第1話「ベルグレービアの醜聞」/ A Scandal in Belgravia
あらすじ
シャーロックとワトソンは、モリアーティとプールサイドで対峙していた。モリアーティは、これ以上首を突っ込むと破滅させるとして、シャーロックの頭に銃のレーザー光を設定している。シャーロックもまた、モリアーティに銃口を向けていた。
ネタバレ感想
諮問探偵シャーロック・ホームズと諮問犯罪者ジム・モリアーティが生死を賭けた膠着状態はモリアーティの気の抜けた着信音とただ事ではない雰囲気の別件によって一時事なきを得た感じで終わります。
それにしてとシャーロックはなんというか銃が似合わない。射撃の腕前が相当なものだということはご乱心で自室の壁にぶっ放していた前回で分かりましたが。
ワトソンがせっせと書いているブログがウケているそうで今やシャーロックはネットのスターになっているのだとか(笑)
マスコミから顔を隠すためにシャーロックが選んだ帽子がまさにソレでニヤリとします。
訳も分からず連れてこられたバッキンガム宮殿で素っ裸にシーツを纏ったシャーロックと子供のような冗談で笑い合うワトソンの二人の緊張感の無さからもシーズン1より格段に信頼度が増している事が窺えました。
どうやら皇室からの依頼が兄マイクロフト経由で何かと噂のシャーロックの元へ届けられたようです。
際どい界隈の女王様業をしているアドラー嬢が世間体に関わる写真を大量に持っていて、しかしながら脅すわけでも強請るわけでもないという厄介さに興味を惹かれたシャーロックは彼女の仕事場に出向きます。
今回は一言で言うと「素っ裸回」です。
性を前面に押し出して来られると得意の洞察眼でもお手上げのシャーロック。
かなり頭が良く食えぬアドラーに珍しくシャーロックがやり込められているようにも見えます。
その後乗り込んできた武装したアメリカ人達相手に、協力する形で危機を脱し『よく見ていてくれたのね嬉しい』『よせ』という常人ではないもの同士の独特な会話に一々ツッコミを入れてくれる訳が分からない…状態のワトソンが笑えます。あと純粋にアクションも痺れます。
平和なクリスマスパーティでは招待されたモリーの装いや一つだけ特別なプレゼントの包装に目敏く気付き、長年の片想いの相手に贈るものだろう張り切ってるのもバレバレだとそれが自分宛だと思いもせずにデリカシーの無さをフルスロットルで披露したシャーロック。
プレゼントのカードを見てそれが自分宛だと気付き最悪な空気が流れる中「悪かった許してくれ」と素直に謝り、謝罪の気持ちを込めてキスをした瞬間に「ア〜ン」とアドラー嬢の悪戯で変えられたシャーロックの着信音が鳴り響くまでの一連の流れは最高でした。
57通目になるそのメールの内容にあった暖炉に目をやると真っ赤な包み紙のギフトが。
中を開けるとアドラーが死んでも渡さないと言い張っていた携帯電話が。これは…。見た瞬間にアドラー嬢の死を確信したシャーロック。さらに遺体安置所で顔面が潰されているもののスリーサイズが一致した遺体を確認してしまいました。
モリアーティに電話をかけて動かした人物もアドラーかと思っていたのでてっきり重要キャラで死なないのかと。
…とまんまと騙されていましたがやはり生きていたアイリーン・アドラー。
完璧な死の偽装やシャーロックの頭脳を持ってしても中々解読出来ないパスワードなどやはり只者ではありません。
案の定モリアーティと繋がっていただけでなくモリアーティはマイクロフトと繋がり対峙する関係であったりと思っていた以上に絡み合っていました。
終盤、心無いアドラーにシャーロックが傷つけられ、その動揺に蓋をするかのごとく猛烈に頭が冴えわたりパスコード解読に至ったシャーロックですが、人間らしい感情が垣間見えただけに物哀しい寂しさを感じさせます。
さらにその後アドラーがカラチでテロリストに斬首された事実をマイクロフトに聞かされるも彼女は無事だと優しい嘘をついたワトソン。
しかし居るはずのないカラチで彼女を助け死を偽装して逃がしてやったのもシャーロックで、やはりシャーロックにとってアドラーは「比類なき女」だったのかとか、救いがありながらズッシリとくる終幕でした。
ハドソンさんは完全に有能ヒロインだなぁ。
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