エピソード13『父と子』“Spilled Milk”
あらすじ
希少疾患により、競技ダンサーは難しい決断を迫られる。リアの妊娠がショーンとの間に生じていた溝を浮き彫りにする。
ネタバレ感想
「子供が生まれる」ことに興奮冷めやらぬショーン。
リアに「お医者さんじゃなくて父親でいて」と言われるほど、医師ならではの過保護さを見せていましたが、ある意味お医者さん気質でいてくれた方が献身的で安心感も得られそうですが。
クレアの自宅には父親を名乗る〈マイルス・ブラウン〉が突然訪ねてきます。
玄関先で様子がおかしく脳卒中になった数十年ぶりの父をすぐ病院に運べる機転はさすが医療従事者です。
腹部CTを撮ることになって「私は末期ガンだ」と明かしたマイルス。それでこのタイミングになって娘の前に現れたのでしょうか?
化学療法でガンは縮小したのに途中でやめたせいで転移してしまったようで、あまりに辛すぎるからこれ以上の治療は拒んでいる本人。
痛みに鈍感だというダンサーの〈マヤ〉がERに来て、エコーで診てみると後腹膜出血ですぐに手術が必要に。
執刀したアンドリュース先生でも慌てるほどの緊迫した状態なのに平気な顔をして付き添いのパートナーと話していたマヤはそもそも別の疾患がありそう。
血小板がとても大きいベルナール・スーリエ症候群で血が固まりにくいために手術で大量出血していたらしく、些細な兆候を見逃すべきではないと説明するとパートナーの〈レオ〉に促されてここ数ヶ月左脚に肉離れの症状があることを話したマヤ。
マヤのことを心底心配して寄り添うレオですが、彼はゲイで私生活でも恋人というわけではなくあくまでも競技上のパートナーなのが意外です。
マヤの脚には出血による偽腫瘍ができており、それが骨を溶かしていたという恐ろしい症状が発覚。
腫瘍が大きくなり過ぎて破裂したのに、それでも手術を受けたがらないマイルスと、自分を捨てた父親を許せずにいるクレア。
本人は帰りたいと言うも、今退院させれば死ぬことは分かっているのでリム先生から心の傷が深いことを承知でクレアに「背を向ければ後悔する」と話がありました。
チタン製の骨を寛骨臼と脛骨にセメントで固定して理学療法でまた踊れるまでに回復を見込める反面、手術で命を落とす可能性も10〜15%の確率で起こる大腿骨頭置換をマヤに勧めるショーン。
もっとも安全なのは合併症が起こりにくい脚の切断ですが、ダンサーとして脚を失うことは避けたがるだろうと見越しての提案に、マヤは案の定「脚は絶対に残して」とのこと。
そして、死ぬかもしれないならやりたいことがあると頼んだマヤは手術前に病院のフロアでレオと優雅にダンスを踊ってみせます。
「2人がセックスしてないなんて信じられない」というショーンの評価も納得な姿です。
レオと踊るマヤを見て、彼女がレオを愛しているから踊れなくなれば彼を失うと思って危険な手術に踏み込もうとしていることに気が付きいたアッシャー。アッシャーにも昔はユダヤ教徒同士で結婚を期待されていた〈レイチェル〉という幼馴染がいて、そのつもりでいたけれどその後男の子を好きになって世界が輝いたし自分を騙していたこと、レイチェルの時間を無駄にする前に彼女もまた自分ではない誰かの世界を照らすべき存在だと気が付いたことを打ち明けます。レオに気持ちを伝えるよう後押ししても、「今のままで十分」と関係を壊したくない気持ちが勝っているマヤでした。
その夜ショーンはマヤ達のようにリアとムーディーな雰囲気の中ダンスを楽しもうとするのですが、少し動いて吐き気がしてしまったリアからまた今度、と却下されてしまいます。
自分はお腹の中の胎児と繋がりを感じないし疎外感があると本音を伝えてしまったのは悪手で、ただでさえホルモンバランスの変化でピリピリしていてつわりがキツそうなのに仕事も頑張っているリアがこれを随分と身勝手な発言だと怒るのも当然の結果でしょう。
翌朝リアは、子供のことを医学の対象としてしか見てない男とあと9ヶ月も乗り切らなければならないなんて不安だし、きっとショーンを恨んでしまうだろうことが一番心配だから繋がりを感じて欲しいと頼み、お腹に頭を近づけてブルーベリーサイズの子と話してみるよう言います。
しかし、ひとしきり喋ってもショーンは医学的な根拠をもとに明らかに繋がりは感じていなさそう。
どうせ無関心だから健診には来るなと言われてすぐに「わかった」と受け入れてしまうところがショーンの特性だよなぁ。
リアの手術中に拒絶反応が出て、輸血なしでは失血死のリスクが増すという状況の中、このままいくか脚を切断して確実に彼女を生かすかという判断を迫られた医師陣。
代理人のリオに決断してもらうことになり、アッシャーは脚を残したいという本人の希望はあくまでもリオを愛していることが根底にあるからだと話し、脚がなくても一緒に生きていくほど愛しているかの覚悟が指針になりそう。
リム先生に言われてしぶしぶ父親と話したクレアは、手術を受けないのなら今も臆病者だと捨て台詞で病室を出ます。
おかげで手術は受けてくれて安定したそうですが、手術中にCTで映らなかった大量のポリープが見つかったそうです。
しかも生検にかけてみると子供に遺伝する確率が50%の遺伝性疾患の家族性大腸腺腫症でした。陽性だとしても早期発見に繋がるからすぐ検査を受けるようリム先生から言われたクレアは、同じく父親に傷付けられた経験のあるショーンに検査をしてもらいながら話してみて、まだ知らない自分の子に愛着を感じられずにいるショーンから「お父さんを知ればいい」と単純でいて核心に触れるアドバイスを貰いました。
リオの判断でマヤの脚は切断に。
目覚めて狼狽える彼女に愛しているから2人で頑張ろうと伝えていたリオですが、その後自分で満足かと問いただされて十分じゃないことが分かってしまいます。
リオがそばにいる限り、他の人を愛せない自分をよく分かっているマヤは彼を自ら遠ざけたそうです。そう上手くはいかんよなぁ。
健診に行かずに診察をしているショーンを見つけたグラスマン先生は、自分も子が産まれた時に父親業に馴染めず仕事に逃げていたこと、それを後悔していることを話してやります。
「君は後悔するな、できるだけそばにいるんだ」と言われたショーンはリアの健診に遅れて同席し、聞こえた心音とエコーの画像でようやく自分たちの子を実感できた気配。
パク先生の親切に過剰反応を見せていたモーガンのツンデレさが爆発しておりました。
性悪だからこそ人間関係で一歩踏み出すことに臆病になりがちなモーガンをパク先生が大人の余裕でいなしたり応戦したりという構図が良いんですよね、この2人。
クレアも死に直面した父親を許せたみたいですし、ジョーダンが言っていたように許しというものは相手のためというよりも自分のためなんだなと感じさせる清々しい表情を見せてくれて良かった。
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