第2話『母と子』“The Loved One”
あらすじ
検視の結果、遺体の"チャイナ・ガール"は妊娠していたと判明。ロビンは胎児から父親の手がかりを掴もうとする。さらに被害者が売春に関わっていたのではと推測し、シドニーの売春街へ捜査に踏み込み、数名の行方不明者の情報を得る。
ネタバレ感想
4週間前、結婚式当日に破局したというジョノとロビンでしたが、事態は想像より遥かに酷いものでした。
森のビニールハウスで大麻を栽培していたジョノはハイになったどこぞのおさげ女と浮気関係にもなっていて、大麻を急いで運ぼうとしている最中に女ともどもしょっ引かれております。
ウェディングドレス姿に険しい顔で面会に来たロビンと御一行は、5分しかない面会時間で慌ただしく結婚の誓いを済ませようとしましたが、牢屋の中にいるおさげ女を見て浮気を悟ったロビンはそのままベールを外してその場を後にしました。大麻に関しては何とも思っていなさそうなのが凄いな。
トゥイや“パラダイス”の女性達も健在で、結婚式に招かれていた彼女達は全面的にロビンの味方ですが、このままここには居られないし仕事に戻らなければならないと言ってロビンはシドニーに戻ってきていたのです。
マットが死んだ後、ミッチャム家の男達とも良好な関係を築いていたらしいのが少し微笑ましいものの、ロビンにとってはやはり因縁のある土地になってしまいました。
スーツケースの中の遺体はアジア系の女性で、身元が分かるまでの間、“チャイナ・ガール”という仮の呼称で呼ばれます。
憎まれ口を叩くほどには仲が良い〈レイ〉の横について検視解剖を進めるうちに、17週〜20週の妊婦だったことが発覚。
長く水中にいたチャイナ・ガールの状態は酷いものの、海水のおかげで胎児の方は損傷が少なかったようです。
胎児を摘出したあたりで思わず退室したり、その後も大事な話が出たと同時にその場を去ってしまうミランダでしたが、それもそのはず、彼女は妊娠中で亡くなっていた胎児とほぼ同じ18週だとか。
アジア系女性の失踪届は出ておらず、不法入国者の疑いがあるものの、損傷が酷くコンピュータ技術を持ってしても顔の識別ができないので手掛かりはゼロ。ただ、胎児が摘出されたことでDNA検査ができるので父親から解決の糸口が見えてくる事に賭ける方向で捜査を続けて行くことに。
生まれてから一度も会ったことがないメアリーからの手紙に返事を書き、直接自宅へ投函しに行こうとしたロビンは、家から出てきた少女を見つけて思わず先回りして顔を確認。
思わぬところで思わぬ出会い方。これはますます感情が不安定になりそうです。ゴロツキと付き合って娼館に出入りするメアリーが事件に巻き込まれるのも時間の問題ですしね。
ゲスな仕事仲間からスーツケース事件を知らされたブレットは血相を変えてその場を後にしております。
売春宿でシナモンを呼んでもらうはずが、通された部屋に居たのは“新しい”シナモンで、「前の子はもう居ない」と一蹴されてしまいました。彼は、ビーチの事件の被害者が居なくなったシナモンなのでは……と本気で心配するも、娼婦達にも居合わせたプスにもまともに取り合ってもらえないまま。
ところで、売春宿の待合室に居た〈マーリー〉というまだ幼い少女が抱えているデカパンダは、ロビンの上司エイドリアンが人気のない道端で渡していたものです。どういう繋がりだ……?
ミランダを伴って動くロビンは、警官嫌いのセックス・ワーカー組合の〈リンダ〉を納得させた上で協力させるよう持ち込みます。
合法の風俗で働く女性達のための組合ですが、やはり界隈の違法な裏事情にも精通しているのは明らか。
リンダの仲介のおかげで複数の風俗店での聞き込みがスムーズに済ませられます。
その中で、プスの居るあの娼館“シルク41”にも足を踏み入れたロビンは他よりも極端に歓迎されていない空気を感じ取るも、シナモンという女性が行方不明で同僚が彼女のパスポートを預かったままだという事実は聞き出せました。
自宅へ投函された手紙を見たジュリアとパイクはロビンに連絡をし、メアリー抜きの3人で会うことに。
メアリーの両親は、ロビンからの手紙をメアリーに見せるかまだ決めあぐねているらしく、生みの親との今更の接触というのは確かにデリケートで慎重にならざるを得ない問題です。
ジュリアはかなり不躾な視線をロビンに送っていましたが、「娘は今悪夢のような状況に居る」とも話します。
ロビンが住所を調べた手紙は、メアリーが12歳の頃に出した手紙で、返信もないまま5年越しに突然の手紙となれば両親が警戒して当然の話。当時、ロビンが何のリアクションも見せず音沙汰無しだったことは『娘を拒否した』とジュリアは考えており、そんな母親は認めない、と。あそこで何の反応もしないと決め込んだロビンには相応の理由があってのことで、そこまでは話せば理解を得られそうなものですが、それならば何故今になって接触を?と言われるとそれは擁護しづらい部分でもあります。
生みの親からの返信がない事に悩んで性格が変わってしまったメアリーは、今では粗野で時に乱暴になると言ってロビンを責め、これは育て方の問題もそれなりにあるだろうに、どっちもどっちな話の責任を押し付けてくるのはいただけません。
言いたいことだけ言ってさっさとイザドアとの約束に出かけて行ったジュリアに対し、冷静に自分達夫婦が離婚することにも問題があり、妻がレズビアンに走った事でメアリーが自分の代わりに怒っているのだと状況を説明するパイク。
現状彼らが抱える最大の問題……先週17歳の娘が連れて来たのは42歳の男だとも話して、生みの親であるロビンにも娘に会って欲しいと頼みました。
その後案外すぐにロビンとメアリーの対面に。相変わらずのメアリーのおかげで感動の再会、と言った風にはならず、どこか怒りを抱えたパンキッシュな娘の話を満足げな表情で聞くロビンはそれでいいのか?
ロビンがあれほど悩んで隠し通そうとしていた出生の秘密ですが、メアリーは自分がレイプされて生まれた子だと既に知っていました。どこまで本気なのか、自分のDNAを使ってレイプ犯を殺す、自分は復讐のために生まれた子だ、とまで言っていて、拍子抜けでありながらロビンとしては多少ホッとした部分もありそう。
友達に近い感覚になった2人はまた会う約束をし、メアリーの“アジア系の友達”に泳ぎを教えにビーチに行く際にロビンも一緒に行くことに。えらく足早な展開で見逃せません。
レイのところへ出向くと、胎児の検体に問題があって正確な検査ができなかったと聞かされるロビン。
確かにチャイナ・ガールの子宮に居たはずの胎児はなんとDNAが母親とマッチしておらず、代理母だったのでは?と思い至ります。その場合、更にチャイナ・ガールの身元特定は難しくなるのでしょうか?うーーむ。
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▼次回、エピソード3