エピソード5『脱出』“E & E”
あらすじ
ただ1人追われる身となったベンは裏切り者を追跡する。レイフは真相を突き止めるため、ベアリングを運んでいた一味の1人を捕らえて拷問する。一方、タルはモサドの真の任務を果たすため、単独で動き出す。
ネタバレ感想
目を覚ましたベンは自力で立ち上がれており、不死身かよ(笑)
3発くらいぶち込まれてましたよね?至近距離ですが、イライザは敢えて防弾チョッキに当たるように撃ったのでしょうか?
そもそもハナからベアリングを奪うことだけが目的で油断し切っている相手の背後を取れているのなら、頭を狙って殺してしまえばいい話です。
意外とメンタル面が深刻なのはベンよりも敵の車を奪って逃走したレイフの方で、まだ生きていた男の傷口を処置して命を助けたのは拷問して情報を聞き出すためというあまりに冷酷な動機からでした。
わざわざ縫って閉じた傷口をまたナイフで開き、「なぜ俺たちの襲撃を知ってたか話してもらおう」とハリド・ネットワークが自分たちの動きを知っていた理由を吐かせようとしているレイフ。そもそもこの人里離れた拷問小屋は何なのでしょうか?
チューリッヒに向かったイライザを追跡するベン。ハバフォードも怪しい感じがあったものの、彼とは連絡を取り合えている状態で、裏切り者はモサド組の2人だけという感じなのでしょうか?
ベンが目覚めたのは時間が経ってからだったのに、早くもイライザに追いついているということは、襲撃からかなり間が空いているのか?
とにかくイライザが向かったホテルで今度は彼女の背後を取り、銃を突きつけてベアリングを回収しるため襲いかかるベン。
誰に雇われているのか言うよう脅すと「モサドよ」と。トンネルの外で待ち伏せてた連中についてはイライザも分からないの一点張り。
「ケースの中の追跡装置を切らないと」と訴えたイライザに警戒しながらも、ベアリングの入ったケースを開けさせて追跡装置を外させます。
どちらにせよベンにイライザが撃てるかは怪しいところ。
「計画を狂わせたのはわたしじゃない。ハバフォードとシェパードよ」
イライザがそう言った直後、ベンは扉の外で静かに動く人の気配を感じとります。
すぐさま壁際に避難して扉を破ってきた兵士達を撃ち殺すベン。
殺した兵士の無線にはペルシア語で通信が入り、出口を固められたことが分かりますが、装備を奪っても今のイライザに銃を持たせるわけにもいかず、防弾チョッキだけ着させて多勢の援軍をベン一人で処理していきます。
途中、イライザは揉み合いになった兵士から奪った銃を手にしてもベンを裏切る様子はなく、凄腕2人のタッグを組んだ戦闘は安心感すら覚えるほど。
たった2人で精鋭部隊の数十人を突破してあれやあれよという間に外に出てしまいました。
「私とタルの真の任務はハバフォードを探ること。CIAは数年ごとに情報源を替えるのにハバフォードはシェパードを使い続けてる。シェパードの正体を突き止めるのが任務の目的よ。シェパードはハバフォードを利用してる。もう隠し事はしないから一緒に裏切り者を見つけ出しましょう」
イライザの言っていることもあながちでまかせでは無さそうですし、ベンは「自分の前を歩け」という条件付きで彼女が行動を共にすることを受け入れました。
とは言え、裏切られた怒りは抑え切れるものでもなく、完全に信用したわけでもないので、戦闘で負った傷の手当ても脱出ルートの道中の見張りもすべてを1人でこなそうと頑ななベン。
「私がウソをついてる裏切り者なら防弾ベストを撃つと思う?」と言うイライザの言葉はもっともですが、背中から撃たれて蹴り倒されたのにここですぐ信じ切ってもそれはそれで間抜けすぎますし、ベンの反応はこれ以外に正解はないものに感じます。
セルフで応急処置を済ませたベンは、回収したベアリングとニセのベアリングを見比べてモルナーのものと違うことを確認。
イライザに何故かと問うも、「タルがシェパードを見つけたら聞き出す。タルはミュンヘンでポータルに侵入してシェパードの端末を突き止めた。そこから身元と居場所が分かるはず」とのことで、結局今は何も分かりません。
ベンにとって最も大切なのは忠誠心で、自分を含むチームへの裏切りを厳しく追及。
しかし、イライザがベンを襲った行為も任務と大義への忠誠心故で、自分を犠牲にしてでも任務のために必要なら同じことを繰り返して娘〈ノア〉の将来を守るのだと信念は曲げないイライザ。
「私にはこの世界、この人生しかない」と真剣に訴えるイライザの腕につけられたノアからの贈り物のブレスレットを見やり、添えられた手を握り返すベン。そんな急に絆されていいんですか……?
拷問小屋で吊し上げられた男はレイフからの度重なる拷問でとうとう、自分はハリド・ネットワークの者ではなくドイツ連邦情報局“BND”の人間だと素性を明かします。
「味方だったのか……」と呆然とするレイフに、男もこちらがCIA側の人間だと気が付きます。しかし、次の瞬間男は気を失ってしまい、慌てて鎖から下ろして傷を塞ごうとしましたが、「待ち伏せてたのは俺たちじゃない」とだけ言い残してそのまま死んでしまいました。
なんという後味の悪さでしょう。知らなかったとは言え、味方を拷問して手にかけてしまったレイフのメンタルがますます心配です。
監視していた部屋の主が出て行ったのを見計らって忍び込みパソコンをハッキングするタルの姿が。
しかし、部屋の中で監視カメラを発見して急いで引き上げようとしたところに男が戻ってきてしまいました。
タルもそれなりに武闘術を備えているらしく、ゴリラのように襲い掛かってくる相手と大乱闘の末に顔面を燃やして撃ち殺すという力技で命からがら脱出です。
チューリッヒでは一夜を明かしたベンがイライザと共にハバフォードに指示された再集合の場所シュタインへ戻ろうとしており、5時間のドライブと同時にロマンスまで始まりそうな空気感は呑気すぎやしませんか?
渋滞で徐行している車の列を1台ずつ中を覗き込み確認していた怪しいバイクの2人組はとうとうベンとイライザの乗る車を見つけ、屋根に爆弾を置いて走り去ろうとします。
さすがの瞬発力で爆発物に気付き車を飛び出た2人。朦朧としながらも戻ってきて確実にトドメを刺しにきた2人組を返り討ちにするベン。
しかし、回り込んで運転席側を確認しに行くと、モロに爆発に巻き込まれて血溜まりで倒れていたイライザの右腕だけが見えているではないですか。
ノアからのブレスレットだけを外して、ベアリングのケースと共に回収し、弔いもできないまま先を急ぐしかありません。
まさかのイライザがここで死んでしまうとは……。
レイフとベンは離れた場所にいるのに、揃いも揃ってトラウマを味わうような経験をするエピソードで苦しいものがありました。
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