アクアマン 失われた王国
あらすじ
はるか昔、南極の氷河の奥深くに封印された「失われた王国」。そこには、世界を滅亡させるほどの力を持つ伝説の古代兵器ブラック・トライデントがあった。ある日、アクアマンへの復讐を誓うブラックマンタがブラック・トライデントを見つけ出し、邪悪な力が解き放たれてしまう。5億もの海の生物を操ることのできる海底アトランティスの王アクアマンは、かつてない脅威から海と地上の世界を守るため、仲間たちとともに立ち上がるが……。
DCコミックスのヒーロー・アクアマンを主人公に描き大ヒットを記録した2018年製作のアクション大作「アクアマン」の続編。
予告動画
キャストには主演のジェイソン・モモアを始め、アクアマンの弟である前王オーム役のパトリック・ウィルソン、母アトランナ役のニコール・キッドマン、アトランティスの女王メラ役のアンバー・ハード、ブラックマンタ役のヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世ら前作のメンバーが集結。「ワイルド・スピード SKY MISSION」のジェームズ・ワン監督が前作に続いてメガホンをとった。
ネタバレ感想
1がめちゃくちゃ面白かったのでもちろん期待して観に行ったのですが、結果はやや肩透かし。
王となり父となったアーサーに一体どんな試練が待ち受けているのかと思えば、なんだかんだで引き続きの復讐話。
わりと序盤でブラック・トライデントを手にしたブラックマンタは良いとしても、洗脳なのか、そもそもの思想なのか、はたまたブラックマンタの変化に気付いていないのか、博士以外のメンバーは全ての受け入れが早過ぎるし唐突に攻め込むは変なジャングルを拠点にするわで、どうしたどうした?という感じ。
アーサー側にしても、もっと父親になったからこその展開があると思っていたら、蓋を開けてみれば兄弟の和解がメイン。
前作で戦い打ち破った弟のオームの力が必要だとかなんとかで、自らの手で投獄された弟をこっそり助けに行くアーサー。
ヒョロガリの肉体はまさか役作り……?さすがにCGでしょうか?まさに水を得た魚、という風に一気にムキムキに返り咲くシーンは盛り上がりました。
わざわざ脱獄させるほどの事もなかったような気がするし、いくら脱獄できるというメリットがあるとは言え、わりと序盤からすんなり『最大の敵』ぐらいの認識だったはずのアーサーに追従している動機の裏付けも弱め。一度ぐらい裏切るかと思いきや、終始良い子ちゃんの王子様でした。兄弟の掛け合いはコミカルで良い感じ。
地上と共存していく道を選ぼうとするアーサーが評議会の反感を買って王座を追われる云々も大した話にはならず。
幾年の時を越えてようやく封印が解かれたラスボスは、一矢報いることすらさせてもらえずあっという間にトライデントに貫かれていてやや不憫なほど。
場面転換が多く、どのシーンでも鮮やかな作り込みだったりメカニックのデザインであったりは凄い反面、その壮大さにストーリーがついていけていないというかなんというか。色々詰め込み過ぎだろ、とツッコミたくなるような部分が多いです。
美しい世界観の中でスリルやワクワクはある反面、ストーリー性はそこまで重視せず王道の起承転結がめまぐるしく進んでいくという、たとえるならばディズニーランドのアトラクションのような感じ。
映画として観ると『テンポが良い』を通り越してとっ散らかってる感が否めないのが残念です。
こうして考えると、ダンジョンズ&ドラゴンズの詰め込みまくっているのに絶妙に最高と思えるあの感じは凄かったな……とスクリーンを観ながら別作品のことを考えてしまいました。
とは言え、マイナスポイントを差し引いてもやはりジェイソン・モモアのカリスマ性というか、あの衣装に全く負けない凄まじい風格だったり野生味溢れるワイルドさはさすがで、締めるところはしっかりとめちゃくちゃカッコよく締めてくれる感じは健在でした。
評価(平均点高めの設定です。)
4.0 /5 点!
概要
監督:ジェームズ・ワン
時間:2時間4分
配給:ワーナー・ブラザース映画
公開日:2024年1月12日