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海外ドラマ≫≫The Summer I Turned Pretty 私たちの青い夏 シーズン3 11話ネタバレ感想

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エピソード11『アット・ラスト』“At Last”

あらすじ

すべての道がパリへとつながる、大注目のシリーズ最終回。主人公ベリーの22歳の誕生日は、懐かしい人物がお祝いに現れたことで思いがけない展開に。ベリーは、置き去りにしてきたと思っていた人生と向き合わざるをえなくなる。

ネタバレ感想

いよいよ最終話。

とうとう行動を起こしたコンラッドがパリのベリーのアパートを訪ねて来ました。

呼び鈴を鳴らしても不在で、しばらく道に座り込んで帰りを待っていたところに、バイクの後ろにベニート?を乗せたベリーが帰ってきます。

声を掛けようかと腰を上げたところで、親密そうな2人のやり取りを目撃することになるコンラッドでしたが、このまま怯んでしまいそっと引き返さなくて良かった……。

長かったロングヘアーをバッサリ切ると共にフィッシャー兄弟を断ち切ったとでも言わんばかりのベリーですが、そんな簡単な絆ではないと信じたい。

しかも明日はベリーの誕生日という日ですよ。ベリーの方は予定が入っているようですが、8時までなら空いているということで、それまで2人でパリ観光をすることに。

コンラッドの押し付けがましくなさは美徳の域な反面、押しが弱すぎてどんな想いでパリくんだりまでやって来たかほとんど伝わっていなさそうです。

やや塩対応に見えたベリーも、一旦アパートの部屋に荷物を置きに入って一人になるとかなり動揺しているし思わず口紅を塗り直してしまうほどには意識しまくりで、しめしめという感じ(笑)

パリ観光では名所そっちのけでベリーにばかりさり気なく視線を向けるコンラッドと、その視線に多少気付いていながら何でもない顔を作るベリー。オー・シャンゼリゼのBGMをバッグに2人にしか出せない空気感で時間が過ぎて行くデートシーンが最高ではないですか。

ひと通りの観光名所巡りが終わってリクエストを聞いたところ、「俺…いつも想像してたんだ、ベリーの生活を。だから、だから何でもいいけどできたら…ベリーが見てるパリを見たい」なんて殺し文句もいいところなのでは?

ベリーはパリに来た時によく足を運んでいたビルの屋上にコンラッドを案内し、「ここからパリを見渡したら目の前が開けたの。すべてが完璧に調和していて感動した」と抽象的ながらベリーにとっては大きかったであろう出来事を語り、それに曖昧な賛同で返すでもなく、食い気味に「人体と同じだ、1つ1つの臓器を理解しようとしても無理だけど一歩引いて見ると…すべてが連携して機能してるのが分かって納得できるんだ、奇跡みたいだよ」と同じくらいの熱量で自分なりの言葉を紡ぐコンラッドはさすが。こういう感性的な部分がジェレマイアとは違うところでしょう。

こうやって嬉しそうに語るコンラッドは10歳の頃のように見えたらしく、それってつまりベリーが一心不乱に想っていたあの頃のコンラッドを彷彿とさせるということでよろしいですか?

正直、行き当たりばったりで無鉄砲にしか感じないベリーの性質を「ベリーはタフだから絶対に挑戦から逃げない。自分との闘いならなおさら闘志を燃やす。パリにいようがへこたれるもんか」と全肯定してくれるコンラッド

友達が誕生日の前祝いをしてくれるから時間が大丈夫なら8時からも一緒に来るかと誘うベリー。「みんなに旧友を紹介したい」というセリフが引っかかりますし、ベニートが居るのかどうかも不明で、最終話にきてまでコンラッドが傷付くところは見たくないのでベリーがさっさと目を覚ましてくれることを願うばかりです。


ジェレマイアのシェフとしての今後のキャリアに関わるディナーイベントが行われるらしいのですが、裏方を取り仕切っていたテイラーが、「独立のための資金調達がようやく上手くいったけれど、カリフォルニアへ引っ越すことが条件」だとデニースが話しているのをうっかり聞いてしまいました。

ティーヴンからは何も知らされておらず、当然ブチ切れ状態のテイラー。

並行してイベント会場のバーが水漏れで使えなくなり、急遽サマーハウスに変更することになるのですが、その後もハプニングが続いています。

サプライズで来たアダムは相変わらず息子の気持ちなどお構いなしで、結婚式でダメになったシャンパンを「無駄にしたくない」と手土産に持ち込む始末。

ティーヴンとテイラーの仲はややこしいことになっていますし、「ここは呪われてる」と卑屈になり始めたジェレの心の支えは今やデニースだけ。


ジェマ達のいるパーティーコンラッド同伴で向かったところ、「驚いた、もう次の男?」という言葉が出ました。ベニートと別れていたのか……!

その割にベニートはパーティーにいるし、やたらと親しげな距離感だし、飲みの場に移った後は「パリに何しに来た?」コンラッドに突っかかっており、本当に別れているのか怪しいのですが、周りは「フラれた八つ当たりよ」と気にしていないし本人の口からも1ヶ月半前に破局していたことが分かりました。それはそれで噛ませ犬過ぎるだろ(笑)

ベリーがブリュッセルで学会があるから仕事のついでだと助け舟を出すも、コンラッドはベリーに会いたかった気持ちを誤魔化すことなく、ブリュッセルと近いから来たんじゃない。毎年彼女の誕生日はカズンズで祝ってたんだ。だからカズンズを思い出せる物を届けたかった」とストレートに話します。

コンラッドって初対面の人間ばかりのアウェーな場でこんなに饒舌にお喋りできるんですね。意外です。

 

パリナイズされていてやたらと良い女風な雰囲気を出しているベリーはちょっとアレな感じですが、かつてベリーがコンラッドに向けて言ったマリファナは脳を破壊する」という言葉をしっかり覚えていて、そっくりそのまま今のベリーに返すコンラッドを見ていると、多少ベリーがいけすかない感じになっていようがどうでもいいから結ばれてくれと思わざるを得ません。

 

もはやベリーへの気持ちを隠す気はなさそうなコンラッドは、“カズンズを思い出させる物”として持ってきていた、離れていても故郷や皆を身近に感じられるビーチの砂を渡しました。


自分抜きで大事なことを決めていたスティーヴンに怒るテイラー。

ヒステリックに怒る彼女をなんとか宥めて「ちゃんと話そう、頼むよ」と言えるスティーヴンはやっぱり良い男ですし、自分でも行くか決めていないから話せなかったというスティーヴンに「行かなきゃ、あなたの夢でしょ」となんだかんだで後押しできるテイラーも良い子なんだよなぁ。

一緒に来いと言えなかった理由は、テイラーが自分のために何かを諦めてほしくない、足を引っ張りたくない、という気持ちからだそうですが、この辺りの考え方は優し過ぎましたね。

テイラーはいつだってブレずに自分の軸があり、PR業界で成功したいという気持ちを捨てるわけでもなく、サンフランシスコでも活躍できると自分を信じていますし、スティーヴンが望むのなら、一緒に行きたいという気持ちがあるのです。この気持ちを伝えられるようになっただけでテイラーは1年で相当な成長をしております。

ティーヴンもテイラーの本音と覚悟を聞いて「お前を愛してる。死ぬほど愛してるんだ、お前のいない人生なんて考えられない。これは運命だ」と言い切って和解。

うっかりお互いの人生のためにとかいう陳腐な理由で別の道を進むなんて言い出さないのが素晴らしい。


安易にデニースの相手が空いているしくっつけばいいとは何話か前の感想で書きましたが、まさか本当にジェレマイアとデニースがデキるとはなぁ。

でも、末っ子気質でやや不安定な所のあるジェレマイアに姐御肌なデニースはかなり良いと思います。

今となっては余り物同士に見えない爽やかさがあって万事解決ではないですか。

いきなり遠距離になるところからのスタートですが、収まるところに収まった感があります。

たとえ外見の話でも、医学生の兄に劣等感を持ち続けるジェレを「10点満点」と評価してくれる存在が彼には必要なのです。

 

仕送りを止められてからあまり会っていない様子のアダムからも誇れる息子として認められたのもジェレマイアにとってはかなり嬉しかったことでしょう。


帰り道、ベリーからもう一ヶ所付き合って欲しいと誘われたコンラッドは、ベリーが好きなパリの街並みをバックに「踊らないか?」と誘います。ダンスをするのは2人にとって苦い思い出のプロム以来。

あの頃の自分はわがままだったと振り返るベリー。こうしてベリーが考え方を変えられているのは、パリでの自立があってこそ、ということか。

葬儀でのベリーの暴言も笑って話せるようになっていますし、ベリーは慣れない土地でコンラッドからの手紙を心の支えにしていたことを打ち明けました。

「でも返事はなかった」

「前に進むため。過去を手放すためにあなたから離れたの」

「進めたの?」

返事の代わりにコンラッドにキスをするベリー。

はぁ〜〜、思っていた感じとは真逆でしたが、確かにコンラッドが迎えにきてベリーが絆されるのを待つよりも、コンラッドを遠ざけようとすればするほど想いの深さを身に沁みたベリーから我慢できなくなるという方が説得力はあります。

なるほどなぁ、いやぁ、もう、本当に。良かったことには間違いない……んですよね?

こんな濃厚ラブシーンになるとはと思う反面、これまでの反動で本能のままに求め合う姿も、「ずっとこの日を夢見てた」と囁くコンラッドも、情事が終わればすっかり幼い顔付きに戻って「昔、誕生日にはあなたが欲しいと願ってたの」と話すベリーも、我慢してきたものを爆発させたわけです。

ただ、パリには自分なりの生活があるからコンラッドのためには変えないと言い、コンラッドもそれでいい、変える必要はない、とな?

雲行きが怪しくなって参りました。

結ばれたかと思いきやコンラッドを突き放しにかかるベリー。

「今のこの状態、何だと思う?あなたは突然私の誕生日に現れた。どういうつもり?」

「何も考えてなかった。ただお前に言いたかった、“愛してる”と」

「それで?」

「ベリーがまだ俺を愛してるか知りたかった。どうなんだ?」

「ずっと愛してる。それが問題なの」

「何の問題もない」

「これが本当に自分たちの望みなのか分かる?」

「俺のベリーへの愛は6歳の時母さんが望んでいたからだと?」

「そうじゃない、私たちが付き合ったのは…スザンナの病気が再発したからじゃない?でなきゃあなたはアメフトの合宿で私に見向きもしなかった。スザンナを失わなくてもお互いを思っていたかな?あなたが私を愛してるのがスザンナのためだったら?」

「それが理由じゃない。ベリーを忘れようと必死で努力した。ジェレマイアのために……そしてベリーを俺の悲しみに引きずり込まないために闘った。母さんの病気が再発する前からだ。お前のことはずっと大事に思ってた、そしてある時からお前を見る目が変わり怖くなった。お前との関係が変わるのが怖かった。でもお前への気持ちは母さんとは何の関係もない」

そりゃそうですよ。大切にとっておいたベリーの昔の写真を見ながら直筆ラブレターを書いているコンラッドのけなげな姿を見せてやりたい。

そんな義務感で愛しているのならもう1人の息子でもあるジェレマイアと結婚する直前にめちゃくちゃにするようなこと、するはずがないのです。ベリーも内心では分かっていながら結局コンラッドと人生を進む覚悟がなくて敢えてネガティブに話を持っていこうとしている感じがあります。

「出会ったのが今日でも好きになった。お前への気持ちだけは変えられなかったから分かるんだ」

「私もそんなふうに確信したい。でも無理、ごめん」

ギョッとします。何を言ってんだ。いい加減にして欲しいものです。

これじゃあただの尻軽で終わってしまいますよ。いいんですか??

何の文句も言わず、「後悔はしていない、誕生日おめでとう」と伝えて部屋を出て行くコンラッドの男泣きが見てられません。

 

1人部屋に残され、ジュニアミントに付けていたネックレスを手に取るベリー。

過ちを恐れず自分に正直に生きてきたのだから愛される価値があるはずだ、茶色い髪と目を持ち、コンラッドを愛し続けるのが私だ、と思い直したベリーは勢いに任せてコンラッドを追いかけます。

これこれこれ!!あの変に艶かしいラブシーンでこれまで散々紆余曲折あったこの2人が結ばれるというのは違和感があったんです。このくらいの情熱と勢いでこそ、です。

なりふり構わず追い求め、列車に乗り込み、ようやく運命の相手の姿を見つけたベリーが「自分の意思であたなを選ぶ。何通りの世界があっても必ずあなたを選ぶわ、どの世界でも」と全力の愛を認める姿を待っていたのです!

この2人は最初からお互いに自分の気持ちを認め合っていれば無敵で、誰かが入り込む余地もないし必然的にくっつく相手としか思えないわけで、ジェレマイアを巻き込むようなこともなかっただろうに……という感じはありますが、ベリーが幼過ぎただとか、コンラッドが色々な方面で向き合うことを恐れただとか、2人ともに欠けている部分があった時期を経たからこその未来なのかもしれません。

カズンズに戻った2人には希望しか感じません。

それにしてもサマーハウス、改めて見ると豪邸過ぎるだろ。

 

ラストは“パリでのクリスマス”と題した、ベリーとコンラッドが2人だけの世界で過ごした際のアルバムで締めくくりです。

2人とも表情がとにかく無邪気で、パリ生活で大人びた雰囲気を纏っていたベリーも変に肩を張らず全開の笑顔ですし、お互いを信頼し合えているのがよく分かる納得かつ小洒落た終わり方だったのではないでしょうか。

 

……とうとう、私たちの青い夏が終わってしまいました。

本当にありそうでなかった少女漫画かのような青春王道ど真ん中ストーリーが最高でした。

今後、これ以上にエモさをダイレクトに味わえるドラマは見れないような気がするほど。

ファイナルシーズンにあたるシーズン3では、ローレルとジョンのあれこれやらアダム界隈の話や、主にパリの部分に関して必要か?と感じてしまうシーンも多々あったのは否めませんが、終わり良ければ全てよし。

ジェレマイアエンドはないにしても、変に脚本を捻ってきてベリーが自立のために誰も選ばない、みたいな選択をされたらどうしようかとハラハラするところもありましたが、本当に王道のまま、コンラッドルートで終わってくれたのが何よりの救いです。

ステイラーの将来なんかもめちゃくちゃ気になるし見てみたい気持ちがあります。スピンオフ作品が出たりしないんですかねぇ。幸せな未来をもっと見たいんだよ…。

 

ただでさえ設定が良いのに加え、挿入歌もセンス良し、とにかく主要キャストの魅力が凄まじく、このドラマに誰もが求めているであろう文句の無いハッピーエンドをぶちかましてくれた原作者のジェニー・ハンにも拍手を送りたいです。

どれか一つでも欠けていたらここまでの良作にはならなかったのでは?と考えると、コンラッドの配役は中でも特に神がかっていたような。

最終回を迎えて、私たちの青い夏ロスになるというよりは、寂しい気持ちはあるものの、それ以上にポジティブな余韻が大きいのも良かったです。


〈追記〉

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公式Xより引用。

なんと最終回配信の翌日、SNSで『私たちの青い夏』の映画化決定が発表されています。

詳細はゼロの匂わせレベルなのでどんな感じになるのか、いつ頃になるのか、まったく分かりませんがこれは盛り上がらざるを得ません……!

こういうタイミングも含めて演出がうめぇんだよなぁ。

The Summer I Turned Pretty

The Summer I Turned Pretty

  • 作者:Han, Jenny
  • Simon & Schuster Books for Young Readers
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