エピソード10『善悪の彼岸』“Chapter Ten: Us and Them”
あらすじ
ウェイツとの対決の余波の中、娘の突然の訪問を受けたボッシュは、共に貴重な時間を過ごす。白骨化事件の解決後、ボッシュの職は再び危険にさらされる。
ネタバレ感想
ちぐはぐな家族3人が参列するアーサーの葬儀の異様さよ。かつて子どもを捨てた母親と妻に暴力を振るい娘に性的虐待を加えた父親、そして両親からの被害者であると同時に弟への虐待を繰り返した加害者でもある姉。あまりにも不幸な家族です。
はたから見守っていたボッシュは、ドーセットにトレントが孤児たちを支援していた話をし、「昔犯した罪を償いたかったのかも」という言葉に共感したドーセットはこの支援を引き継いでくれることに。
アーサー殺害の真犯人であるストークスの逮捕がまだだったり、チーフとオシェイの野心の攻防戦だったりという小さな問題は残っているものの、肝心のウェイツが死んでしまって消化試合感は否めません。
ストークスの資料を見ていたボッシュは、釈放される際に二度も身元引受人になっているビル会社経営の〈ジョー・オリーヴァス〉の名前を見つけてエドガーに連絡。すぐに会いに行こうとしますが、エレノアから電話があってマディがバックパックごと消えて連絡もつかないので位置情報を検索したところボッシュに会うためバスでLAに向かっているとのこと。ボッシュはバス停の到着時刻に合わせてマディを迎えに行かなければならなくなり、オリーヴァスのところへはエドガーが一人で訪ねることになりました。
なんだかんだで娘に甘いボッシュは、エレノアの迎えを夜まで遅らせてもらいそれまでの間は娘と過ごすことに。
しかし、オリーヴァスからストークスの居場所を聞き出したエドガーからストークスを見つけたから応援を呼んで突入すると一報を受け、「俺が行くまで動くな」とやはり居ても立っても居られないボッシュ。マディは見物中だった発掘現場に預けて現場へ急行します。しかし到着が一歩遅く、既に突入後でボッシュの出る幕は無し。
マディは確実に良い子ですが、いかんせん親子の関係が深く描かれていないせいか、父親のことを名前でハリーと呼んでいたところからパパ呼びに戻るちょっとした瞬間があってもそこまで心に響きません。とにかくマディが危険な目に遭うことなくエレノアの迎えでベガスに帰って行ったのには安心しました。
娘を送り出した翌日、副本部長付きの〈アイダ〉から呼び出しの連絡が。
チーフのところへ行ってみると入れ違いでオフィスからジュリアが出てきます。嫌な予感がしつつ中へ入ると、ウェイツの件で大陪審が開かれるからボッシュも召喚されると告げられます。
例のビデオがあろうと、これは政治的な駆け引きでオシェイは大陪審を使って圧力をかけてくる気だから準備をしておけとのこと。
そして、どのみちストークスを起訴するのであればジュリアの件もストークスに罪を被せて問題ないとの意向のようで、ジュリアはパシフィック署に異動して復職させるそう。復職の条件にボッシュを訴えないことを先ほど約束させていたそうです。ボッシュからしてみればそもそも合意の上の関係で、訴えられる謂れはないわけですが、言ったもの勝ちのような世界なのでチーフとしては息子の件で陰ながら奔走してくれたボッシュに対して貸し借りなしとでも言いたいのでしょうか。
ボッシュが出てくるのを待っていたジュリアはこの期に及んでな口ぶりで、あわよくば復縁でも期待してたんじゃ？何だこの女。
そして、せっかく捕らえたストークスも、たとえ殺人が立証されようと罪を犯した当時の年齢を考えると少年法が適用されるのでこれ以上留置はできないという歯痒い現実にぶち当たります。
この苛立ちの中突っかかってきたパウンズを派手に投げ飛ばしてガラスを突き破らせたボッシュ(笑)怪力かよ。
おかげでまんまと内務調査にかけられるハメになってしまい当面は謹慎処分となってしまいました。
ストークスを起訴できずに終わるあたり、ご都合主義な展開は限りなく控えめで良いではないですか。……と思ったところで、エドガーから呼び出しがあり行ってみると記者からストークスの居場所を聞いて息子の復讐を果たしたドラクロワが自首してきたとのこと。やっちまったか。
これで過去の罪が消えるわけではないというボッシュの怒りは当然ながら、「あんたにはできないことをやった」というドラクロワの捨て台詞も的を射ているのがなんとも皮肉です。
ボッシュシーズン1、めちゃくちゃ面白かった……！無骨だなぁ。
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▼次回、S2エピソード1
