
エピソード9『ラスト・コール』“Last Call”
あらすじ
挙式当日の出来事の後、ベリーは、将来を一変させる大胆な冒険の旅へと出発。一方ジェレマイアはコンラッドとの関係に苦しみ、自分の置かれた状況を受け入れられないでいた。
ネタバレ感想
結局ベリーは、後ろ髪を引かれながら空港で見つけたコンラッドに声は掛けずそのまま搭乗。
僅かに遅れて搭乗ゲートの方を見たコンラッドとは綺麗にすれ違う形となりました。
そして、コンラッドにはアダムから電話があり、2人が結婚式を取り止めにしたことを知るのもこのタイミングかぁ。
父親からジェレマイアのメンタルケアを頼まれたコンラッドですが、ジェレマイアからしたらコンラッドの存在がそもそもの元凶なので今ジェレを慰めるには一番適さない相手です。
責任感はバカみたいに強いコンラッドはカリフォルニア行きの便には乗らず、空港から引き返してジェレマイア達がヤケ酒をしているバーへ。
せっかくテイラーとスティーヴンがいい感じになった際の話の続きをしようとしていたところにコンラッドの姿を見つけ、それどころではなくなってしまいました。
店の外でジェレマイアが気付く前に追い返そうとするステイラー。さすがに“ハゲタカ野郎”は言い過ぎだろ、スティーヴン……。
テイラーから諭され、ようやく今ジェレマイアに会うことは得策じゃないと納得したコンラッドは、「弟に何か食わせてくれ、断られてもチーズバーガーを」と頼んで、とりあえず今夜はサマーハウスに帰りました。
あのテイラーが、「ベリーから連絡があったら知らせる」とコンラッドに優しくしたのが少し意外です。常にベリーの味方のテイラーがこの言動になるというのは、やはりベリーが真に望んでいた相手はコンラッドだと思っている部分があるからでしょうか?
約束通り泥酔中のジェレマイアにはチーズバーガーを食べさせ、夜通し面倒を見るステイラー。
飲んだくれた矢先、まだやり直せるかもと言い出してベリーに連絡しようとするのを止めて寝かしつけるのですが、「ベリーが戻ってきたら起こしてくれ」と言うジェレマイアはさすがに不憫です。
その頃ベリーは既にパリ行きの機内で、「私は大事な人を傷つけた。考えつくのはみんなから離れることだけ」などと考えており、相変わらず勝手だよなぁ。
自分を罰するためかのような口ぶりですが、行き先は念願のパリというのがベリーらしい。
入国審査でポーチからパスポートを出した際に、恐らくスティーヴンからのお祝いで貰ったエアタグが落ちてどうにか見つけて拾えましたが、機内で外してポーチに入れておいた婚約指輪ではなく…?
留学にしても、一度は辞退したけれど枠がまだ残っていると知って来たから学生ビザはないって、それは正規の手続きを踏んでいない以上観光旅行にしかならないのでは?
親友のテイラーだけでなく、あれだけ仲違いしていたのに参列してくれた母親にすら連絡もしていないようですし、毎度毎度、見れば見るほどベリーの嫌な部分が目に余るようになるこの現象は何なのか。
一応、“国際学習機関”に行き、留学の登録を済ませようとするも、受付の人から空き枠はもう譲られたことを聞かされます。
昨日電話で確認をした職員〈アントナン〉は更新されていない先月のデータを見ていたらしく、また来年申請してくれと言われて話が違うと騒ぐベリー。
「でもまさか期待だけで来たんじゃないですよね?」という受付女性の言い分はもっともな気がします。留学って空きがあるからと言って、何の手続きもなしに自動的にその空きが自分のものになるようなものなのですか?
考えが甘過ぎたベリーは門前払いされ、結局困った時はママに泣きながら電話をするという前にも見たパターンです。
ただ、切羽詰まってどうしていいか分からなくなっただけにしろ、さすがにローレルに連絡を入れたのはナイス判断。
「空港でパリ行きの便を見たら私にはパリしかない気がしたの。でも実際に来てみたら何もなかった」と泣きながら話し、帰ってくるよう言われてもフィンチ大にはとても戻れない、と。
翌朝、寄り添ってソファーで眠るスティーヴンとテイラーを見ると、ようやくこの2人が幸せになれる気配がしているというのに、ベリーからの着信もなく、やさぐれているジェレマイアにとってはとんでもなく苦々しい光景だろうな、と手放しで喜べません。
ローレルも本当は新婚の2人が泊まるはずだったホテルに訪ねてきて、ジェレマイアのことを心から心配していますが、元々反対していただけに「ハッピーだろ?」とまで突っかかって門前払いしようとするジェレマイア。
ローレルの後ろで、軒先にあるロッキングチェアが1脚だけ揺れているのがとても気になりました。
スザンナがそこで見守っているかのように感じますが、意図的な演出でしょうか?
ジェレマイアの着替えを取りにサマーハウスへ行ったスティーヴンは、そこで今まさに着替えと弟の二日酔いの特効薬である赤のゲータレードを届けに行こうとしていたコンラッド。
コンラッドの荷物を奪い、「自己満足か。この件はお前自身が問題なんだ。何故告白なんかした?」と手厳しいスティーヴン。
タイミングは悪かったにせよ、気持ちを伝えただけなのに、あまりにもコンラッドが可哀想になります。
そもそもコンラッドへの気持ちを胸に秘めていたのに、その弟からのプロポーズを受けたベリーには誰も怒らないのが納得いきません。
ベリーは街中でフラリと入ったカフェで、支払いに席を立った隙に指輪が入ったバックパックを盗まれてしまいます。
どう考えても不用心過ぎる行動で、席を立った時点でこうなる事は分かり切っていたのに……。
何にせよ、踏んだり蹴ったりのベリーですが、バッグで流れる曲調がえらく軽快なので悲壮感はなし。
エアタグのおかげでリュックの後を追えるのが不幸中の幸いです。
エアタグだけを追跡して、相当治安の悪そうなエリアに1人で乗り込んでしまうのも考え無しなんだよなぁ……。
辿り着いた先はどうやらクラブの入り口で、ナンパに迷惑していた〈ジェマ〉を助けたことでベリーも合言葉が必要な中へ進むことができました。
自分のリュックを背負う男を見つけて声をかけるもハイなのか全く相手にされず、思わず蹴り倒すベリー(笑)まさかの武力行使で取り返しました。
ゲータレードで結婚式をぶち壊したことを帳消しにしようとしているとブチ切れのスティーヴン。
「高校時代に付き合って結婚直前になって突然ベリーに……」と昂るスティーヴンとは対照的に、テイラーは「ただの高校生の恋愛とは違う。2人の絆は壮大で永遠に続く運命的なもの」とコンラッドを擁護。
2人が付き合ってたのは4年前の話で昔のことだという言葉に歯切れが悪くなったのを見透かされ、とうとうクリスマスにベリーとコンラッドには何かあったみたいだとスティーヴンに話すテイラー。テイラーは嘘がつけない性格ですぐ顔に出るところも含めてある意味信用できます。
そう言えばスティーヴンはカボ事件のことも知らなかったのか……!
浮気事件を聞いて「この24時間慰めてたあいつが妹を裏切ってレイシー・バローンと?レイシー・バローンって誰だよ!」とまた怒りが爆発するスティーヴン(笑)スティーヴンはいつも全力な上にシスコンなんだよなぁ。
結局、自分達2人の話に方向転換し、テイラーは「ヨリを戻すなら話しておきたい」と前置きしてスティーヴンが病院で目覚めた時に自分たちの関係について不毛だと言って突き放したのに何で急に復縁する気になったのかを訊ねます。
「突き放したのはお前だろ?死にかける前の最後の記憶はお前が車から降りる姿だ。そんなお前が好きだ。大事な人のためなら駆け付け、暴言を吐く親友に説教する。友達のためには必死なのになぜ俺には違うんだ?」
泣きそうになりながら駄々を捏ねる子どものように本音でぶつかるスティーヴン。
それでいて兄貴らしさも健在で、「でもこの数日は親身になってくれた。俺たちが恋人同士になっても続けてくれないか?」と頼みます。
テイラーもこれには「試してみたい」と応えて、ようやく2人は本格的に前に進めそう。
テイラーの穏やかな表情が全てを物語っております。結婚しろ!
リュックを取り返してクラブを出たベリーは、ジェマの恋人や友人と飲みながらこの36時間に起こったフィッシャー兄弟との大騒動を赤裸々に語ったようです。
「兄貴の方とはどうなの?あなたのために人生を投げ打ったのに」
率直な意見でかなり納得の反応ですが、子どもなベリーは「私が頼んだわけじゃない」と言い放ち、気が強過ぎる反応がややウケています。えぇ……??
しかもここに集まったベリー以外の4人が揃いも揃ってクズの集まりで、これが類は友を呼ぶというやつか?
勲章のように話していますが、複数の既婚者と関係を持ったりビザ目当てで結婚しようとしたり、お婆ちゃんに貰った学費を画材に使い込んだりとロクデモナイ集団ではないですか(笑)
ローレルに言われた通り、母親のカードで帰りの便を取っていたのに、「パリに残ったら?留学の枠がなくたってその気になれば方法は見つけられる。帰ってもいいことなんかないでしょ」と唆されて、うっかりその気になるのかと思いました。さすがにそこまでではなくて良かった。
空港行きのバスの中でジェレマイアに電話をかけるベリー。
ジェレマイアは明らかにまだ復縁の可能性があるのではないかと期待しているのに対し、ベリーの方はその気もないのに結婚式直前にドタキャンになった相手と話すようなテンションには思えない態度で、こりゃジェレマイアが薄ら期待してしまうのも分かります。
あなたを傷つけたくない、私はこの夏で変わってしまった、あなたなしで新しい自分を見つけようと思う……いやいや、結局パリに残るんかい!!それ、空港行きのバスちゃうんかーーい。
ベリーもベリーですが、もう復縁してくれるルートがないと分かるや否や、「分かった、好きにすればいい。二度と電話するな」と一方的に電話を切るジェレマイアもジェレマイア。精神年齢の面では相当お似合いの2人だったのかもしれません。
サマーハウスに帰ったジェレマイアはもちろんコンラッドにも挑発的な態度で、この期に及んでまた「ベリーがパリにいるって聞いた?兄貴には電話なかった?俺だけか、嬉しいな。俺から伝えられて嬉しいよ、パリに残るってさ。戻らないそうだ。ここにいても無意味だぞ、ベリーは俺も兄貴も選ばなかった。だからカリフォルニアに帰れ。二度と戻ってくるな」と兄を傷付けることに全力を出しています。ベリーへの態度に続き、兄にもこの言い種。ジェレマイアにはモラハラ気質を感じるのでやはりあのまま結婚しなくて良かったと再確認。
いやぁ……コンラッドの役者さんもですが、ジェレマイアの役者さんもかなり演技が上手いのか?まんまとめちゃくちゃ腹が立ちます(笑)
コンラッドの方もよほど限界だったのか、嫌っている父親に対して今回の婚約破棄の原因は自分がベリーに愛していると伝えたことが発端で、もうどうしたらいいのか分からないし耐えられない、と相談。
コンラッドのことは責めず、「少し距離を置け、それしかない」という意外と真っ当なアドバイスをするアダム。
というのも、スザンナが死んだ時に自分がコンラッドから同じように元凶の敵とみなされた経験から、それでもコンラッド自身が周りの人たちを頼ると信じてそうなったし、ジェレマイアもきっとそうするはずだ、と言えるのです。
カリフォルニアに帰るコンラッドと別れ、1人佇むジェレマイアには寄り添いハグして今まで見せなかった父親らしさが見えるようになってきたアダム。今まで散々アダムの嫌な面ばかり見せられてきたので今更遅いとも思いますが。
正直周りの人たちのためにもさっさと帰るべきでしかないのに、あまりにも無計画にパリに留まる選択をしたベリーにいい加減腹が立ってしょうがない9話が終了。残り2話となりました。
パリでのすったもんだは脚本上本当に必要なのでしょうか?
パリに残るにしても、つるむ相手は考えないとまた変なトラブルに巻き込まれかねません。
そこでコンラッドがパリにベリーを迎えに行くのか?このままあっさりコンラッドに乗り替えるのは心象的によくないとしても、パリである必要ありますかね?う〜ん……。
唯一、スティーヴンとテイラーが真剣交際に踏み出したのだけは良かったです。
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▼次回、エピソード10


