あらすじ
連続殺人事件の捜査に行き詰まったFBI捜査官とその相棒は、引退した元同僚のアナリストで医師のジョン・クランシー博士に助けを求める。卓越した予知能力の持ち主である博士は、容疑者の能力が自身以上であることに気づくが……。
「羊たちの沈黙」のハンニバル・レクター博士役で知られる名優アンソニー・ホプキンスと「The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ」「ロブスター」のコリン・ファレルが共演し、頭脳戦を展開するサイコスリラー。
クランシー博士役をホプキンス、容疑者役をファレルがそれぞれ演じるほか、テレビドラマ「ウォーキング・デッド」シリーズのジェフリー・ディーン・モーガン、「ブライト・スター いちばん美しい恋の詩」のアビー・コーニッシュらが脇を固める。監督は本作がハリウッドデビュー作となるブラジル人監督のアルフォンソ・ポヤート。
ネタバレ感想
タイトルとジャケットからして王道サスペンスミステリー的な話しかと思いながら見て、まずニーガン!!と驚き、突然のオカルト描写にえっ、そっち系…!?と困惑(笑)
いや、しかし丁寧に作られていて超能力者vs超能力者という斬新な設定も良かったです。
同じ手口が3件続き、連続殺人犯だと断定したFBI捜査官〈ジョー〉は、部下で精神病理学の博士号を持つ〈キャサリン・カウルズ捜査官〉を連れて、特殊な力でかつて事件への捜査協力をしていたアナリストの元を訪れます。
医者でありながら、残留思念を読み取ったり未来予知の出来る超能力を持つ〈ジョン・クランシー〉は、白血病だった娘のエマを看取った頃から2年ほど隠居生活に入っており、協力を渋りますが、キャサリンの未来を読み取り亡くなった娘と重ねて何かと彼女を気にかけるように。
ジョーの熱い要請に応える形で捜査への協力をし始めるジョンの力はかなり本物な様子。
“ジョー”と“ジョン”はややこしいので何かもっと無かったのかと思ったり。
首の後ろを一刺しにして即死させるという手口は一見残忍に見えて苦しみはないという解説も後に活きてきます。
突然柔らかそう〜な脳味噌が出てきたり血みどろシーンがあったりと、ナチュラルにしれーっと挟まれるグロ映像。これはやはりレクター博士を意識しているのでしょうかね(笑)
次第に被害者達は共通して不治の病を抱えていた事や、FBIの捜査は全て読まれており、犯人がジョンと同じ、むしろそれ以上の能力の持ち主だと分かってきます。
あっさり犯人と対峙する事になったり、まさかのジョーが犠牲になったりと王道から逸れる展開も。
最初にジョンが見たビジョンが話が進むにつれて答え合わせ出来ていく伏線仕様も良いですね。
犯人はただのサイコキラーな訳ではなく、己の力を使って、殺してくれと懇願する程の未来の苦痛を味合わせる前に解放してやる、という『大義』を掲げており、一概に絶対悪とは言えない存在でもあるのです。倫理的にNGというのは分かっていながらも、本気で被害者当人の立場になって考えた時、どうせ失われる命なら苦しみを感じる前に一思いに殺されてしまった方が楽なのでは…と感じる可能性は高いように思います。
捜査中にジョンの能力がどんどん高まっていってるようにも見えますが、終わってみればこうなる事すら読まれていてやはり彼に誘導された結果なのではないか、と考えるのも楽しめるポイントでした。
評価(平均点高めの設定です。)
4.2 /5 点!
概要
監督:アルフォンス・ポヤート
時間:1時間41分
配給:ポニーキャニオン
公開年:2018年