エピソード3『母と娘』“CLAIRE”
あらすじ
執刀医の第1号に指名されたクレアは、14歳のミシェルの胆嚢摘出をすることになるが、ミシェルの母親の逆鱗に触れ、突然執刀医を外される。ミシェルからの要望とメレンデスのサポートによって無事手術を成功させることができ、上機嫌のクレアだったが、母ブリーズが交通事故を起こしたという知らせを受け、現場に駆けつける。そこで目にしたのは運転席で死んでいる母と足元に転がる開栓されたシャンパンボトルだった・・・。
ネタバレ感想
クレアの初執刀の日がやってきました。
患者は14歳にして妹を育てている〈ミシェル〉で、簡単な腹腔鏡下胆嚢摘出術をすることになりそうと分かり、患者の目の前で「クレア、よかったね。初めての手術だ」と言ってしまうショーン(笑)
カーリーとのデートも続けており、なんと昨夜は83の質問とそれに付随するすべての問いに答えさせたらしく、将来は子どもが欲しいかどうかといった重たい内容を含めて質問責めにしたようです。
最初は、自分の質問すべてに答えてくれたカーリーに満足そうだったショーンですが、クレアから何気なく聞かれた、『次の約束』や『別れ際のキス』をしていないことでまたパニック気味に。
手術が終わり次第、自分がカーリーに話をしてやると言ってショーンを落ち着かせたクレア。思いの外早く手術室に空きが出て、緊張しながらもやるしかありません。
ただ、遅れて到着した母親は胆嚢炎で手術になる娘の心配よりも学校や里子の世話の心配をするだけ。
話している最中、頻脈を起こしたミシェルは肺塞栓症になっており、避妊用ピルが原因でした。
手術が翌日に持ち越しとなったのはいいとして、カテーテルを入れようとした際の過剰反応や太腿にある引っ掻いたような傷が気になるところ。
傷の方はおそらく自傷行為によるものだろうと見抜いたクレアが本人に詳しい話を聞いてみると、家庭の中で自分だけが里子ではなく、14歳で3人の母親役を強いられているという傷ついてグレるには真っ当な理由です。
そしてなんとなんと、『ドクター・ハウス』のウィルソン先生でお馴染み、ロバート・ショーン・レナードが患者役で登場です。
1時間以上格闘して釣り上げたマカジキの鼻が足を刺さって取れず病院送りという、もしここにハウスがいればどんな揶揄られかたをしたのか分からないくらいに情け無い姿で嬉しくなります(笑)
念願のマカジキに父の名からとった“フランクリン”という名前を付ける変わり者で、足はどうなっても訴えないからマカジキの頭を切り落とすのだけはやめろとのこと。
仕方なく魚ごとMRIにかけようとするも、 ルアーが残っていたのか金属に圧がかかって爆発。幸いにも片側からだけの破裂だったので剥製にするのは問題ないそうですが、衝撃で動脈が傷付いて人間の方から血が噴き出し、とっさにクレアが傷口に指を入れて出血を塞いだ状態のまま緊急手術に。
手術はリム先生が殺到して上手くいったようで、緊張を吐露するもたとえ思ってても女性で白人ではないマイノリティな自分たちだからこそ不安を表に出すなと激励された感じ。
ティーン時代に双極性障害に加えてアルコールとドラッグの問題も抱えていた母親のせいで自分を抑える必要があったと言う点でクレアはミシェルに共感できるのですね。
自身の経験も踏まえて精神科医に診てもらうよう本人をその気にさせました。
初手術を控えて集中したいクレアを邪魔するかのように、マカジキの患者の件を話題に上げるレズニックとパクのコンビと、カーリーに話をしてもらいたくてたまらないショーン。
極め付けはリム先生から呼ばれるとミシェルの母親が勝手に精神科医を呼んで会わせたことへのクレームを入れており、「医事委員会に報告する」とご立腹。
母親を納得させるためにも自傷の恐れがあるなら判断は正しかったけれど担当は交代させると宣言するリム先生。クレアを守るために母親の前で敢えて厳しさを見せたのでしょうが、記念すべき初執刀の前に挫折した気分でしょう。
娘を苦しめている母親に腹が立ってしょうがないのに、重圧から解放されてホッとしてる自分もいてその矛盾に葛藤するクレア。
自分の母親のカウンセリングに同行し、気持ちをぶちまけたクレアに、「あなたは私のお手本、私の心の支えよ」と本音での励ましを見ると、親子関係は逆転しているような気もしますが、足枷のような母親でも娘への愛情は本物のようです。
メカジキの患者の足が治らないのは足だけにガンがあるせいだと閃いたクレアはこれを担当の2人に伝えます。逆の立場なら絶対に教えてくれなさそうですが、こういうところがクレアは優しいのです。
そして、ミシェルは「ブラウン先生に手術して欲しい、他の人は嫌!」と病室で暴れていて、そんな彼女を宥められたのは後任の担当であるメレンデス先生でも母親でもなく、クレアだけでした。
メレンデス先生は「ミシェルの心に寄り添える最もふさわしい執刀医だ」と母親を説得してくれて、“最高の指導医”付きなら何も怖くありません。
クレアから感謝されて「ボスなら当然だ」と言うメレンデスの言葉に、自分は訴訟を回避するためにクレアを降ろしたボスという立場のリム先生はやや苦い顔。
カーリーは意外と気の強いタイプか。
ショーンが質問責めにして困らせていないか気にしていたことをクレアから教えられ、本当に彼女は楽しんでいたらしく、ショーンが気にしたきっかけがクレアの言葉にあったと分かると、「あなたは好きだけど親友じゃない。私が彼の質問をどう思うか勝手に決めつけないで。ショーンと私には誰のお節介も必要ない、引っ込んでて」とピシャリ。
クレアも決してショーンを狙って女友達のフリをして破局に向かわせるタイプの嫌な女じゃないのにあんまりな言われようです。
実際、カーリーの立場からすれば悪気なく善意のつもりで自分のお相手に近付かれて掻き乱されるのが一番嫌なのかもしれませんが。
クレアの初執刀は生真面目な彼女の性格がよく表れている抜かりの無さで順調そのもので、熱心に勉強と練習を重ねていただけあって不測の事態にも見事に対応。
しかし、胆嚢摘出後にどこからか出血してしまい、どんどん溢れ出てくる血液と低下中の血圧。
ここでもメレンデス先生が指導医らしく原因と対処を述べさせてパニックになることなく事を運び、初執刀は大成功に終わったようです。
ミシェルは医師を志し始めたらしく、彼女の母親も今回の件で思うところが大きかったのでしょう、精神科医の名刺をもらえないか、とクレアに頼んでいて、娘への態度も母親らしいものになってきました。
足を切断することになって、ガンが転移して末期になることはなかったのは医師的には結果オーライですが、本人からすればさすがに辛いだろう……と思いきや、剥製になったマカジキのフランクリンを「命の恩人」だと言ってハグしており、底抜けに魚好きでポジティブなウィルソン……ではなくこの患者が最高です。
『ドクター・ハウス』も見ていた方なら、こっちの世界線ではガンになって助かるという希望ある展開とトンチキなキャラを演じさせられているウィルソンに嬉しくなること必至。
すべてが順調だったはずのクレアでしたが、病院を出るタイミングで母親から電話がかかってきます。
出てみると、母ブリーズではない相手からでした。
愕然とした表情で向かった交通事故の現場では既に運転席で死んでいる母親の姿が……。
執刀直前にセルフィーを送って報告できていたのも、それを見て喜んでくれていたのも、せめてもの救いではあります。
ただ、「今夜はお祝いよ、ごちそうを作ったの。デザートを買ってくる、あとでね」という留守電のメッセージはクレアを悔やませるには十分ですし、その上車の中にはクレアが戸棚に隠しておいた酒瓶が転がっていて、また誘惑に抗えなかった裏切りの示唆もあり、色んな意味で母親を失ってしまったクレアが気の毒でなりません。
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