
エピソード3『破られたページ』“BYOB”
あらすじ
2006年当時、友愛会のメンバー、ニック・サッチャーの死は事故によるものとされていた。しかし、友愛会を殺人容疑で告発する動画が拡散し、バラードとチームが再捜査することになる。
ネタバレ感想
母親が警察を憎むような環境でなぜ?と思いましたが、パーカーが警官になった理由が分かりました。実はパーカーの祖父は警察功労賞まで受けた元警官で、制服姿で一緒に映る祖父と孫の写真が飾られています。
未解決班それぞれの出勤前のプライベートな光景が映され、キャラごとの背景や性質、抱える苦悩などが少しずつ読み取れてきた感じ。
ラフォンがゲイで洒落た感じの恋人〈レオ〉と暮らしているというのはなんとなく意外でした。
出勤途中に警部からの連絡で「ある未解決事件が炎上してる、早く来い」と言われ、ラフォンからはウィルソン事件の被疑者で演技講師のハーモン・ハリスが2年前に死んでいたことが分かり墓地の中だから警部に発掘令状をもらってこいと言われるバラード。
掌紋のDNAと一致すれば事件は解決ですが、不一致ならただの墓荒らしになってしまうリスクがあり、警部に危ない橋を渡らすわけにはいかないとなり、ハーモン・ハリスのアリバイ証人探しが始まりました。
炎上している事件とは、男子寮のバルコニーからの転落で兄の〈ニック・サッチャー〉を亡くした〈ラケル・サッチャー〉が友愛会の寮生が関与していると騒ぎ立てている動画がバズってしまった件です。
以前にも令状が出て逮捕されたそうで、地元ニュースが特集を組み、とうとう本部長が槍玉に上げられ問題になっているからニック・サッチャー事件を未解決班全員で細部まで徹底的に洗い直して解決しろとお達しが出ました。
議員肝入りのサラの件も後回しにしてこちらに集中せよとのこと。内輪の階級がものを言う世界です。
信心深くスピリチュアル好きなコリーンは、「知る権利がある」と考え、モーテルで殺されたユリアの両親を捜すことにしたようです。
逮捕されているラケルにニックの件について聞き取りするバラード。
深夜に兄から電話が来てろれつが回っていないこともあったし友愛会の“兄弟たち”から飲まされることに怯えている時もあった、と。
ギャング殺しの捜査に駆り出されて既に亡くなっている前任の担当者は、危険行為や暴力が蔓延っていると訴えても「男子の悪ふざけ」だと取り合ってくれなかったそうです。
血中アルコール濃度はそこそこの酔いを示しており事故説が濃厚になるのも納得ですが、新入りの〈カイル・バーネット〉とニックが女子のことをめぐって死亡数時間前に口論したとのことで、遺体を発見したのもカイルら新入り3人とくれば、「調べる価値はあるかも」と目を付けたロウルズ。
バルコニーから転落したニックの遺体にはいかにも転落したことによる傷があり、ただ、それとは別に左目の網膜剥離もあったようで転落前の傷の可能性が高いので、例の3人に会って話を聞くため同窓会へ。
チャスティンからの着信を拒否するバラードと、それに気付きながらも何も指摘はしないラフォン。温かく見守ってくれているんですかね。
5年前に提出したはずの銃弾は「管理記録には載ってるが廃棄されてる」らしく、食ってかかる勢いのパーカーの横から担当者に廃棄命令書のコピーを求めるバラード。
証拠を消したら隠蔽には違いないけれど、今はまだミスで廃棄されたという言い訳も立つ状況なので、証拠なしに告発するリスクを身をもって知っているバラードは、確固たる証拠を手にしてからでなければ疑惑を剥き出しにすることは避けたい様子。
「協力したいならバッジを手に入れて」とキツめにパーカーに選択を迫ります。
過去の隠蔽疑惑も大事ですが、今最優先なのはニックの件です。
偶然にもカイルが同窓会で街に来ていてバレーの高級ゴルフ場で昼飲み会だという情報をインスタで仕入れているマルティナ。若者が1人いると、こういう点では話が早い。
“KZE同窓親睦会”に顔を出したバラードとラフォンはカイルに声をかけてあの夜の話を聞き出します。
〈ダン・ギブソン〉と〈ジョーイ・ルーカス〉もこの場にいるようでラッキーです。
別々に話を聞くと、「俺たち3人はパーティ翌朝の清掃係で7時頃寮に着いてニックを発見したんだ。酔い潰れてるのかと」と3人それぞれ似たような供述をして、カイルとの“ケンカ”は大げさだし、飲み過ぎていた、恨みを買うような人物ではなくみんなに好かれていた、と。
転落前に頭を殴られた可能性があることを伝えるとやや動揺がみられ、何か隠してるのは刑事の目には明らか。
持ち帰って報告会になった際には、弁護士で妻子持ちのカイルとダンよりもコールズの店長をしているジョーイなら子供もおらず離婚していて失うものが少ないから口を割りやすいと考えるパーカー。
ジョーイにターゲットを絞って口を割らせるべく、学生時代には友愛会に入っていたという体育会系でいかにもなロウルズを連れて行くバラード。
「俺も友愛会に。誰かが問題を起こすと団結して沈黙の掟を守った。だがこれは悪ふざけやズルとは違う、殺人なんだ」と同じ穴の狢的存在のロウルズが切り出し、バラードが「もう味方はいない。他の2人には守るべき家庭や仕事がある、あなたを見捨てるわ。何か隠してるでしょ?」と畳み掛けるように揺さぶりをかけていきます。
転落したと思っていたけれど、バラードから頭を殴られた可能性があると聞いて、あの朝遺体のそばに落ちていた本を警官が来る前に片づけたことを思い出し、たまたま読んでいたのが落ちたのではなく、それで殴られたのかもと考えたそう。
友愛会の秘密が色々と書かれていたから警官に見せるわけにはいかず本は隠したと聞いて、その本を求めてKZE友愛会の寮へ。
もう今は使われていないという過去の記録が記された“兄弟”だけの秘密を現役の寮生に出させると、隠されていたその中身は数々の女性とのセックスの評価が写真とコメント付きで共有されたもので、この酷さを放置はせず押収してきたバラード。
コリーンとマルティナに「特捜班の作業が終わったら見直して同意が疑わしいものはウエスト管区の性犯罪課へ」と指示を出しました。
ニックに関する手がかりは、死亡前日に〈ルーシー・ダンカン〉と寝たという本人の書き込みがあり、当時本は隠されていたので彼女には未聴取です。
そして、バラードは中央あたりの1ページが抜き取られている形跡にも気が付きました。
ハーモンのアリバイ証人〈アダム・レノックス〉が今は撮影現場でケータリングをやっていることを突き止めたラフォン。
「役者がダメでも業界に未練が」と揶揄したラフォンですが、バラードは殺人課から追い出されても未解決班でしがみ付いている自分と重ねたようです。
トゥトゥとの会話で父親を思い出させるサーフボードの贈り物を「返品してきて」と厳しく拒絶していたことからも分かりますが、カウンセラーのサンドバルからもオリーヴァスの件だけでなく、父親の死にもトラウマがあることを指摘されているバラード。どんな亡くなり方をしてしまったのでしょうか。
ニックと寝たルーシーが見つかり、明日サンディエゴまで来てくれることになり、取調室を作らなければなりません。
頼んでいた銃弾の廃棄命令書のコピーも届き、サインしたのはかつてラフォンと麻薬捜査課にいた〈チャーリー・グラント〉でした。
隠蔽疑惑は内密に進めると言っていたバラードも、相手が7年相棒だったラフォンなら話は別なので、チャーリー・グラントとも話を進めやすいラフォンに経緯を打ち明けて彼と一緒に話を聞きに行くことに。
自宅まで行くと警戒することもなく話を聞いてくれて、「引退前の4ヶ月は飲み会で忙しかった。警部も承知さ、捜査はしなかった」と開き直ったサボり発言で、被害者が不法移民だろうが自分は風紀課だったから知ったこっちゃない、と。
コピーを見せると「俺のサインじゃない」とのことで、確かに筆跡は全く違いますが、それにしてもバラードへの当たりのキツいこと。
仲間内からすれば善良な男のキャリアをでっち上げで潰しかけた女扱いなのです。ラフォンにも本気でバラードに気をつけろと忠告するほど。
バラードを信じて内密に隠蔽について調べようと言ってくれるところも、「一応言っとくが俺はずっとお前の味方だ」と付け加えるところも、ラフォンの信頼度は抜群です。
もう1人の相棒だったケン・チャスティンは何度も電話を無視されてとうとうバラード行きつけの店で待ち伏せ。
どうやらバラードはオリーヴァスから受けた性的暴行を告発しようとしたらしいのですが、相棒で友達だった彼は信じなかったという過去が。泥酔した状態で謝罪されるもバラードには受け入れられず、またメンタルをぐちゃぐちゃにされています。
そうこうしているうちにルーシーが到着し、ロウルズが作った即席の取調室で聴取が行われます。
女子友愛会はいつも男子とつるんでいて、3回ほどニックと寝た彼女も合意の上での行為だったそう。
例の記録は『セックス制覇本』と呼ばれていて、男子は秘密にしていたけれど酔っ払っていつも話すので存在を知っていたしパーティーの夜に自分の評価知りたさに興味本位で捜そうとしたと話すルーシー。
自分と同じ寮の子“メレディスなんとか”とニックは付き合っていて、ニックは彼女のことを「重度の粘着女」と酷評しており後ろめたかったとし、経験が少ないことに対して不感症のマグロ女で“スシ”というあだ名を書いていたことも分かりました。
抜き取られていたのはまさにそのページだったようで、今度は〈メレディス〉を探してきて話を聞くことに。
彼女は『セックス制覇本』の中身を見るように促されて最初の数ページですぐに本を閉じてしまいましたが、バラードから「あなたのページがあったはず、破ったのね。責めないわ、ニックにあんな風に書かれたら私でもそうする。絶対そうしてた。でもあなたはまだ苦しんでる」と同情を示されて思わず涙を流したメレディス。
初めての相手でもあるニックを愛していた彼女は自分の評価を読んで酷く傷付けられ、本人が誤ってくれると思ったら平然と笑われてバカにされたそう。
さらにその後、“兄弟”との大事な本のページを破ったことにキレてきたらしく、同じ痛みを味わわせようとその本で頭を殴り、本を奪い返そうとしたニックを見て唐突に「彼が引っ張ってる時に押せば……」という考えが頭をよぎってそのまま彼を押したことを自白しました。
因果応報な死とも言えるし彼女は傷付いた被害者ではありますが、殺人には変わりないのでこのままお咎めなしというわけにもいかず、何とも後味の悪い解決です。兄を聖人だと信じていた妹への報告も気が重いな、こりゃ。
救いなのは友愛会の毒を暴き、過去の傷付いた女性たちを救済できるかもしれないという点でしょうか。
パーカーは組織そのものが腐っている警察に戻ることを悩んでおり、サインが偽造だったと確認が取れても浮かない表情のまま。
ニックの件が解決してからバラードに「バッジのことだけど、自分の決断に自信を持って」と背中を押されるパーカー。
黒人と警官とくれば切っては切り離せないロドニー・キング事件を経験している祖父が、暴動が起きて家族も街も酷い目に遭ってなお警察にとどまったのは「本性を知ったことによりある目的が生まれた。番人を見張る番人が必要なんだ」と感じたからだそうで、パーカーも同じ存在を目指す踏ん切りがついた様子。なかなか攻撃的だな。
25年前に父親を失ってからトゥトゥはその話をしてこなかったけれど、今になって溜め込みすぎている孫娘が心配でたまらないのでしょう。
バラードは少しだけ前を向き、サーフィンを教えてくれた父親と幼い自分が写った写真を飾り、トゥトゥが返品しなかったサーフボードを開封しました。
ラストにはマルティナに忍び寄る若手汚職警官の姿が……!
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▼次回、エピソード4