エピソード6『ソクラテスの問答』“The Socratic Method”
あらすじ
死に至る病を持つ統合失調症の母親と、その面倒を見る10代の若者に、ハウス医師は特別な関心を抱く。
ネタバレ感想
統合失調症の母〈ルーシー・パルメーロ〉の面倒を甲斐甲斐しくみるまだ若い息子〈ルーク〉の親子。
脚の痛みを訴えて呼吸困難になったルーシーは搬送され、深部静脈血栓症の診断を受けますが、ロビーでサボっていたハウス医師は担当医と息子のやり取りを聞いて、症例に興味を持ったようで、検査無しで推測で診断していた医者から担当をかっぱらいました。
母親のことに関して事細かにとられていたルークのメモは信用に値するものだと評価しているし、まさかのハウス医師が早々に患者と会って話す場面を「世も末だな」と遠巻きに見守るフォアマンとチェイス。
唯一の友であるウィルソンに言わせれば、「彼は人間に興味があるのさ、人嫌いに見えるがね」とのこと。
対話の結果、血液検査をすることになり、抗精神薬もやめて症状を見ていく方針の指示が出されました。
クリスマスプレゼントに続き、書類で見たハウス医師の誕生日を祝うキャメロンはやはりこの偏屈上司に気があるのでしょうか?
血液検査の際に暴れて鎮静剤を打たれ、その後落ち着いたかと思われたルーシーはなんと盛大に吐血。普通の吐血のレベルではない大量の血を吐き出します。
検査をするために使った抗精神薬による副作用だそうで、検査と薬の指示を出したフォアマンはハウス医師から責められてまた揉めています。
検査結果は異常なし。
チーム内で割れた意見で、誰が正解かを確かめるために患者の家で薬と食生活を調べて腹部エコーをとることになりました。
今回患者宅に不法侵入するのはフォアマンとチェイスです。
部屋の中は、しっかり者のルークが薬も衣類も徹底的に管理していた様子が伺えますが、食事は毎食冷凍ハンバーガーだったことも分かり、ハウス医師の指摘したビタミンK欠乏症が大当たり?
自分の食事管理のせいで母親が死にかけたと責任を感じるルーク。
自分は大人だと年齢を偽っていたルークは実際にはまだ15歳で、嘘を見抜いていたハウスは別人のレントゲン写真を見せてカマをかけるとすぐに年齢を自白。病気の母親から引き離されないための方便だと思うとけなげですし、しっかり者には変わりありません。
ビタミンK不足は確かに肝臓を侵していたわけですが、吐血の原因は誰も予想していなかった腫瘍のせいで、肝臓ガンでした。
腫瘍の大きさからして、手術をしなければ余命2ヶ月といったところ。
子どもがいる彼女に移植を提案するキャメロンに対し、「精神疾患で文無しの母親だ」と却下し、腫瘍の一部切除をするつもりです。
部分的な切除が可能なのは〈バーギン医師〉ですが、リスクを嫌う医師はガイドラインに背いてまで5.8センチの切除手術をしてくれそうにもなく、それならば4.6センチに腫瘍を縮めようという奇策を実行。
95度のエタノールで腫瘍の細胞を脱水して一時的に縮ませて外科医を騙すのだとか。詐欺師みたいなやり方です。
実際、カディ院長も男子トイレにまで入ってきて「詐欺よ」とお怒り。
結局バーギン医師を騙して手術をさせ、エタノールの注射はバレて「次はない!」とかなり怒られながらも手術は無事に成功。やったもん勝ちとはまさにこのこと。
しかし、誰かが通報でもしたのか、未成年のルークを母親から引き離そうと養護施設の担当者が病院にやって来てしまいました。賢いだけあって、必要以上の無駄な抵抗はせずに涙を流しながら指示に従うルーク。
自分が未成年だと知っているハウス医師が通報したのだと思い込んだルークでしたが、実際には正気だった母親が自分で養護施設に連絡を入れていました。
自分の世話から解放するため、ルークの将来のため、息子を愛しているからこそ手放そうとする母親の決断です。
「彼女は理性があり過ぎる。統合失調症患者は自分を犠牲にしない」と診断ミスの疑いをウィルソンに話すハウス医師。
ルークのメモを見返して、ルーシーの診察記録を片っ端から洗っていき、精神疾患の症状が出る病気を疑います。
夜中に集められた3人はハウス医師からの問いかけにややウンザリ気味で答えていましたが、稀な病気である遺伝性のウィルソン病に着目。ウィルソン病では白内障や肝硬変の症状も出るらしく、メモの中には眼科医へ行こうとしていた記録もあるのです。
そのまま白衣も着ずに寝ているルーシーを起こして眼球を検査。ウィルソン病なら体内に銅が蓄積されており、角膜の周りにカイザー・フライシャー輪があるはずで、ルーシーの目にはしっかり銅色の円が。
つまりは薬での治療が可能という希望のある結末で、精神疾患やアルコール依存症でもないことが証明され、投薬で快復したルーシーの元にルークは帰って来られました。
親子の感動的な再会から目を逸らすチェイスは、母親と確執があるのでしょうか?てっきり医師の父親とわだかまりがある感じかと思っていましたが。それとも親子の絆全般に複雑な気持ちを抱えてしまっているのか?
退院するルーシーの車椅子を押すルークとエレベーターで一緒になったハウス。
ルークはまだ通報したのがハウス医師だと思っているらしく『裏切り者』呼ばわりですが、本当は自分が連絡したと言えず気まずい表情のルーシーを見て、「君が邪魔だったからやったことだ。カディ医師に電話させた」と自ら罪を被って母親を助けました。偏屈でもそれなりに空気は読める上に優しい一面もあるではないですか。
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