エピソード1『さまよえる魂』“Library of Lost Souls”
あらすじ
バラードは、市議の妹の殺人事件を捜査するかたわら、身元不明者の殺人事件を再捜査する。証人を説得し、署内の駆け引きをこなし、自身の葛藤を乗り越えながら、バラードとチームは警察内部の汚職を示唆する秘密を暴き出す。
ネタバレ感想
本筋の『ボッシュ』シリーズがかなり無骨な感じだったので、スピンオフが女主人公というのはどうなるのでしょうか。
開幕早々、ショットガン片手に逃走犯〈ウィンデル〉を追って容赦なく発砲もし、無事に確保したLA市警未解決班の〈レネイ・バラード〉。
ボッシュよろしくバラードは上から粗探しをされているらしく、相棒〈トーマス・ラフォン〉から忠告を受けています。
“LA市警 アーマンソン警察官訓練所”の地下に位置する資料保管所のような一室にデスクが備えられており、そこが未解決班に与えられたオフィスのようです。
心配性の女性ボランティア〈コリーン・ハタラス〉や法科志望のインターン〈マルティナ・カストロ〉など、女性比率が高いのでしょうか?
今回現行犯逮捕できたのは10年越しの未解決事件の犯人で、未解決班にとって初めての解決に導いた事件となりました。
次に取り掛かるのは、サンディエゴのバス停の監視カメラに映ったのを最後に未解決となっている赤ん坊が誘拐された事件で、当時の担当刑事は電話に出ないし、捜査記録に違和感があって気になるというバラード。
〈ジェイク・パールマン議員〉から「君が着任して2週間でクレームの嵐だ!」と発砲騒動に対するお叱りが。
班の最優先事項は議員の妹〈サラ〉が殺された事件の解決だそうですが、第一被疑者で恋人だった〈ブライアン・リッチモンド〉を聴取するだけの確証を得るには時間が必要ですし、班には予算もなく無償ではまともな人材も集まりません。
高圧的ではありますが、亡き妹を想う気持ちは本物のジェイク。
彼と高校時代からの友人で予備警官の〈テッド・ロウルズ〉も班の一員で、バラードに言わせれば「私を監視させてる」のだそう。
身元不明事件の捜査のため、元警官の〈サミラ・パーカー〉を捜し当てて話を聞きに行くバラード。
警官というよりギャング寄りで、クラブの用心棒をしている彼女は事件は打ち切りだし興味なさげでしたが、捜査記録に抜けがあることを指摘すると「なんでそう思うの?何を抜いたか?市警の誰かが何かを隠蔽してた」と食いついてきました。
山で遺体を見つけてモーテル“サンビーム”までの足取りをたどったところ、ジャンキーの男から「前日の夜にトラブルがあった。駐車場で怒鳴り合う声がしてサンビームの店主が女とモメてた」と聞いたそうですが、その事実は記録に記されていません。
その女はパトカーが来て連行されたらしく、店主に事情を聞いたら急に非協力的になったから署に戻って通報と出動記録を調べたところ、何もなかったのです。パトカーが出動したはずなのにどころにも記録がなく、誰かが隠蔽したことを立証するために市警と闘っても損するだけで、事件の後1〜2週間後に警察を辞めたのだとか。
未解決なのは心残りだと話すパーカーに「あの身元不明事件を再捜査しない?市警への疑念は表に出さずに」と持ちかけたバラード。
その場で返事はもらえませんが、当時の赤ん坊が6歳になっているという台詞は彼女を揺さぶるには十分そうでした。
翌日にはさっそくオフィスにパーカーが訪ねて来て班のメンバーを紹介。
トーマスはバラードの最初の相棒で、引退していたところを未解決班発足と同時に呼び戻されたのだそう。
殺人課に半年いただけのパーカーからも「あなたの取り調べは有名」と言われるトーマス。
民間警備会社の事業オーナーで予備警官12年目の自負があるロウルズは「半年だけ?」とバカにした口調で、パーカーから「デスクワークの割に装備がゴツいね」とイジられてやり返されとります(笑)
『サンタ・ムエルテ事件』と名付けられたこの身元不明事件は、遺留品にあった死神のフィギュアが由来で、移民は死の聖母サンタ・ムエルテをお守りに持ち歩くのだそう。
ちょうどマルティナが、16歳でダンスパーティー前夜に絞殺されたサラの現場のデータを指紋係からもらって来てくれたので、パーカーも一緒に撮影された動画のデータをチェック。
遺体の傍にはもみあって外れたと見られる歯の矯正器具が落ちていて、
犯人が逃げた窓についていた掌紋も取り寄せ、24年も前の劣化して使えそうにない掌紋そのものではなくテープに犯人のDNAが付着している可能性を考えているバラード。DNAが見つかれば鑑定技術は進歩しているので大きな手掛かりになるかもしれません。
DNAを調べるためにラボのスタッフ〈ダーシー〉と話をしていたら、“去年の件”で「勇敢だった」と評価されるバラード。
それ以降は物憂げな顔付きをさらに曇らせてビーチに面した〈トゥトゥ〉の家へ。ボッシュの家も夜景が素晴らしい高台という最高のロケーションでしたが、こちらはリゾート感ある雰囲気で相変わらずセンスは抜群。
イライラしている孫娘に、ライフガードの〈アーロン〉に電話して一発ヤッてこいと言えるファンキー婆ちゃんが最高だな。
「あの話をされると一瞬で引き戻される。逃げられない感じ」
一体、“去年”にはどんな事件に巻き込まれたのでしょうか?少なくとも大事な人は亡くしていそうです。
採取テープからDNAのサンプルが採れたという朗報を受けて、まずは議員も疑っている第一容疑者のブライアン・リッチモンドのDNAと照合するため、令状なしでDNAの採取に出向くバラード。
議員の側近〈ネルソン〉からも電話で報告をせっつかれてブライアンの働くタトゥーショップへ。
上手いことやってブライアンが捨てた使用済みの手袋を回収できたかと思えば、警官だとバレバレだったバラードは店を出たところで追われ、「もう俺に構うな」と凄まれてせっかく手に入れた手袋も取り返されてしまいました。
“サンビーム・ロッジ”に出向いて当時も話を聞こうとしたフロントの〈スペンサー〉に聞き込みしようとするパーカー。証拠品を見るだけだと言っていましたが、やはり気になるのでしょう。
結局、捜査に非協力的なスペンサーを見てこの事件は5年前に既に行き詰まっていたことを思い出したパーカーは再捜査に意味を見出せなくなってしまったようです。バラードの説得で1日は猶予がもらえることになるも、5年進展のなかった捜査を1日で大きく動かすには苦労しそう。
強盗殺人課の刑事〈ロバート・オリーヴァス〉には、パーカー刑事に繋いで欲しいという女性からの電話がかかってきて、退職済みだと伝えると一方的に切られてしまいます。
タイミングからしてモーテルの女性清掃スタッフでしょうか?
オリーヴァス刑事は訓練所に出向き、アポ無しで未解決事件班のオフィスへ訪問。
彼はパーカーの元相棒だそうで、切られた電話の発信元が事件と関連のあったモーテルからだと分かったので聞いて回った結果、パーカーがここにいることを突き止めたのだそう。
「調べるなら喜んで力を貸すぞ」と協力的なオリーヴァスは警官内での地位も高そうだし顔が利く存在でどこかチャーミングさもある男ですが、裏を返せば胡散臭くもあり、バラードは終始厳しい顔を緩めず「もう十分ね、わざわざどうも。次は電話して」と冷たく追い払いました。
彼に対してのバラードはかなり攻撃的でそれを隠そうともしておらず、“去年の件”にこの男も大きく関与していそうな気配。
警官には気を付けろと言われて育ってきた黒人のパーカーは、良かれと思って警察学校に入った結果友達を無くしたし母親からも変な目で見られたのだそう。
そして内情を知って、警察は偽善に満ちておりクソ野郎だらけという現実に直面して失望が大きく警官を辞めることになったのだとか。
未解決班に飛ばされたバラードもまた、「クソ野郎を告発しようとして殺人課を追い出された」人間で、厄介者のレッテルを貼られているのです。
そして、そのクソ野郎こそがオリーヴァスでした。
私怨もあって彼が解決できなかった事件を再捜査で解決できれば鼻を明かせるという理由でサンタ・ムエルテ事件を選んでいたバラード。かなり個人的な事情です。
改めてパーカーに一緒に再捜査しようと誘いをかけ、「分かった、やってやるよ」と本格的にチーム入りが決まりました。
パーカーは再度モーテルを訪ねて、捜査テープが貼られてマスコミもいる騒々しさを目にし、近くにいた女性に何があったのか聞くと、彼女と同じく清掃員だった〈ユリア〉が殺されたと言うではないですか。
ダーシーからの連絡で、ブライアンのDNAはないけれど掌紋の方を照合したらデータベースに一致があった、つまり、サラ殺害犯のDNAが別の殺人現場にもあったことを聞かされるバラード。
2008年の事件で、被害者は〈ローラ・ウィルソン〉という女性です。
こちらの事件の捜査ファイルは完璧にまとまっており、当時の担当はなんと〈ハリー・ボッシュ〉でした。激アツ過ぎる……!
1話のラストでこんなに引き込まれる終わり方をするなんて、さすがというか何というか。掴みは抜群です。
ハリー・ボッシュの名前だけで鳥肌モノになれるので、『ボッシュ』シリーズと『ボッシュ:受け継がれるもの』シリーズを長々と視聴してきて良かったなぁ(笑)
「あのハリー・ボッシュよ」と呟くバラード。バラードは受け継がれる者の時に一緒になっていましたが、凄腕の問題児ということでハリー・ボッシュの名は知れ渡っていそうですし、どの辺りまで周知されているのでしょうか。
とにもかくにも、ハリー・ファッキン・ボッシュです(笑)
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▼次回、エピソード2
