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映画感想≫≫En man som heter Ove 幸せなひとりぼっち

幸せなひとりぼっち(字幕版)

幸せなひとりぼっち

あらすじ

孤独な老人が隣人一家との触れあいを通して再生していく姿を描いたスウェーデン発のヒューマンドラマ。世界的ベストセラーとなったフレドリック・バックマンの同名小説を映画化し、スウェーデンで大ヒットを記録した。

愛する妻に先立たれ、悲しみに暮れる孤独な毎日を送っていた老人オーベ。そんなある日、隣の家にパルバネ一家が引っ越してくる。車のバック駐車や病院への送迎、娘たちの子守など、何かと問題を持ち込んでくるパルバネたちにうんざりするオーベだったが、次第に彼らに心を開くようになり、やがて妻との思い出を語りはじめる。

「アフター・ウェディング」のロルフ・ラスゴードが主人公オーベを好演。スウェーデンアカデミー賞と言われるゴールデンビートル賞で主演男優賞と観客賞をダブル受賞した。

ネタバレ感想

なかなか見る機会のないスウェーデンの映画。頑固な偏屈爺さんの終末にスポットがあてられた作品です。

〈オーヴェ〉は、最愛の妻に先立たれ彼女の後を追おうと首吊り自殺をしかけるのですが、そこへ隣人一家が越してきます。

神経質で何より秩序を重んじるオーヴェは、隣人の騒がしさと違反に我慢ならず首にかけたロープを外して文句を言いに行きます。

それからというもの、何度自殺を企てても結局邪魔が入り、なかなか奥さんの元へは行けない日々が続きます。

やや図々しい隣人に嫌味をぶちまけながらも、結局手を貸す事になってしまうあたりに根っこの親切さが垣間見え、交流が深まるにつれていつもしかめっ面で怒鳴り散らすしかしなかったオーヴェにまさかの笑顔まで出て来るのです。

彼が心を閉ざした大きな原因はやはり妻の死ですが、彼女が死ぬよりも前にも大きな人生の苦しみを体験しており、時折挟まれる回想で少しずつピースが埋まっていきます。

何度も何度も逝き損なった彼の最後はあまりにも呆気なく、それでも孤独に包まれていた老人が、今や誰かに手紙を書き残すという行動を自然と取っていた事に安堵感を覚えました。

自分を認めてくれた人だけでひっそりと静かな葬儀を言い遺したオーヴェでしたが、最後の最後にはお隣一家との交流を経てこれまで煙たがられていたご近所さんとの仲も良好になっていたのだな…とホロリとくるようなラストになっております。

「人間は誰しもいつか死ぬ」という儚さが前提にあるからこそ、どこか温かい気持ちで見終わる事ができるのかもしれません。

評価(平均点高めの設定です。)

  4.2 /5 点!

幸せなひとりぼっち (ハヤカワ文庫NV)

概要

監督:ハンネス・ホルム

時間:1時間56分

配給:アンプラグド

公開年:2016年

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