エピソード2『オーディション』“THE AUDITION”
あらすじ
アル・ジャブーリとつながりを持つ者たちの手で、ベン・エドワーズとレイフ・ヘイスティングスは除隊に追い込まれる。しかしCIAのベテランスパイにスカウトされ、ベンとレイフは新たな任務に就くことになる。
ネタバレ感想
ジャブーリを撃ったことはやむを得ない正当な行為だったとしてモー達と口裏を合わせようとしていたリースに対し、ベンは自身の行為が「処刑」だったことを認めます。しかし、レイフも「拘束の際にジャブーリは銃を奪おうとした。撃ったのは正当防衛だ」と譲らず、処分は免れないだろうけれどせめて刑務所行きにはならないようチームが団結。
CIAの協力者を殺した者の処分は除隊が相当であり、そうでなければ示しがつかない、とコックス司令官に訴えるフラー。
シールズに入隊するにはなんと58週間もの過酷な訓練を乗り越えねばならないらしく、5人に1人しか訓練を終えられないような選ばれし者が除隊処分とは、かなりの重みを感じます。
しかも、「CIAからは1つだけ条件がある。処分の対象にはエドワーズ曹長以外に少なくとももう1人士官クラスを要求する」とのこと。
こうして、自分が犠牲になろうとしたリースを制するレイフは「ベンは俺の部下だ、彼の心情を知っててジャブーリを拘束させた。あいつは制御できない何かを抱えてる」と責任を取って除隊することを決め、自分達がいなくなった後のアルファ小隊をまとめ上げて危険なISの連中と渡り合うリーダー役を託しました。
ベンとレイフは正式に除隊となりましたご、この出来事がきっかけで転落していったというよりは、レイフの言葉的には秘められた危うさが元々あったということなのでしょうか?
それにしても、除隊になってもヘリが派遣され本国に送り返してもらえるし、部下達が敬意を持って送り出すことも許されるものなんですね。
フランクフルトの空港で帰路に着くための搭乗を待つベンと父親に連絡しているレイフの姿。
しかし、搭乗予定だったシカゴ行きの便は欠航に。
ベンの方がよほど落ち込んでいるかと思いきやその逆で、乗り継ぎ便を待つ間にベスパをレンタルしてきて“ブラックフォレスト・ハイロード”をぶっ飛ばそう、と言い出しております。
乗り気になれないレイフに次から次へと観光プランを提案していき、どうにか豪遊させたいのは巻き添えで除隊処分にしてしまった懺悔の気持ちなのです。
バーでおかわりを注文していると、瞬時に軍人だと見抜いた先客に声を掛けられたベン。
第1騎兵師団“ギャリーオーウェン”出身の元軍人は、『プリズン・ブレイク』でSONA刑務所を牛耳るルチェロ役だったロバート・ウィズダムです。かなり年月経っていますが髭が白くなっただけであまり変わりません。
その男の「拘束バンドを切ったな?」というひと言。アル・ジャブーリの騒動や口裏合わせ、2人の除隊処分など、かなりの範囲で内情を把握した上でベンを待ち伏せていたということです。
レイフも同席して話を聞くと、人質の子どもが目撃した情報を話したらしく、CIAのこの男がその証言を揉み消したのだとか。
一から訓練の必要もない腕利きで、手段を選ばない2人が必要だそうで、その標的はマスードゥ・ダナウィ。共通の敵でもあるわけです。
ダナウィ捕獲作戦に協力して成功させれば、「シールズに戻らせて名誉除隊への道を開く。でないと、ダナウィはこのまま姿を消し、君たちの仲間の命を脅かし続ける」と持ちかけられ、レイフは部屋へ帰りますが、ベンは「行動基準は?任務の期間は?」と迷いなく乗り気。
〈ジェド・ハバフォード〉は、CIAへの不信感が強いレイフのことも勧誘しようとしており、ベンも「ダナウィを始末できるなら俺はやるぜ。ヤツを野放しにはできない、リースたちを守ることにもなる」と語ります。
レイフは、衝動を抑えることを覚えろという条件を出して約束させることで、自分もこの任務に参加することに。
ハバフォードが待つウィーンの豪邸に到着した2人は、モサドのサイバー捜査官の女性〈タル・ヴァロン〉から契約書にサインするよう言われます。
今から参加するのは、モサドとの共同作戦なのだそう。
クドス部隊の資金提供者である〈ゴルベフ〉の調査により、シーア派のお膝元で武器を運ぶダナウィがイランの資金源と密会する、という情報が入っているも、ダナウィが出向いた理由は不明。
ゴルベフは今夜クラブでダナウィと会合をする予定で、既に潜入中の仲間の指示に従って動くよう言われるベンとレイフ。予備知識も偵察もロクにない状態でいきなり今夜暗殺任務を決行とは……。
「特殊任務にモラルは問うな、スピードが命だ」とのことで、かなりグレーな感じがしていますが、一応はCIAと契約書を交わして雇われている身での任務なので万が一捕まるようなことがあっても免責になるのでしょうか?
ハバフォードに渡された札束で高級クラブに見合う身なりを整えて上手く中に入った2人は、既に潜入中の女性捜査官〈イライザ〉と接触。
ダナウィも護衛2人を連れて裏口からクラブに現れました。
バーテンダーに扮したイライザがダナウィの飲み物に薬を仕込む算段のはずが、警戒心が強いダナウィから「断ったのに2度も飲み物を勧めるのは裏がある、お前が飲め」と言われてしまい、薬入りの炭酸水を煽るしかなくなってしまいます。
半分ほど飲み干して平静を装いながらトイレに向かうも、即効性は半端ではなく見守っていたベンがすぐに介助に入るのですが、護衛の数が多過ぎてこの動向も筒抜け。
この間にタルが車に細工済みで、裏口から外に出る護衛とダナウィが乗り込んだ車のエンジンを停止させて殲滅へと動きます。
先ほどまでフラついていたイライザも急襲、射撃の腕前はさすがで、これが万全の状態なら化け物級かもしれません。
イライザ、ベン、レイフの3人で護衛をあらかた片付けるも、ダナウィは路地へ逃げ込みます。
ハバフォードから「作戦を情報収集に切り替える。携帯を持ち帰り現場の痕跡を消せ」と指令が下りますが、今回はレイフを筆頭に命令を無視してダナウィを追いかける2人。
ただ、皆殺しでなければ厄介なことになるのは確かで、2人の勝手な行動はハバフォードにとってもそこまで計算違いではなさそう。
護衛とダナウィをそれぞれ追うために二手に分かれ、ベンは護衛を始末。
タルから遠隔でレイフの居場所まで誘導してもらいます。
途中でダナウィを見失うも、シールズで培った感覚を研ぎ澄ますレイフがカッケェ……。
合流し、残弾数が少ない中で連携を取り合った結果、レイフはダナウィを確保。
そのまま生け捕りにもできそうな有利な状況から、今度はベンではなく常に冷静なレイフが怒りに任せてダナウィを撲殺して終わらせました。意外とレイフの方が普段抑えている分、キレると手に負えないタイプか?
ハバフォードからは「オーディションは合格だ。ダナウィの携帯を持ち帰れ」と無線連絡が入り、スパイとしての任務はまだまだ続きそうです。
ターミナル・リスト 上 (ハヤカワ文庫NV) [ ジャック・カー ]
▼Amazonプライム・ビデオでも視聴できます。
プライム会員になれば、会員特典対象の映画やドラマ、アニメ、Prime Original 作品が見放題。30日間のトライアル期間でお試しも可能。
▼次回、エピソード3


