ラストナイト・イン・ソーホー
あらすじ
ファッションデザイナーを夢見て、ロンドンのソーホーにあるデザイン専門学校に入学したエロイーズは、寮生活になじめずアパートで一人暮らしを始める。ある時、夢の中できらびやかな1960年代のソーホーで歌手を目指す美しい女性サンディに出会い、その姿に魅了されたエロイーズは、夜ごと夢の中でサンディを追いかけるようになる。次第に身体も感覚もサンディとシンクロし、夢の中での体験が現実世界にも影響を与え、充実した毎日を送れるようになったエロイーズ。夢の中で何度も60年代ソーホーに繰り出すようになった彼女だったが、ある日、夢の中でサンディが殺されるところを目撃してしまう。さらに現実では謎の亡霊が出現し、エロイーズは徐々に精神をむしばまれていく。
予告動画
「ベイビー・ドライバー」のエドガー・ライト監督によるタイムリープ・ホラー。
エロイーズ役を「ジョジョ・ラビット」「オールド」のトーマシン・マッケンジー、サンディ役をNetflixの大ヒットシリーズ「クイーンズ・ギャンビット」のアニヤ・テイラー＝ジョイがそれぞれ演じる。
ネタバレ感想
壮大なタイムリープ物で複雑な話だと思い込んで観に行きましたが、意外にも話は単純明快分かりやすく、不思議な没入感のある映画でした。
とにかく60年代のロンドン推しで、レトロ感溢れる誰もが一度は聞いた覚えのある音楽ばかりでノれます。
デザイナーを夢見る〈エロイーズ〉こと〈エリー〉は、服飾学校に合格し夢のロンドン生活が始まるのですが、ルームメイトからは張り合われ馬鹿にされ田舎娘がロクに馴染む事も出来ずに屋根裏部屋の賃貸情報を見て、すぐに寮を飛び出し間借りする事に。
この部屋と古い音楽のリンク、そしてエリー自身の元から持っていた“力”の影響で、かつて同じ部屋に住んでいた歌手を夢見る〈サンディ〉の身に起きた過去を追体験していく事に…。
精神を蝕まれエリーがどんどん追い詰められていく過程も、なんとなく予測の出来るミスリードの数々も、ありがちな展開ながら全体的にレトロ感溢れる雰囲気と音楽が非常に効果的でそこまで安っぽくもならず。
大家の婆さん〈コリンズさん〉がサンディこと〈アレクサンドラ〉で、娼婦の如きサンディである自分自身を殺し封じ込めた、そして、自分を慰み物にする男達を文字通り殺しまくり死体を床下に隠しておいた、と。
男子禁制だったり、改築したくないと話していたり、あの家に対する流儀を語るコリンズさんの言葉が分かりやすく伏線になっています。
母親の幻影を見るという掴みがもっとサンディに絡んでいたり、オチに活きてくるのかと思いましたが、そこはそうでもなかったのが残念なところですが、適度なB級ホラー感もあってなかなか楽しかったです。
そして、元警官のおっさんはどうなったのか…雑な扱いのままで終わってしまいました(笑)
評価(平均点高めの設定です。)
4.1 /5 点！
全体的にストーリーというよりも音楽や雰囲気を楽しむ作品で、劇場で観るに限るな、という印象でした。
概要
監督：エドガー・ライト
時間：1時間55分
配給：パルコ
公開日：2021年12月10日
