エピソード10『P.S.L.』“P.S.L.”
あらすじ
出所したマイクにハーヴィーは事務所に戻って来いと話す。マイクは断るが、もう少し考えて欲しいと頼まれ悩む。そんな中、古くからの顧客であるジム・レイノルズが他事務所に乗り換えようとしていることが判明。ハーヴィーが出向くと、顧問契約を切ろうとしているのはレイノルズではなく取締役のドナルド・ マニスであることがわかる。一方、ジェシカはベイリーの裁判で当時の弁護人ケイシーを証言台に呼び、アリバイ証人を真剣に捜さなかったことを指摘する。
ネタバレ感想
出所したマイクに、お祝いで前の給料と同じ額で、肩書きは弁護士ではなくコンサルタントとしたオファーを送ります。
これなら詐欺ではないし、能力もそれなりに活かせそうで何よりマイクを側に置いておきたいのであろうハーヴィーの気持ちにも応えられる願ってでもない話に聞こえますが、マイクは「もう迷惑をかけたくない」と渋い顔。
「俺がお前と組みたいんだ。数日後も意見が変わらなければ諦める」と告げてとりあえず考える時間を与えたハーヴィーでした。
ジェシカの長年の大口顧客である〈ジム・レイノルズ〉が他の事務所を探している、急いで繋ぎ止めないと街中の事務所が狙ってるぞ、と警告に来てくれたロバート。
ジェシカは死刑囚の裁判を控えて時間が取れないので、ハーヴィーとルイスが出向いて経営が持ち直していることを証明しに行くのですが、ルイスが不在でまずはハーヴィー単独で向かいます。
どうやら、経営とは関係なくサターの件でわざと負けたと取締役の〈ドナルド・マニス〉が疑っているのが鞍替えの理由で、「君の部下はサターの息子と同房でもう出所した、何かあったはずだ。うちは顧客を裏切る弁護士など雇わん」となかなか鋭い指摘を受けてしまいました。
しかも、ハーヴィーが一人で行ったことでさらに事態を悪化させることに。
ルイスが不在だったのも似たような理由で、“ハーヴィーがサターを裏切った”と知った顧客に弁明していたとか。狭い世界のようなので、至る所で噂は回っていそう。またしても事務所にとっては逆風です。他の顧客はジムがこれからどう出るかを見てから追従するらしく、やはりジムを引き留めるしか生き残る道はありません。
タラが事務所に来て、妊娠を告げられるルイス。しかもジョシュアの子です。
それを聞いても一瞬の迷いも見せず「気にせん。君を愛しているから他の男の子供でも育てられる。明日も明後日も気持ちは変わらない」と即答できるルイス、単純に凄い男ではないですか?笑
一番せこくて器が小さい男と見せかけて、友情とか愛情を感じる相手にはとことん尽くすタイプです。逆にタラの方がナーバスになっていて今後のことは保留に。
サターがまだ捕まっていないのはどういうことなのでしょう?
これ以上悪い噂を流されたらたまったものではないので、ハーヴィーは自宅も差し押さえされたくなければジム・レイノルズの会社の取締役全員にウワサはデタラメだと電話をかけるよう言いました。
結局法廷に召喚されたケイシーへの尋問でかなりの好戦を見せていたジェシカですが、元弁護士であるケイシーに「今も有罪だと思う」と言い切られてしまい、陪審員がどう感じたことか。
心配するレイチェルに対し、自分の裁判の時のようにベイリー本人が証人として陪審員に訴えかけるのが良いというマイクの案が採用されます。
法学生ながらパラリーガル歴が長く、再審にも漕ぎ着けて誰よりもベイリー自身が信頼する相手として、ジェシカはレイチェルに質問させることを認めさせました。
レイチェルからの質問に対し、ベイリーは傍聴席にいる娘に対する思いを語って陪審員の同情はこれ以上ないほど集まったのですが、検察側もそれなら同じように“娘を思う父親”に話をさせると言って被害者の遺族であるフォレスト氏を証人に。
しかしその夜、レイチェルは彼が事務所に乗り込んできた時にもマリアのことを“ジャンキー”呼ばわりしていたことに気が付き、公判記録にもないのにそれを知っていたということは証言できないように高額のリハビリ施設へ送り込んだのではないかと考えてマイクとフォレストの自宅へ押しかけて詰め寄ります。
「証拠はない」という返事は図星を意味しているようなもの。
フォレストに無断で会いに行ったことを事後報告されたジェシカはお怒りで、「被害者の父親を司法妨害で追及するなんて無茶だわ。証明する方法がない」と言いますが、「法廷で認めさせる」と横槍を挟み、賭けに出るよう煽るマイク。今の立ち位置は部外者なんですけどね。しかもジェシカは自分の選択がベイリーの命に直結している重みを確実に感じているのに対し、マイクのそれは無責任過ぎるような……。
取締役会が早まり、反対尋問の時間と被ってしまうことに。
ハーヴィーとルイスは揃って法廷に現れ準備中のジェシカに取締役会にジェシカ自信が出席しないと理解は得られないことを伝え、ジェシカも事務所の危機を理由に半日延期を申し立てますが、助手にやらせるか自分でするか選ぶよう言われてしまいました。
意外にもジェシカは「ベイリーは巻き込まないわ」と取締役会のことは二人に任せます。あのジェシカが自分の命と言っても過言ではない事務所存続の危機よりもベイリーを死なせるわけにはいかないと即座に決断するところに本気を感じます。
医師だった父親が言っていた「権力志向で人の不幸を利用してる弁護士」にはなるまいという信念を大切に考えたのでしょう。
恐らくはマイク考案のハッタリ作戦が効いて、存在しないマリアの“同室者”を証人として呼ぶと迫ると「同室者はいなかった!確かに施設の金は出した。ベイリーを裁くためにやったんだ。奴が犯人だ!!」と法廷で言葉を荒げて自滅したフォレスト。
陪審員の目には怒りで目が曇った男の暴走に映ったことでしょう。
検察も冤罪での釈放に異議は唱えず、評決を待つまでもなくベイリーの冤罪は認められて釈放に。
12年の冤罪での服役が終わる時でもこんなにアッサリ決まるものなのか……。
とにかくジェシカはやってくれました。さすがです。
傍聴席で全てを聞いていたロバートも満足そう。
ロバートは「ジムは君が来なかったらうちと契約すると言ってた。君は行かなかった。ハーヴィーの前では言えないが感謝してる。君はマイクを助けて娘によくしてくれた。ビジネスじゃなく個人的に助けたいと思った」と告げ、落ちぶれた事務所を救うために合併を申し出てくれましたが、ジェシカは感謝と同時に淡々とこれを断ります。
もはやジェシカが参加できない時点でジムの会社との顧問契約継続は厳しいかと思われましたが、ハーヴィーとルイスのコンビもやってくれます。
土壇場になって、新規の筆頭株主が取締役会の場に登場。なんとストゥが会社を買い上げてくれたそう。
倒産したサターの会社から、債務返済を事務所の無料賃貸で相殺する申し出があったから今の事務所は出て行くことになるとルイスに告げ、今ここでオフィスのシェア相手まで居なくなればますます資金繰りが絶望的になる状況で引き留められ、「力になれるなら何でもするけど、ここは出て行く」と話していたストゥの言葉は本物だったわけです。
来期には取締役になるので、今弁護士を替えてジムをCEOから降ろしたらクビにするぞとマニスをだまらせてくれました。
全てにカタがつき、ハーヴィーとルイスが祝杯を上げにジェシカのオフィスへ。
ここでなんとジェシカは「ありがとう。でももう私の事務所じゃない。二人のよ。私は退くことにした」と宣言。
今回のイノセンス・プロジェクトを通し、自分が何のために弁護士になったのかを思い出したそうで、猛反発するルイスをドナが黙らせ、ジェシカの決断を尊重することに。
“ピアソン・スペクター・リット”での最後の乾杯は感慨深い。
まさかジェシカが事務所を譲るとは……想像だにしなかった展開です。
マイクの出所、ベイリーの釈放、ジェシカの勇退…シーズンフィナーレかのような節目の連続で、もう一つ。
ルイスはやはりタラを心底愛していることを再確認して、他の男の子をみごもっている彼女に膝をついてプロポーズ。
ジェシカはマローンに「シカゴに連れてってほしいの」と頼み、これからは向こうで企業相手ではない人権派弁護士として活躍して行くのでしょう。この二人の恋愛は最高にオトナです。
恩師が去ってしまったハーヴィーは寂しそうではありますが、前向きな決断には違いないという点でなんとか受け入れられそうな感じ。こんな時にドナが側に居てくれるというのも心強いのでしょう。
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