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劇場鑑賞≫≫The Lighthouse ライトハウス

The Lighthouse [DVD]

ライトハウス

あらすじ

1890年代、ニューイングランドの孤島。4週間にわたり灯台と島の管理をおこなうため、2人の灯台守が島にやってきた。ベテランのトーマス・ウェイクと未経験の若者イーフレイム・ウィンズローは、初日からそりが合わずに衝突を繰り返す。険悪な雰囲気の中、島を襲った嵐により、2人は島に閉じ込められてしまう。

 予告動画


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「ウィッチ」のロバート・エガース監督が、「TENET テネット」のロバート・パティンソンと名優ウィレム・デフォーを主演に迎え、実話をベースに手がけたスリラー。外界と遮断された灯台を舞台に、登場人物はほぼ2人の灯台守だけで、彼らが徐々に狂気と幻想に侵されていく様を美しいモノクロームの映像で描いた。

ネタバレ感想

何というか、一言で言って『ドン引き』な映画でした。

舞台はとある孤島で、新人の灯台守として派遣されてきた〈イーフレイム・ウィンズロー〉を主人公に、ベテラン灯台守の〈トーマス・ウェイク〉と二人きりの生活が描かれます。

灯台というとひっそりと佇むようなイメージがありましが、こんなに煩いのか…。

自分達以外誰もおらず、容易に逃げ出せる訳でもない閉鎖的な空間で、衛生面には問題があるわ至るところが老朽化しているわでそれだけでも劣悪な環境なのに、二人きりで4週間過ごさねばならない灯台守のじじぃトーマスが監獄もびっくりなゴリゴリのパワハラ上司なのです。

威圧的なんてもんじゃありません。あんな環境であの態度って、もう洗脳しきるか寝首かかれるかのどちらかしかないでしょう。

主従関係は絶対で、かつ敵対関係にもあるのですが、閉鎖的な空間の為せる技なのか酒を飲めばお互いに心を許し合っているようにすら見える一面も。共依存にも近い歪んだ関係になりつつあります。

酔い潰れて視察船に乗り込めず、嵐の中絶海の孤島に取り残される事となるも、もはや現実から逃避できるのは元凶の酒しかなく、狂宴につぐ狂宴の末に酒が無くなると灯油を飲み下してハイになるという異常さ。

人が狂っていく様がまざまざと描かれているまではともかく、あまりにオカルトチックに偏った演出もあるので「実際に起きた事件に着想を得た」という触れ込みに期待して見に行くと「ひぇぇ」と感じる人が多そうです。

人魚とか神話とかそういった方面で暗喩が散りばめられているのでしょうが、前情報無し、パンフレット無しの凡人には、ラストシーンを見終わってもただただ「えええ…(困惑)」となるばかりでした。

 

あの『ミッドサマー』のA24製作らしいのですが、色鮮やかで圧倒されるような映像美が何より特徴的だったミッドサマーに対して、こちらは全編通して白黒かつ、アスペクト比が正方形に近い懐かしのスタイルで、真逆に近いながら別物の美しさは感じます。

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実はイーフレイム・ウィンズローという名は主人公が前職で就いていた木こり時代のこれまたパワハラ上司の名前で、ウィンズローが足を滑らせ丸太に飲まれていくのを黙って見ていたという秘密が。

本名は〈トーマス・ハワード〉だと明かすのですが、話の元になった事件も二人のトーマスに纏わるものだったとはいえ、もう名前が同じという時点で意味ありげ過ぎます。

爺さんも主人公自身だったのか?というのがまあありそうな解釈ですよね。

 

映像も演出も音響も、全てにおいて不穏感の出し方が抜群で、じっとりねっとり嫌な感覚が始終付き纏ってくるようでした。

海鳥がトラウマになりそうです。

評価(平均点高めの設定です。)

  3.9 /5 点!

The Lighthouse <ロバート・エガース監督作品>

概要

監督:ロバート・エガース

時間:1時間49分

配給:トランスフォーマー

公開日:2021年7月9日

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