エピソード21『残される者』“Holding On”
あらすじ
肉体と心の両方に起因する疾患を呈する患者が登場。
ネタバレ感想
前話のラストで嫌な予感はしていましたが、やはりウィルソンのガンは消えておらず、高用量の抗ガン剤を使用したあの一か八かの苦しい治療も意味がなかったとのこと。
たとえ5ヶ月で死に至ったとしても、1年間病院で苦しむのは嫌だから「化学療法をやめる」ことをハウスに宣言するウィルソン。
この決断をしたことについてハウスに謝るウィルソンはよほど決意が固いのでしょうし、残される者の辛さを理解してそれを謝るのがウィルソンらしいというかなんというか。
自分はハウスが壊れることを心配するあまり、ウィルソンの死亡予定日の翌月から始まるシーズンチケットを贈って手回しするフォアマンは、チームには「いつもどおりにしろ」と指示したようで、「ウィルソンが末期でチェイスもいないのに?」と身も蓋もない言い方で現実から目を背けてはいないハウス。
大量の鼻血とめまいがある19歳のチアリーダーをチームで担当することになっているけれど、ハウスはどうやって親友に治療を受けさせるかで頭がいっぱいです。
チームの力を試すようなやり取りもなく「患者は正中線肉芽腫だ、スキャンしろ」と興味なさげながらも手早く診断を済ませた後はウィルソンのオフィスへ。
あらかじめコーヒーに薬を仕込んでおいて、眠らせたウィルソン相手に勝手に治療を始めるハウスは無茶苦茶ですが、「俺たちは5ヶ月後も一緒にツルめるんだぞ、君が死ななければな」という言葉にすべてが詰まっています。そうですよね、ウィルソン本人の希望と言えど、ハウスがウィルソンの延命を諦めるはずもないし、緩やかな死を望む相手を何もせず黙って見守る男ではないのです。
MRI中に側頭葉への反応があり、本人は認めなくても幻聴が聞こえている可能性が出てきた患者〈デリック〉。
ハウスの指示で寮の部屋を調べると、引き出しに少年の写真が隠されていて本人にどういうことか聞くと10年ほど前に亡くなった弟の〈クリストファー〉だそうで、10年間死んだ弟の声が聞こえていたのです。
恋人は弟がいたことすら初耳で、「私を信じてないの!?」と責め立て、デリックはもう帰って今後病院には来るなと彼女を突き放しました。
息子を飲酒運転で殺された父親は酒に走った末に去り、母親と引っ越して以降は弟の写真も処分して二度と口にしなかったのだそう。
この病院でウィルソンの初めての患者で、目と命を救われた〈マイケル“マイキー”〉をカフェテリアに呼んでウィルソンと引き合わせるハウス。
すっかり成長して好青年になったマイケルから医者を志していることを聞かせる、実に分かりやすいやり方ですが、死に急ごうとしているウィルソンには効果的かもしれません。
他にもウィルソンのおかげで生還した元患者達を呼び寄せていたからカフェテリアはあんなに混雑していたのか。
しかし、感動的な演出は少々やり過ぎだったようで、マイケルを含めて皆ハウスに雇われた演者だったとすぐに見抜かれてしまいます。
あの手この手でウィルソンに治療を受けさせたいハウスは13番にも連絡を入れて彼女を呼び戻したのかと思いましたが、ウィルソンが自分で連絡を入れたようです。
同じく死期が近い境遇に立つ13番に死について「どんな感じだ?」と聞きたかったらしく、彼女からも化学療法を試してみることを勧められるウィルソン。
偽物の元患者が効かなかったことで、本物の家族を召喚するためハウスは何度もウィルソンの親に連絡を入れています。
13番はハウスの前にも現れ、ウィルソンの希望に反して生きろというハウスに「お互いの意見を尊重するのが友情よ。先生は認めないでしょうけど、先生が私をクビにしたのは余生を自由に過ごさせるためよ。きっと誰よりも私のためを思ってくれた、私を好きでもないのに」と諭し、ハウスはウィルソンに降伏宣言。
ウィルソンの意見を尊重することに決め、魂胆なしで残された時間を2人で楽しむことに。
ウィルソンが死ねばハウスも破滅するだろうと読んで、自分の推薦状を作成してフォアマンにサインを頼むタウブもまたチームを去るつもりで、やはり診断科は解散される流れなのでしょうか?
患者には「弟の死に向き合わなかったせい」で精神症状が出るという状況が、ハウスとウィルソンの関係にも近い将来有り得そうな話だという皮肉なリンクの匂わせで、これがミスリードであることを願うばかり。
アダムズは駆け付けてきた患者の母親に10年間弟の声が聞こえていることと、「悲しみの抑圧が症状を引き起こしてるかもしれません」と教えますが、母親はまだ弟の死に向き合う覚悟が決まっていない様子。
レストランでのディナー中、思い出話で友情を確かめ合い、すっかり良い気分になったウィルソンは治療を受けてみてもいいかも……と揺らぎかけて、これもハウスの策略なのではないかと疑い始めます。
確かにそれもあるかもしれませんが、実際にそういう気持ちになったのはウィルソン本人です。
「君が必要なんだ、長く生きてほしい。君なしじゃ……」と言いかけたハウスに「やめろ!君に借りはないぞ。この友情は君が主役だった、今回は僕が主役だ」と遮って席を立つウィルソン。相当追い詰められています。
理不尽に死は迫っており、やりようのない怒りが込み上げてきたウィルソンは駐車場に停めた車の中で涙を流し、死にたくないなら闘えというハウスに「友達が必要だ。君に支えてほしい。価値ある人生だったと言ってほしい。愛してると言ってほしい」と本音を吐き出しました。
「断る。闘わなけりゃ言わない」と車を降りるハウス。今回はどちらが折れることになるのか……。
病院では、ハウスのイタズラのせいで患者のMRIを撮っていた真上の天井が崩壊してアダムズとパクも負傷。
今さら戻ってきて診断を続けようとするハウスにブチ切れるアダムズは無視し、患者がアダムズとパクを間違えたと聞くと注射針を持って病室へ。
鼓膜に針を刺して吸引したのは空気ではなく血で、本来は胎生期に消えるはずの遺残性あぶみ骨動脈でした。
動脈が側頭葉を圧迫して幻聴やめまいを引き起こしていたのです。
ウィルソンのことは見限ったと言うハウスに、死期が近い親友を突き放すなんて最低だと諭そうとしたタウブでしたが、「生きるのは苦痛だ!俺は寝ても覚めても痛い!何度あきらめて死のうとしたと思う!?」と声を荒げて反論してしまうハウスもよほど参っております。
治療で弟の声を聞けなくなることを恐れたデリックはアンモニアを飲んで自殺を謀ったのだそう。
それを聞いたハウスは頭に血が上って病室に行き、死にたいなら死なせてやると患者のクビを締め上げようとし、抵抗するのは生きようとする本能だと怒鳴り付けた結果、パクに杖でどつかれ「先生は真実を探し続けてる、でもひどい真実だってある」と言われてしまいました。
一方、ウィルソンはフォアマンに予定より大幅に早く病院を去ることを相談し「親子じゃないんだ、ハウスの幸せに対して責任は持てない」とも伝えます。
これに対してフォアマンは「あなたに責任がある。この20年間3人の奥さんがいた。何百人の同僚、何千人の患者。でも親友は1人だった。大事なのは治療じゃない、思いやりです。大事な人のために苦痛に耐える、それが人生では?」とのこと。
何故一番辛いはずのウィルソンがやや説教されてるのかとも思いますが、言っていることも分からなくはないし、とにかく少しでも長生きできるのなら辛かろうと全力でしがみついて欲しいのです。
デリックは手術を受ける代わりに持って行かれてしまったクリストファーの写真を返して欲しいと母親に頼みました。
耳の中から異物が取り除かれ、クリストファーの声が消えて手術は成功。
実は母親はクリストファーの写真を捨てられていなかったようで、デリックに隠していたたくさんの写真を見せてやります。
10年越しにようやく2人が幼い家族の死に向き合えたのだと思うと感慨深いラストでした。
2人にとって思い出深いお菓子のオレオの箱を見たウィルソンは夜中にハウスの家を訪ねます。
「化学療法を再開する。君には僕が必要だし、それは悪いことじゃない」
「ダメだ。君しか俺を操れない、君を無視して患者を殺しかけた。そろそろ受け入れるよ、君の方が賢いってね」
「残り5ヶ月でもいいのか?」
「よくない。でもないよりマシだ」
ようやく2人の意見に折り合いがつき、前向きに残りの5ヶ月を共に過ごすことに。
翌日、オフィスで2人が最後の思い出として山登りの計画を立てていたところにフォアマンと顧問弁護士の〈マット〉が難しい顔で入ってきます。
水漏れしてMRIを壊したパイプに詰め込まれていたハウスの年間シートチケットが出てきたらしく、ハウスの指紋もついていると。
内々に済ませたかったのに、消防局から警察に伝わり、保護観察官にも話がいってしまい、器物損壊罪で仮釈放が取り消されると言うではないですか。
残り僅かなウィルソンとの時間が5ヶ月なのに対し、月曜から始まる刑期は6ヶ月だという残酷な報せが。
そんか不幸があっていいのか?これまで好き放題やってきたツケにしてもあまりに酷過ぎる……。どうにか正式に服役を回避するのか、2人で逃亡するのか、ウィルソンが治療を受けて延命に繋がるのか。
とうとう次回がファイナルシーズンの最終話です。ハッピーエンドであってくれ……!
Dr.HOUSE/ドクター・ハウス コンプリート ブルーレイBOX【Blu-ray】 [ ヒュー・ローリー ]
プライム会員になれば、会員特典対象の映画やドラマ、アニメ、Prime Original 作品が見放題。30日間のトライアル期間でお試しも可能。
▼次回、最終話エピソード22

![Dr.HOUSE/ドクター・ハウス コンプリート ブルーレイBOX (初回限定生産) [Blu-ray] Dr.HOUSE/ドクター・ハウス コンプリート ブルーレイBOX (初回限定生産) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51F84AREAnL._SL500_.jpg)

