エピソード4『地雷原』“Landmines”
あらすじ
バラードは、メキシコのカルテルと繋がるLA市警の陰謀を暴く。手がかりをつかんだサラ・パールマン事件は、容疑者との危険な対決へとつながり、白熱する。
ネタバレ感想
ラフォンに言わせれば警察内部の汚職の捜査は“地雷原に飛び込むようなもの”で、もっと武器になるような物的証拠を得る必要があります。
状況が分かるまでは、警部や内務監査課はもちろん未解決班のメンバーにも口外禁止で3人で秘密裏に「捜査の中で汚職の証拠をつかむ」という方針がバラードによって決められました。
ハーモン・ハリスを庇っているような証言だったとボッシュが睨んでいたアダム・レノックスも、ハーモンが死んだ今となっては話すかもしれません。
バラードとラフォンは2人で撮影現場に出向いてケータリング係として仕事中のレノックスに話を聞きに行きます。
しかし、「ハーモンじゃないよ。立派な人で大勢の面倒を見てた。ローラが亡くなったのは悪夢だったよ、でもハーモンじゃない」と確信を持っていてその理由は彼を庇っていたのは確かだけど犯人だからではなく、彼が親密な仲の男と一緒だったからです。
当時は同性愛に今ほどの理解はなく、ハーモンは気にしていなかったけれど業界で売れ始めていた相手の男のために隠していたそう。
その相手の男は今も俳優をしているらしく、殺人事件の捜査だと言ってもすんなりと教えるつもりはないレノックス。口が固く義理堅い男です。
「名前を聞く」と鼻息荒くするバラードに、ハーモンなら死んでいるし、その俳優を巻き込んで被害を出したくないから他の証拠を見つけよう、必要ならまた来ればいいと説得するラフォン。自身に同性パートナーがいるだけに理解が深い。
証言にあった彼が見たバンについてだけ情報を聞いて帰ることにすると、「ナンバーは4からで青いフォードで……」と思い出しているレノックス。
捜査記録には『青いバン』としか書かれていませんでしたが、義兄が数年前に同じ車を買ったことで当時は知らなかった車種と一致していたのです。ここに来てまさかの新情報が得られました。
ナンバーが4から始まる青いバンの該当車は3000台以上あり諦めていたボッシュですが、フォードに絞り込めば378台に。
マルティナの友人のインターン先は証拠品の三次元化の会社で、検視の写真から廃棄された銃弾を再現した3D画像を作ってくれました。
裁判で使えなくても手掛かりにはなり得るので、これをフレディの所に持ち込んで確認してもらうと、プロの目から見ても「驚くほど正確」なのだそうで、フロリダゴーストの挿し木を見返りに詳しく調べてもらえることに。
オフィスに残って378台の青いフォードを洗うロウルズ、マルティナ、コリーンの3人。
大幅に減ったとは言えかなりの数に違いないので、コリーンがSNSで軽く聞いてみると“犯人はフクロウ”という人が、青いバンも使われ事件の詳細が似ている1998年の殺人事件を教えてくれました。
独身で休暇中にベガスを一人旅していてモーテルで絞殺された〈キャシー・グッドマン〉という27歳の女性。
青いバンも目撃されていてローラやサラを殺したのと同一犯の可能性もあるのでラスベガス市警に資料を送ってもらうため、バッジ持ちのロウルズに手配を頼むコリーンとマルティナ。
バラードに報告して「捜査資料を頼んだから届いたら確認する」と言ってるところにマルティナの圧が入り、慌ててコリーンの功績だと付け加えるロウルズは意外と憎めないタイプの男か(笑)
そしてコリーンはさらに「ロウルズの言うとおり確認は必要よ。でも同一犯と考えるならバンは1998年式より前のものだから調査する車両を絞り込めるわ。対象が378台から54台になる」と伝え、ボランティアにしておくには勿体ない有能さを発揮しています。
意外とすぐに調べはついて、2023年11月に起きたサウスイースト管区の事件で同じ銃弾が使われていました。
被疑者は〈ハビエル・フエンテス〉というギャングの一員で、銃の所持と発砲した罪で今も郡刑務所に服役中です。
明らかに動揺した様子のラフォンがバラードのオフィスに入ってきて、「車の事故があってチャスティンが死んだ。他にケガ人はなし。電柱に衝突した」と訃報を伝えました。
この間店の前で会って泥酔しながら謝罪する彼を酷く突き放して帰ったバラード。あれが最後になってしまったわけで、気にせずにいられるはずがありません。
自分のメンタルがボロボロになっている最悪の日にはアーロンを呼び付けるというのがバラードの悪い癖にも見えますが、アーロンもなんとなく分かっていながら受け入れてくれるようでもあるので、それなら孤独に抱え込みがちなバラードの支えになってくれるのでしょうか。
14歳の時に父親がサーフィンの事故で亡くなったことも話しており、少しずつバラードからの心の壁も崩れつつはあります。
翌日、正式に予備警官となりバッジを手に入れたパーカーから「元相棒のこと聞いたよ、キツいよね」と同情を示されますが、多くは話すつもりがなさそう。ラフォンほどではないけれど、チャスティンとは4年も組んでいたのか……。
フエンテスとの面会で死んだ男の写真を見せるとそれまで饒舌に軽口を叩いていたのが途端に焦った表情に。
追い込んでいくと、身元不明だった被害者は“サカテカス・ヌエバス”というカルテルの男で密入国案内人でした。
フエンテスには当時のアリバイがあり、銃は殺人事件の後日に入手したものだとも判明します。
意外と良いヤツなロウルズは、まだユリアの故郷ウクライナにいる両親を捜しているというコリーンに自分の警備会社の警備員〈アンドレイ〉がキーウ出身だから協力できるかと言ってくれています。
トパンガ在住でストーカーの前歴がある〈コールマン〉が登録している95年式フォードを発見したマルティナ。
令状が取れるかもしれないのでとりあえず家に行ってみるというバラードに「1人で?応援なしで?」と心配し、流れるように着いていく羽目になっているロウルズはやはり根は良いヤツキャラで確定だな(笑)
ボッシュの愛車だったジープのチェロキーはかなりカッコよかったですが、バラードの運転するトヨタのランクルもオンボロながら味があって良い。カラーリングも含めていかにもサーファーっぽいんですよね。
山奥にポツンとある一軒家には誰もいないようで無駄足だったかと思いきや、車が出て行き慌てて応援を呼びながら追いかけるバラードとロウルズ。
しかしヘリを要請しようにも渓谷は電波が入りづらく、応援は期待できません。
追跡の途中で道の真ん中に停車した青いバンを見つけ、銃を構えながらおそるおそる近づく2人。
車には誰も乗っておらず、背後にはショットガンを持ったコールマンが半狂乱になっています。
なんとか銃を下ろさせて手錠をかけると、多少は冷静になったようで「子供がいる、子供に会いたいだけなんだ。ストーカーじゃないし誰も殺してない、あの女のせいで会えない」という悲痛な訴えは真実なのでしょう。
そこから警察が来るまでの4時間をバラードとロウルズは山奥で過ごすハメになり、仲間内ではこれが笑い話になるのか(笑)
メキシコ当局の確認が取れて、身元不明遺体は〈ルイス・イバラ〉で、失踪の1年前に子供が生まれてたそうで、例の消息不明の赤ん坊は彼の子なのでしょう。
当局には頼らないので、イバラの家族に直接話を聞くしかありません。
翌日に元相棒の葬儀があるというのに明日の仕事の話をし出したバラードにパーカーは驚き、横にいたラフォンも「行かないと後悔するぞ」と背中を押すも、頑ななバラードは話を切り上げて帰ってしまいました。
ただ、翌朝には警官の正装である制服に身を包み、葬儀に参列するバラードの姿が。
そしてオリーヴァスに声を掛けられたバラードを助けたのはラフォンで、「今日は仲間が必要」だと考えたパーカーと一緒に参列してくれていたのです。
ケンが刑事になった時の相棒としてスピーチをしたのは『ボッシュ』シリーズではお馴染みの凸凹コンビの片割れ〈バレル・ジョンソン〉で、相方の〈クレート・ムーア〉も見守っており、本来はテンションが上がるコンビの登場ですが悲しみのムードなのが残念。
チャスティンの妻から話しかけられたバラードは、ケンカがあってこじれたままだったことは知っているけれど来てくれてよかったし、オリーヴァスのことについて間違っていたと彼が話していたことを教えてくれました。
「職場で聞いたらしいの、オリーヴァスが元相棒と寝たという話で“彼女が求めてきた”と冗談を。でもその話ぶりでは彼が一線を越えたみたいでケンはあなたの話が本当だと気づいた。打ちのめされてたわ」と。
アンドレイと会って話したコリーンでしたが、職場で待っていたロウルズから「ユリアの両親は亡くなってたんだ、紛争で街全体が破壊されて」と報告を受けます。
思わず涙が溢れてしまって座り込むコリーンの横に何を言うでもなく、静かに座って寄り添う姿勢を見せたロウルズでした。
葬儀の翌日、パーカーにも来てくれたことのお礼を伝えるバラード。
2人はフエンテスと弁護士に呼ばれて郡刑務所を再度訪れており、不当に長引いている刑期満了と証人保護と引き換えに証言するとのこと。
地方検事への連絡を約束すると、イバラを撃ったあの銃は使い回しで、カルテルではなく警官が銃を流していると言うではないですか。
しかも「銃だけじゃない、ドラッグや密売にも手を出してる」とのこと。
白人の40代の男で“モンタナ”と呼ばれているLA市警が保安官ヅラもしていて、数年前の手入れで5人捕まり、2人はモンタナにやられて集中治療室送りになったのだそう。
調べてみるとフエンテスの話と一致する5年前の手入れで5人逮捕、2人が重傷の記録が出てきて、誰が暴行したかは書いてありません。
ラフォンは参加した警官のファイルを記録を残さず取ってきてくれており、40代白人男に絞ると候補は6人。
過剰行為で何度も抗議を受け、違法薬物での免職を避けて2022年に辞職している〈アンソニー・ドリスコル〉は“トニー”という愛称で呼ばれる名前で、『トニー、暴力、ドラッグ』とくれば“トニー・モンタナ”だと、映画『スカーフェイス』のキャラになぞらえた呼び名であることに気がつくパーカー。
写真で面通しをされたフエンテスは間違いなくドリスコルを指し、調べる対象が決定しました。
前に失敗した二度目の内部告発に向けて覚悟を決める必要があるバラード。
チャスティンの葬儀で妻から聞いた話がバラードの心待ちを少なからず変えてくれていて、失敗に終わったオリーヴァスへの内部告発の内容について、「話しておく。パーティーで襲われたの。直後に会ったチャスティンは証言を裏付けなかった。オリーヴァスは不問に」と自らパーカーに打ち明けました。
ドリスコルはあの現役の悪徳警官とももちろん繋がっていて、未解決班のメンバーだと知ってて狙われているマルティナが心配です。
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▼次回、エピソード5
