『第2話 ワトル』“Part 2: Wattle”
あらすじ
ソーンフィールドに少しずつなじんでくるアリス。アリスを温かく迎えたのは、自称“叔母”のキャンディ・ブルー、そしてソーンフィールドに逃げ込んで暮らしている「花たち」だった。ジューンは、アリスの母アグネスがソーンフィールドにいたことはない、と言い張るものの、アリスはさまざまな場所で母が暮らした気配を感じ取る。
ネタバレ感想
花言葉は『いつもあなたと一緒に』
アリスの部屋になったのは、元々アグネスが住んでいた部屋だそうですが、母親が以前ここに居たということは教えないつもりのジューン。
この農園ではツイッグの娘〈キャンディ・ブルー〉の他にも“花”と呼ばれる女性達が大勢暮らしております。
〈ステラ〉、〈ミフ〉副司令官の〈メイ〉に金歯が目立つ〈ロージー〉と〈ヴリンダ〉、そしてオンリーワンの〈ブー〉という老婆。
いかにも訳あり感がある女だらけの生活です。
ソーンフィールドの農園はアリスのひいひい婆さんが始めたもので、3世代にわたって受け継がれてきたものだそう。
広大な温室の中の切り花畑は圧巻で、一見浮世離れしていて霞でも食って生きてるのかと感じるジューンですが、これだけ立派なら花を出荷して食い扶持はじゅうぶんに稼げるのでしょう。
ステラの夫〈パディ〉が出所して彼女を捜しているという報告を受けて、ステラは居場所がバレたのでは、とかなり動揺しております。
ステラもまた、DV被害に遭っていた被害者で、ここに住む“花”たちは皆何かしらトラブルを抱えていそうな雰囲気。
朽ちた納屋にアリスが迷い込んだのを見て慌てて「ここは危険だから二度と入ってはいけない!」とアリスを連れ出すジューン。アリスは気が付きませんでしたが、ガラスの向こう側にはこちらをじっと見つめる少年の姿が。あの子は現実に存在しているのでしょうか。
キャンディは自分がアリスの叔母だと教えますが、血縁はなくてジューンとツイッグに育てられたからクレムとは兄妹のような間柄という話。ツイッグも実母ではなく、捨てられていた赤子のキャンディは母親が見つからなくてここに引き取られたのだとなかなかヘビーな身の上話をしています。
そんな彼女でさえ明らかに触れられたくなさそうにした手の平の傷は、父親にも同じ傷があったと覚えがあるアリス。
川に行けば木の幹に両親の名前が彫ってあるのを見つけたアリスは川に入り溺れかけたところを〈オギー〉という少年に助けられました。
オギーの母親は以前“花”としてオギーも一緒にここで住んでいたそうですが、今はダイナーの裏に越したそう。川に来るのが好きだけどジューンに見つかったら撃たれるかも、と話すオギー。追放の身か何かなのでしょうか?ジューンの胡散臭さはとどまるところを知りません。大丈夫か。
弁護士〈ウィーラー〉によれば、ジューンとサリーを後見人に選んだ理由はわからず、ジューンが後見人として不適格とされる条件は健康上の問題や犯罪歴の影響だそうです。
ジョンは若干でジューンの犯罪歴を調べ、彼女が飲酒運転や暴行、脅迫で何度も警察の世話になっている記録を見つけています。
そして、アグネスの変更前と変更後の遺言書を同僚に手配してもらい、サリーを後見人にする変更があったのは4ヶ月前などではなく2年も前のことだと発覚。
当時、たまに図書館で本を借りに来てお互いの娘の話をする程度で、ジェマの葬儀には来ていたけれどそれ以上の関係はないはずだったアグネスとサリー。それほどまでにアグネスには外界との繋がりが無かったということか……?
ジョンは飲酒運転のことしか話さなかったものの、彼の同僚から暴行の経歴があったことや、病院勤務のナースからはアリスがパニック発作を起こして病院に連絡があったことをこっそり聞かされるサリー。
これを聞いてやっぱりアリスを諦めきれなくなってしまったサリーはジューンに電話してアグネスの遺言変更があったから自分は弁護士と手続きを始めるつもりだと宣言。ちょうどジョンに見つかって電話は中途半端なまま切らされてしまいましたが、あの程度も脅迫になるのか。実際にアリスが発作を起こしていてそれについて聞かれても知らないと返したりアリスがまた話せるようになったと嘘をつくジューンの方が悪質に見えますが。
今にも崩れそうな納屋で見たあの少年はやはりジューンにしか見えていない幻覚で、少年時代のクレムでした。
ジューンは代々ソーンフィールドに受け継がれている花言葉が記された手書きの本をアリスに渡します。
母親が好きだったクータマンドラ・ワトルという花のページが気になったアリス。花言葉は『いつもあなたと一緒に』。
ワトルの花はアリスが与えられた部屋の壁紙一面にも描かれており、やはり母の気配がそこかしこにあると確信したアリスは「私のママはここにいた?」と筆談で問いますが、ジューンはそれを否定。なぜ隠すのでしょうか。
ステラの居場所がパディにバレてしまい、小箱の中に入った婚約指輪が置かれているのが見つかります。
パディに殴られて流産した夜にステラの指からこの婚約指輪を切ったものだそうで、予想の斜め上をいくDVを受けていた様子。
怯えるステラに絶対守ると約束したジューンは、居場所が知れたからと言って農園の外に出してしまっては男の思う壺でステラを守れない、と。
ツイッグはサリーにこの事実が知れたらそれこそアリスと引き離されると反対しますが、そうならないようパディを始末すると言って銃を手に警備態勢を強化しております。
パディというのが、まさか配達に行ったキャンディがダイナーで出会ったあの男だとは……。知らなかったとは言え、自分のあとをつけられたせいで農園の場所がバレたという事実に気が付き動揺が隠し切れていません。
地図にも載っていないような内陸に位置する農園は地元ではカルト的扱いを受けているらしく、初めて登校することになったサリーも声が出ないことや農園に住んでいることを揶揄されます。代わりに怒ってくれたオギーも殴られ、タガが外れたようにいじめっ子に襲いかかって殴り続けたアリス。
ツイッグに迎えに来てもらった際には、火事は事故じゃなくて自分のせいだと書いたメモをオギーに押し付けて帰りました。
ジョンの同僚は何故そこまでサリーに肩入れするのか不明ですが、君が望むなら地元警官にジューンに対する圧力をかけることもできると提案し、結果的にブチ切れジューンはジョンにクレームを入れて辞めさせないと全員訴えるぞ、とのこと。
事実を知ったジョンは妻にこの話は白紙だと怒鳴り、自分に隠れて他の警官に圧力をかけさせたことを責め立てます。サリーは飲酒運転のことしか言わなかったからだと訴えるも、暴行の件に関しては彼女が加害者なのではなく被害者だったから伏せたのだ、と衝撃の事実を聞かされることに。あのツヨツヨ婆さんが……いや、確かにその被害があったからこその今の立ち位置と思えば納得ですが。
仮出所の取り消させることでステラを守るためか、わざとパディを挑発して殴られるジューン。血まみれで帰り着いたジューンは家に入る前にあの納屋へ行って木の幹に印を刻んでいますが、何をカウントしているのか。暴行を受けてまで“花”たちを守ってきた回数なのでしょうか?
頼むから抱えている本音を話してくれと夫から懇願されたサリーは、翌日屋根裏から本を読む少女の彫刻を出してきてジョンに見せます。彫刻といえば彫ったのはクレムだろうに、像の少女はアリスには見えません。それどころか、この家に飾ってある娘の写真そのままです。
全てを察して泣き崩れそうになりながらも、ジェマはクレムの娘だと打ち明けられたジョンはこの事実を受け止め切れるのか……。
アグネスに向けて愛情を込めたクレムからのメッセージが綴られた本を見つけるアリス。穏やかな文面とは裏腹に、これまで父から受けた悲惨な仕打ちを思い起こす少女の精神が崩壊してしまわないかも心配です。
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