エピソード3『過去は序章にすぎない』“WHAT'S PAST IS PROLOGUE”
あらすじ
ハバフォードの作戦でダナウィが逮捕、殺害され、新たな手がかりが得られる。ダナウィの金の流れを追うため、ベンとレイフは予期せぬ仲間たちとチームを組むが、やがて予想以上の脅威に直面する。
ネタバレ感想
森の中で競い合うように訓練しているベンとレイフ。素早い身のこなしが特徴的なベンと、パワー系のレイフとで補い合えるしバランスが取れたコンビなのでしょう。仲良しそうで何よりですが、グレーな仕事に身を置き続けてどうなることやら。
ジュネーヴで行われている“イラン核兵器開発に関する合意”の会場でマスコミ相手に堂々たる態度の長官〈サイラス・ラヒミ〉は、消息不明のダナウィのことでヤキモキしている弟の〈バヒード〉にも「我々が把握してる限り問題にはならない」と、取り合わず。
イライザは助手席で悪夢に魘されるモーをウィーンの隠れ家へ乗せて運転しています。
モーはハバフォードと随分前に一緒だったそうで、恩がある彼に呼ばれて“新しい仲間”としてベンとレイフとの再会を果たしました。
モーの他にも〈イッシュ・ラインハルト〉が呼ばれて来ており、なんとジャブーリが死んだことでCIAからお払い箱にされた〈ランドリー〉も狙撃手としてチームに入るようです。さすがにベンもレイフとお呼びでない顔を見て複雑そうですが……。
モーは「ダランの子供たちにビザが下りてアメリカへ向かっている」朗報をベンに知らせてくれました。
前回、回収したダナウィの携帯をタルが解析し、暗号通貨で500万円を受け取り、〈バラージュ・モルナー〉というブダペスト工科経済大学の地質学の教授に渡すよう指示されていたことが判明し、次の任務はモルナーとの取引が目標です。
匿名取引を逆手に取り、ダナウィの顔を知らないモルナー側に、モーがダナウィ役を演じて接触し、モルナーがイランに売ろうとしている物を買う、という計画が始動。
顔が割れるリスクを回避するためにモーはタルと隠れ家に待機。レイフ、イッシュ、ランドリーは接触場所の策定。
ベンとイライザはその間、ターゲットとなる教授の身辺調査を行うことに。この2人にはフラグが立ちかけている感じ。
タルが管理していたダナウィの携帯にメッセージが入り、相手は不明ですが、『明日会うのか?カロウズカフェで9時。なぜ連絡してこない?』という内容です。
このまま放っておけばダナウィが死んだことがバレて警戒されてしまいます。
ダナウィに扮したモーをブダペストのカフェに送り込み、返信をしながら周りの客の様子を見て20代前半の女性がメッセージの送り主だと特定。
カフェから去る女性〈ターナ・ハッダード〉を尾行してベルリン在住の難民だという身元が分かりました。
彼女の部屋に先回りして待ち伏せし、銃を向けてダナウィとの関係を問いただふモー。
「父を殺したのね、だから今日現れなかった!」
ターナ・ハッダードはダナウィの娘でした。
気が進まないながらも、ハバフォードの命令に従って娘を正面から射殺したモー……肝心の場面は映っておらず死体の処理をした様子もないし、あんな善良顔で本当に撃てたのか疑わしいところです。
地質学の教授のはずのモルナーを追っていたベンは、原子力技術協会にモルナー博士の研究室があるのを確認。イライザに言わせれば「イランよ、核はついて回る」と想定内なようです。
「ダナウィの娘の携帯はホテルにあったのに、駅の防犯カメラに彼女の姿が映ってた」とモーに真実を聞きに来たタル。
車の中で悪夢とともに聞いていた断末魔のような叫び声がまた聞こえてきて、やはり娘を撃てなかったのです。
至近距離で弾を外し、「今後父親のことを誰かに話したら俺は戻ってくる。君を殺すだけでなく君の母親も、君の祖父母も君の一族も殺す。俺が良心の呵責に苛まれることはない」とまるで半分自分で言い聞かせるように脅して見逃していました。
タルが読んだモーのファイルには、かつての凄惨な記録が書かれてあり、それが事実なら娘を見逃したことも責められないような経験が。
〈サダム・フセイン〉の長男〈ウダイ〉はモーの2人の姉をレイプして殺し、問いただした父親も殺され、14歳だったモーだけが生かされたそうです。
持ち歩いているらしい、憎きウダイの肖像入りトランプのカードを見せながら「これを見れば誰かを守るために殺すことの必要性を思い出せるからこれを持ってる。でもあの子は……」と言葉に詰まったモーにタルは同情を示しました。
除隊されていたことを知った妻の〈エイミー〉から電話で「もう耐えられない」と別れを切り出されたベンは荒れています。
話を聞いていたハバフォードは何やら励ましておりますが、ルチェロの印象が強過ぎてギャングのボスにしか見えず、何を言っても悪の親玉にしか見えません(笑)
モルナーと約束のカフェで落ち合うダナウィのフリをしたモー。
チームとの連携のおかげでうまくモルナーを信じさせると、「500万は概念実証の値段だ」と本題に入り、持ち帰ってテストするための教授が開発した、超臨界状態を作り出すことができる特殊なベアリングを渡してくれました。
ウランを実用レベルに濃縮して兵器を作ることができる代物で、核合意を有名無実化できるというのです。
「ベアリングを使ったカスケードがあれば、ウランの豊富なイランは1年以内に核爆弾を造れる」
他国にはないテクノロジーでもあるそうで、500万を今支払えば残り5000万で完成品を届けると持ちかけられ、この先を追うためにその場で取引を成立させました。
周囲を見張っていたベンとレイフは怪しげな2人組の男がバンから降りてくるのを確認。
イッシュはさらに武器を携帯している2人を見つけ、敵は4人に。
なんとか送金だけは終えて、ベアリングを回収するも、モーを追う男達は次々と数を増やして迫ってきています。
正体を探ろうにも監視カメラの場所を把握してカメラを避けている男達。
ルートを変えながらなんとかランドリーの迎えの車に乗り込んだモーはその場を撤収。モルナーにもこの謎の追跡者達のことはバレていません。
その場に残って連中がモーを見失って諦めた様子でいることを確認したイライザ。
しかし、一人だけ離れて地下鉄に向かった男を尾行するイッシュとバイクで合流しに行くベン。遅れて徒歩のレイフもそちらへ向かいます。
ベンが地下鉄に入った時点でイッシュは既に殺されてしまい、遺体を見つけたベンはどこにいるかも分からない殺し屋相手に単独での追跡に入ります。
乗り込んだ列車は走り出し、レイフも間に合いません。
刃物を持った男はベンの存在に明らかに気付いておりましたが、タルに頼んで監視カメラを全て切らせたベンは、列車が次の駅で停車するタイミングに合わせて先手必勝で男を射殺。
いくら監視カメラを切ったとは言え、目撃者は多数ですよ……?大丈夫なのか。
イッシュも登場早々犠牲になるなんて。
このエピソードから、話の展開が派手になってまいりました。
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