え子の〈アンジェラ・マニング〉と不倫関係にあり、2人の仲を知った〈ダーク〉と名乗る他の受講生が匿名でカーリに電話をかけて夫の浮気を明かします。
不審者からの電話だとパニックになったカーリは夫を疑うことなく学会開催先のホテルに電話をするも、ティムが宿泊していないことが発覚。
妻がようやく浮気を疑い始めたレベルなのに対し、義母にあたるエリザベスは霊感でもあるのか2人の雰囲気が変わった気がすると言って娘の写真を撫でながら心配を吐露しており、恐怖すら感じる洞察眼です。ティムのカーリを見る眼差しがどうとか。
電話で言われたアパートに向かってみると本当に夫が居たと分かり、信じられないといった様子で責め立てることすらせずパニックのままその場を後にしたカーリ。のっけから泥沼展開ではないですか。
出会いは7年前。大学内で行われていた聖書の勉強会で出会ったカーリとティム。
勉強会のリーダー的存在だった講師のティムと、新入りのカーリはすぐお近づきに。聖書の勉強会の参加理由は失恋でもいいのか。
一度自宅に戻ってきたティムは家を出るための荷造りをし、意を決してバスルームから出てきて「あの女が好き?」と尋ねたカーリに「あぁ、愛してる」とオーバーキル。その上で「傷付ける気はなかった」だなんてどの面下げて言えるのか。そもそも、信仰心が強いはずなのに不倫とはかなりの罪なのでは?
そして、この夫婦には待望だった娘を失ったというややありがちな暗い過去もあるようです。この期に及んで自分達は幸せになれると言って教会での催し物にティムを誘うカーリもホラーです。大丈夫か。
「君はいつも仕事と教会のことばかりで、そうでない時はバクスター家の夕食会だ」ととうとうティムも不満を爆発させております。絆が強過ぎる家族が枷になる、その環境で生まれ育ったわけでもない他人が感じる疎外感が鬱憤の原因になるというのはかなり納得できるものがあり、一気にティムへの同情が高まってしまいそうです。
離婚を突き付けられ出て行かれたタイミングでカーリに妊娠の兆候が見られているのが気になるところ。
ほとぼりも冷めないうちにすぐさま母親に電話をかけて実家に帰り、自分の家族の前で「ティムが浮気してるの、相手は学生よ」と泣きながら訴えるカーリにも、それを聞いて「殺してやりたいわ!これは娘と家族への裏切りよ」と当然のように言える母親にも少し違和感を覚えてしまいます。『娘への裏切り』なら分かるけれど自分達全員を裏切ったという表現がいかにもな感じ。
浮気をされて離婚したいと言われたにもかかわらず、カーリ自身が頑なに離婚する気がないと永遠の愛に固執していることはバクスター家の中でも「おいおい……」といった反応か見られたのには多少安心しました。
妹のアシュリーから離婚すべきだと言われても頑なに認めないカーリですが、ここに来て2人が出会って付き合うことになったきっかけでもあるカーリの元カレ〈ライアン・テイラー〉の存在も浮上してきて、さらなる泥沼展開か……?
この話のせいでカーリがアシュリーの地雷を踏み抜き、「アートを追求する」と言いながら仲間とつるんで息子の〈コール〉を預けっぱなしだと責め立てております。訳アリ×訳アリな姉妹なわけですか。見かけによらないとはこういうことだな。
そして、アメフトのコーチとして街に戻ってきていたライアンとアシュリーの方が再会し、アシュリーはカーリが最低な夫に浮気されて落ち込んでいると話してしまいます。「話すべきじゃないとは分かってるけど、姉の最悪の状況の時にあなたが現れたのは神の思し召しかも」とのこと。まぁ、確かにな、とも思うし、実際浮気夫に病的に固執するよりかは特別な存在だった元カレと引き合わせた方がマシなのも分かります。それにしても誰も彼も口を開けばとにかく祈りや神の話ばかりで、実際の信者も日常的にこんな感じなのでしょうか?
カーリにバレてしまった以上、隠す必要がなくたったとこれまでの抑圧から解放されたいアンジェラと、全てをきちんとしてから話すから待ってくれと浮気男が言いがちなセリフでブレーキを踏むティムの関係も長くは続かなさそうで不幸の上塗りになりそうな気配がムンムンしております。
ダークはヤバい薬に手を出しており、アンジェラへのストーキング行為も薬の影響なのか、元々サイコな性質なのか。
今後どういう展開になるのか、予想だにしなかった展開にもなり得そうな期待があり、それはそれで楽しみです。
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