エピソード1『内なる決意』“INHERENT RESOLVE”
あらすじ
2015年、海軍特殊部隊シールズのベン・エドワーズ(テイラー・キッチュ)と彼が所属するチャーリー小隊はモスルでの任務をジェームズ・リース(クリス・プラット)のアルファ小隊に引き継ぐ。帰国の前に、ベンとリースの小隊は彼らに協力するイラク人通訳の仇を討つためISの幹部を捕らえようとするが、彼には強力な人脈があった。
ネタバレ感想
シーズン1のラスト的に、シーズン2がくるのかと思っていましたが、前日譚を描くスピンオフ作品になるようです。
シールズ所属の〈ベン・エドワーズ軍曹〉の過去が主軸ですが、クリプラも出演するとのこと。
シーズン1から遡ること7年前の2015年、合衆国はイラクのアルカイダとの戦いを支持することを表明しており、アルカイダメンバーで“IS”とも繋がっている武装勢力が占領するイラクのモスルで従軍する部隊。
捕虜交換という無茶な任務を命じられているベンの小隊は2隻のボートで交換場所の橋へと向かっています。
橋に死体がが吊られているという治安もクソもない現場に到着し、中でも〈ブーザー〉はこの任務にかなり否定的ですが、上からの命令ですしやるしかありません。
イラク治安部隊“ISF”の家族解放と引き換えに、ISの幹部〈ハミド・アル・ジャブーリ〉を引き渡すはずが、橋の真ん中で数人の人質が立ち止まってしまいます。
緊迫した状況から交戦が始まるまではあっという間で、控えていたスナイパーやボート部隊も攻撃を開始して壮絶な撃ち合いに。
途中、仲間の通訳〈ダラン・アミーリ軍曹〉の妹〈ハンナ〉が撃たれ、ダランも被弾。
銃撃戦が終わり前進したところ、倒れている人質の体に仕込まれていた爆弾が爆発して大惨事です。
任務失敗から3ヶ月後、モスル郊外10キロに位置する前線基地の同盟軍訓練施設で“ISF”兵士のための訓練が行われる中、狙撃手であり、指揮官であり、戦術家であり、そしてベンの友人として紹介を受ける〈ジェームズ・リース中尉〉が到着しました。クリプラのガタイが良過ぎる(笑)
今後2週間、リース中尉とアルファ小隊が、ベンやエドワーズチーフの後を引き継ぐことになっているのだそう。
ダランは橋での負傷により片足をなくしておりますが、家族ぐるみで良くしてくれているベンとの関係は良好どころか、再入隊する気でいます。解放してしまったアル・ジャブーリ捜しを手伝いたいというのです。
チーフとして慕われてここまで人望があり、気さくで真っ直ぐな良い男がどうして闇堕ちしてしまったのか……。
同じ舞台の仲間ならお互いの国に残してきた家族の面倒を見ていたり、本当に家族のような関係性で特殊な絆を感じます。
CIAの報告書によれば、アル・ジャブーリは今はシリアに潜伏しており、「いずれモスルに戻ったときにはお前達が捕らえろ」とリースに引き継ぐベン。
医師に義足を用意してもらったダランは早速軍に戻ることに。
しかし、義足を持ってわざわざ出向いてきた医師は明らかにヤバそうな男を1人連れてきています。
ISは爆弾で同盟軍を吹き飛ばす映像を流して広告収入を得ているらしく、簡易爆弾を大々的に使うようになったきっかけの悪名高き武器商人として軍で情報共有されている男〈マスードゥ・ダナウィ〉です。
CIAはダナウィが入国している情報を掴んではいますが、供給ルートを探るために泳がせている状態。連携をとりながらダナウィを追跡する部隊ですが、ダランが既に奴と接触済みで、恐らくは脅されているであろうことはまだ誰も分かっていないのでハラハラします。
追跡した先の建物周辺では民間人が多過ぎてCIAから撤退命令が下るも、現場で重要人物を目前に待機しているシールズとは意見が割れています。
そんな中、ベンにはダランから電話が入り、「ザイナブとアフランを頼みます」という意味深なメッセージが伝えられました。基地が危険だと気付いたベン。すぐにISFで運転手の〈モー・ファルーク〉に車を出させて引き返し、同時に司令官にダランの拘束を頼みます。
時既に遅しで、食堂に入ったダランは義足に仕込まれていた簡易爆弾のスイッチを押して自爆。
ベン達の小隊がダランの自宅を見に行ってみるとそこは荒らされた後で、妻や子供達の姿は見当たらず……。
7人の犠牲を出したダランの自爆テロにより、基地のセキュリティーはもちろん強化されますが、6ヶ月後までにISFの兵士を訓練してISを殲滅するという本来の目標は変わりません。
ダナウィはアル・ジャブーリに会って爆弾の材料を売っていたことや、自爆テロの当日にはシリアでなくダランの住む村で目撃情報があったこと、家族を人質に取って自爆テロを決行させるのがISのやり方だという情報もISF伝いに〈ファルーク少佐〉から部隊内で共有され、裏が取れ次第街にいるアル・ジャブーリを捕らえに行くことに。
しかし、司令官はこの任務に出ることを問答無用で却下。
司令官や、連携しているCIAの〈フラー〉はダランのことをあくまでも家族を人質に取られた脅迫による自爆ではなく、聖戦“ジハード”主義者による自爆テロとして扱いたいようです。
「CIAの情報はデタラメだ。アル・ジャブーリなCIAの協力者なんだろ?情報と引き換えに犯罪行為を見逃してる!」と食い下がり熱くなるベン。
その場では〈レイフ・ヘイスティングス中尉〉に宥められましたが、「食堂が閉まる直前に一番端に座ったダランの行動は、犠牲者を最小限に押さえるためだったはずだ」とリースにも伝えています。
CIAの情報源には手出しができないのが現実で、「モスル郊外の住宅にISが武器を隠しているという情報を元にした次の任務時にISFから離れてジャブーリのアジトに突入」し、ジャブーリがCIAのイヌだと暴くことで仲間内から始末されるよう仕向ける作戦が秘密裏に立てられました。
本来の任務である武器庫を爆破し、ダナウィの目撃情報があったから急行の許可が欲しいと司令本部のフラー達を騙したシールズはジャブーリのアジトへ向かいます。
ISFを外に待機させて精鋭部隊でアジト内へ突入。
さすがの連携で制圧し、追い詰められたジャブーリは「俺はCIAと通じてる!どういうつもりだ!?」と訴えかけるもこちらは最初から分かった上での暴走なのです。
ジャブーリを確保したところ、その部屋に囚われていたダランの娘〈ザイナブ〉を見つけ、怯え切った彼女を見て血が上ったベンは仲間に止められるのも聞かずにジャブーリをその場で撃ち殺して処刑してしまいました。
遅れて状況を把握したリースは、ベッドサイドにあった車のスマートキーに目を付けて「爆弾の起爆装置に見えなくもない、そいつに手を伸ばしたのでやむを得ず撃った。それでいいな?」とベンを守る話をでっち上げて正当防衛を偽造するため、既に嵌められていた拘束バンドも外します。
しかし、命令に背きCIAの面目を潰して取り返しのないことをしたシールズの責任問題は免れなさそうです。
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