第22話『第一の市民』”DE PATRE VOSTRO”
あらすじ
アクティウムの海戦で勝利したオクタヴィアヌスは、アントニウスに無条件降伏を迫る。アントニウスは自殺し、クレオパトラもカエサリオンをヴォレヌスに託して後を追う。オクタヴィアヌスはカエサリオンを殺すつもりで、プッロに捜索を命じる。しかしカエサリオンは、実はプッロの子であった。プッロはヴォレヌスとカエサリオンを見つけ、共に逃亡を図るが、ヴォレヌスが致命傷を負ってしまう。
ネタバレ感想
アクティウムの海戦でエジプト艦隊を壊滅させたオクタヴィアヌス軍は、逃亡中のアントニウスから和解の条件を送られますがこれを全く受け付けず無条件降伏を要求します。
アントニウスの側近にいるはずのヴォレヌスに 、開門すれば旧友のプッロが安全を保証する事を伝えさせました。二人だけが分かる言葉として『子供たちは元気だ 俺の子も元気か?』とジョークだと誤魔化しながらヴォレヌスに自身の存在が分かる言葉を残したプッロ。
クレオパトラとアントニウスが籠城する宮殿内は薬と乱交に勤しむ人々で溢れかえりとんでもなく退廃的な事になっております。
使者がヴォレヌスへ密かにプッロの言葉と、アントニウスを見限り開門するなら命を助けるつもりだというオクタヴィアヌスからの条件を伝えますが、ヴォレヌスはこれにも応じようとはしません。
正気とは思えない一騎打ちの要請を出してきたアントニウスが酒と薬に溺れていると知ると、オクタヴィアヌスは密かにクレオパトラへと「生死を問わずアントニウスを差し出せばあなたと国民を保護し敬意を持って扱われる事を保証します」といった文書を送ります。
受け入れれば名誉が汚れ歴史に残ってしまうと嘆くクレオパトラですが、代わりに王国、民衆、命が助かると側近奴隷に諭され涙を流したがら悩みます。なんというかこれまでのキャラからだいぶ離れた常識人扱いみたいになっていてムズムズします。
アントニウスとクレオパトラは心中を約束しますが、翌日側近奴隷が寝こけているアントニウスを起こし「先に死ぬけどすぐにこっち来いよ」という内容のクレオパトラからの遺書と小刀を手渡され泣き狂った後、ヴォレヌスに借りたローマの剣を使いローマ人として自決したアントニウス。
ヴォレヌスは、エジプト式のメイクを拭き取りローマの甲冑に着替えさせアントニウスの遺体を整えてやります。
そこへ現れたのはやはりというかなんというか、クレオパトラの姿が。
クレオパトラに対しこれでもかと挑発し『やかましい!』と怒鳴りつけるヴォレヌスに何故か笑ってしまいました。いいぞ、もっとやれ!
オクタヴィアヌスはカエサルの子を名乗るカエサリオンは生かしておかないだろうと分かっていたからこそ、プッロの子を守る為にこれまでエジプトに留まっていたヴォレヌス。
これを聞きクレオパトラは素直にカエサリオンをヴォレヌスに預け逃すのでした。
アントニウスを引き渡す条件で自分達の安全は守られると信じていたクレオパトラですが、オクタヴィアヌスとの謁見で上辺は自分達に敬意を示していても何とかして早急にローマへ連れて行こうと頑なな相手を見て『あなたをローマで引き回すためだ』というヴォレヌスの言葉が信憑性を帯びてくるのを肌で感じます。
このシーンのクレオパトラは薄々分かっていながら真意を探るために、そして何とか回避の道は無いものかと平静を装いながら繰り返される会話が非常に良かったです。
愛する人を裏切り生にしがみついたつもりでいても、敵にはさらに手の平を返されるクレオパトラ。運命を悟り、既に亡くなったアントニウスの隣で毒蛇に胸を噛ませ、踏み込んできたオクタヴィアヌス達の中で静かに息を引き取りました。
ヴォレヌスと一緒に逃げているカエサリオンの捜索及び説得に任命されたプッロは夜の砂漠でカエサリオンを連れたヴォレヌスと再会します。
久しぶりの再会を感じさせないほどいつも通りの二人が逆に別れを感じさせて切ないものがあります。
最後の最後に検問所で素性がバレ共闘し敵を皆殺しにするも、深手を負って倒れてしまったヴォレヌス。最期に子供達の顔が見たいというヴォレヌスの頼みでカエサリオンを連れてローマへと急ぐプッロ。
1ヶ月後、オクタヴィアヌスの凱旋式が行われる日。もう長くない父親の側に寄り添い全てを許した子供達。ヴォレヌスにとっては死に際の最高の贈り物となったようです。
プッロはオクタヴィアヌスにカエサリオンを殺したと報告し、報酬を受け取り小生意気で父親を知らない息子とローマの街を歩きます。
ここで報酬をちゃっかり貰っちゃうあたりがプッロらしくて良いのです。
ヴォレヌスとプッロ。離れていた時間は長くとも、友人同士でお互いの子供を我が子のように見守っていたというあたりが二人の信頼関係の深さを何より如実に表していたのではないでしょうか。
あの性格でアティアが生き延びたのは意外でしたが、ラストの嫁姑ヒール対決での圧倒的存在感と強さを見るとさすが!とさえ思ってしまいました。
人物像や相関図など史実とはどの程度相違があったのか、この後オクタヴィアヌスを取り巻く環境や人々はどのように変わっていったのか、興味が沸きます。全22話を一気見させる見応えがありました。
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