映画感想≫≫A Beautiful Mind ビューティフル・マインド

あらすじ
ネタバレ感想
評価(平均点高めの設定です。)
概要

あらすじ

天才数学者ナッシュは、周囲に変人扱いされながら研究に没頭、やがて精神状態に異常をきたすようになり、病との闘いが始まる。ゲーム理論の基礎を築いたノーベル賞数学者ジョン・ナッシュの伝記小説を、オスカー俳優ラッセル・クロウを主演に「アポロ13」のロン・ハワード監督が映画化。

全世界から絶賛された2001年度最高傑作!!　 2001年度アカデミー賞R主要4部門を受賞した『ビューティフル・マインド』。監督のロン・ハワード（『アポロ13』『身代金』）は監督賞を獲得し、彼と長くパートナーを組んできた製作のブライアン・グレイザーとともに見事作品賞も受賞した。天才数学者ジョン・ナッシュを演じるのはラッセル・クロウ（『グラディエーター』『インサイダー』）。天才であるがゆえに国際的な諜報活動に巻き込まれ、その先に待つ衝撃の真実に立ち向かう姿を圧倒的演技力で表現。献身的な愛でただ一人夫を支える妻アリシアを演じたジェニファー・コネリーも、本作品で見事アカデミー賞R助演女優賞に輝いた。全世界で大絶賛された勇気と情熱の感動傑作。

ネタバレ感想

「天才」と呼ばれる数学者のジョン・ナッシュはプリンストン大学院の数学科に奨学生として入学する。人付き合いが苦手で、「この世のすべてを支配する真理を見つけ出す」という野心のみを生きがいに掲げる彼は周りからも好奇の目で見られるようになる。

ルームメイトのチャールズ・ハーマンだけがジョンを理解し、支えとなる中、ジョンはついに＜ゲーム理論＞を発見し、彼のたっての希望であったウィーラー研究所への採用が決定する。

5年後、出世を果たし国防総省へアナリストとして派遣され暗号を解く様子を見ていた政府の役人がジョンの元を訪ね、国家の最高機密である戦略分析室へと案内され、暗号解読の才能を買われスパイとして諜報活動を行うよう任命される。

聴講生だったアリシアと結婚もして順風満帆だったジョンだったが、ある日敵にスパイ活動を嗅ぎ付けられ命を狙われる危機に遭う。それ以降、怯え、疑心暗鬼になり極秘任務の重圧にどんどん精神が追い詰められていく。妊娠中の妻の身を案じ、任務は降りると訴えるも、ソ連側に名前をバラすと脅されこれまで通り諜報活動を続けるしかないジョン。

ある日の講演中、政府の人間らしき人物が踏み込んできたのを見て講演から逃げ出したが、精神科医と自称する男と数名の部下たちに取り押さえられソラジンを打たれ連行された先にはかつてのルームメイトで講演を聞きに来ていたチャールズの姿が。チャールズの裏切りを知り、激怒するジョンだったが、駆けつけたアリシアに医者は「統合失調症だ」と伝える。

チャールズとはそもそも幻覚で創り上げたルームメイトで、ジョンの寄宿舎は一人部屋だったという。半信半疑のアリシアはジョンの職場を訪れ、おびただしい諜報活動の痕跡に絶句する。同僚が面白半分で跡をつけた際に見つけた暗号解読の書類を受け渡していたポストは、実際には老朽化した施設跡で壊れかけたポストに残された大量の封筒の山は未開封のままそこにあった。

精神病を自覚し、退院したジョンは投薬治療を続けていたが、ジョンを支えねばならないアリシアの苦悩も半端ではなく、ストレスがストレスを生み、お互いに負の連鎖を引き起こす。心身ともに思うように働かなくなってしまう薬を密かに絶ったジョンの元に、再び政府の役人ウィリアムが訪れ森に囲まれた古びた納屋に案内され諜報活動を再開するよう言い渡される。幻覚に支配されたジョンは我が子を溺死させかけ、身の危険を感じたアリシアが出ていこうとするも、すんでのところでチャールズの姪がいつまでも大きくならないのはヘンで幻覚だと気付き、アリシアに付き添われ医師の往診を受けるが、その場にも現れる少女とチャールズ。自覚しても消える事なく付き纏う幻影と懸命に闘うジョンは、大学に出入りすることを許可され、均衡理論でノーベル賞を受賞するまで数十年にわたり「プリンストンの幽霊」と囁かれた。

「天才」と聞いて想起する人物像とは少し違う、女性にも興味があり、自信過剰で人付き合いは苦手ながらも軽口を叩きあう仲間も居る。そして何より情熱を持ち、必死になる様子が新鮮に感じました。

統合失調症や精神病関連の映画が好きなので実は妄想だったという展開を見た時サスペンスかと思いワクワクしましたが、最後まで見るとこれは紛れもないヒューマンドラマです。深い愛情の上に成り立った人生で、これが自伝というのが衝撃的でした。

数学的理論での受賞スピーチで愛の偉大さについて語るという異色で粋なラストが良かったです。大学の建物や景色も非常に美しく見応えがありました。