エピソード9『裏切りの色』“Rojo Profundo”
あらすじ
デモの日が近づき、ビレッツは活動家たちと取引をする。アーヴィングは友が敵となることを知る。ムーアとバレルは担当の事件を見事に解決する。特捜班がなんとか捜査の軌道を戻そうと奮闘するなか、ボッシュはロサンゼルス市の地下深くに辿り着く。
ネタバレ感想
まずはマディがちゃんと家に帰っていたことに安心です。
ボッシュとマディの親子関係は、離婚して離れて暮らしてみたりLAで一緒に暮らしてみたり、ついには母親に先立たれるという不幸があったりで環境がガラリと入れ替わることが多く、それなのにその都度良い関係なのがグッときます。
大学からの通知にしても、捨てただろと怒ることも諭すこともなく、ただ「家に忘れてただろ?」と手渡す粋さよ。これはずっと一緒に暮らしてきた父親ではないからこその押し付けのなさではないでしょうか。
カラオケ店で逮捕した〈ジャイ・リー〉の仲間で長髪の男〈エディ・ヴァン〉がエレノアを撃った実行犯だと分かります。
チェンの組織である三合会と繋がっているそうです。
オシェイが署に到着し、エライアス殺害犯を起訴できるだけの情報と引き換えに司法取引を迫り、リンカーンも罪を被るのはゴメンだと書類にサインしました。
ブラックガーディアンの拷問映像を渡したのは誰かと聞かれたリンカーンから「ブラッドリー・ウォーカー」という思わぬ人物の名前が。
警察委員長のウォーカーはリンカーンから受け取った内部情報を流す事でエライアスが勝訴するよう彼と取引をしていたといいます。
その見返りとして示談金の一部はリンカーンだけでなく、ウォーカーにも入っていたのです。
今回は市が不祥事を揉み消すためにいくらでも積むだろう案件で、大金が入るはずだったところを正義に目覚めたエライアスが示談を蹴ったことが発端になったのだそう。
そして、情報源として自分の名前が暴露されそうになったウォーカーは手先の者に殺させるでもなく、自らエライアスを殺したのだと証言するリンカーン。
もしウォーカーが捕まることがあればリンカーンも道連れにしてやると宣言されていたこともあって、誰かに罪を着せる必要があったリンカーンはシーアンとドレイクがハリスにした仕打ちを見て「悪人なら捕まって当然」という考えから弾をすり替えます。
全てを聞いていながら、「彼女の話は信憑性がないし、証拠がない限り先には進めない」と予想通り及び腰炸裂のオシェイ。
確かに相手があまりにも大物過ぎて、動かぬ証拠を出すくらいしないといくらでも返り討ちにあいそうです。
ビレッツ警部補はオシェイを納得させるためにも、捜査を洗い直してリンカーンの話を裏付ける証拠を探すよう特捜班に指示を出しました。
ただ、ウォーカーのアリバイを裏付ける存在が皮肉にもボッシュ自身なのです。エライアス殺害事件で呼ばれる直前、ウォーカーを監視していたボッシュは資金集めパーティーの会場で彼から声を掛けられており、アリバイ工作に利用されていた、と。
エライアス夫人がボッシュを訪ねてきて、検視局から夫の身に付けていた私物を返されたけれど、その中に夫が身に付けていなかった結婚指輪があると指摘。シーアンの銃が凶器だと言っておきながら今度は否定してシーアンは釈放された現場と、検視局がミスをするのなら鑑識も当てにならないと疑念の目でボッシュのところに来たわけですが、この結婚指輪は今後大きな証拠になってくれそうです。
帰り際に「ブラックガーディアンの証拠映像が入ったSDカードを捜していて家宅捜査したいけれどマスコミに誤った印象を与えたくない」と話したボッシュに対し、「一応自宅は捜してみるけれどきっと家にはないわ」とエライアス夫人。「そんなに大事な証拠なら持ち歩いてたはず」と言われ、それもそうなのです。
ボッシュはベッカの父親フィルのところへいき、パーティの時に「ウォーカーのローン返済が5000万ドル滞ってる」と言っていた件について話を聞きたい様子。
あの時はどこかの馬鹿に入場券を盗まれイラついていただけで、下手したら自分のクビが飛ぶからその話は忘れてくれと大慌てのフィルに、入場券を盗んだバカは自分で、ウォーカーを監視していたと明かします。
詳細は言えないがウォーカーの事業や経済状況について知りたいから協力してくれたら自分もフィルの力になると頼むボッシュに対し、フィルは違反切符のことを根に持って嫌味を言ってきながらも協力的な姿勢で良かったです。
チーフがウォーカーに放火事件のことを漏らしてすぐ、逮捕されていた作業員のボンディガスは捜査が及ぶ前に国外退去処分になってしまい、チーフもウォーカーへの疑惑を深めるには十分の結果です。
リンカーンがウォーカーについて証言したのに自分に何の報告もないとボッシュをきつく咎めるチーフに対し、ボッシュは1ミリも怯まずやり返してその場を後にしました。
リンカーンはポリグラフ検査をパスし、ロバートソンもシーアンに「ドレイクも映像に映っていた」とハッタリをかました反応からしてリンカーンの話は本当だろう、とのこと。
中国警察の国家安全部“MSS”を名乗るシウェイ・チェンがハリウッド署に現れます。
エレノア殺害犯逮捕のために情報交換をしたいという体でしたが、本当に知りたいのはレジーの居所のようで、マディの話題を出されて娘に近づくなとはちゃめちゃに怒鳴りつけて脅迫し返したボッシュ。
その足で自宅に帰ってマディを安全な場所に連れ出そうとしますが、少し前から気付いていた尾行の車がここでも。
とうとう自宅前まで着いてきたので銃を出すも、相手はFBIのデン捜査官でチェンが現れたことに驚愕しており、ボッシュ達を見張りつつ警護をしていたとか。
グリフィンの携帯の履歴まで調べていたエドガーは、エレノアが送った動画を翌日中国に転送していたことを掴んでおりますが、グリフィンが裏切り者パターンですか?
資金集めパーティーが行われたホテルの奥には、古い鉄道の駅に繋がる従業員通路が存在し、先に進めばターミナルビルの下に行き着くと支配人から教えてもらったボッシュ。
一方通行の扉にパーティーで配られた紙ナフキンを丸めてまた戻れるよう細工したとみられる形跡や比較的新しい足跡も見つかります。更に進むと破壊された携帯が。ここに捨てるのはあまりにも不用心過ぎな気も……。
地下通路から繋がっていた出口はエンジェルズ・フライトと目と鼻の先でした。
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▼次回、エピソード10